モバイルアプリを起動して最初に表示されるメッセージは、ユーザーが受けるアプリの第一印象を大きく左右します。

ユーザーの関心を引くチャンスは一度しかないため、この瞬間はユーザーにとってもアプリにとっても重要なものです。ダウンロードから24時間以降に、再びアプリを開いてくれるユーザーはたった21%しかいないため、リテンション率を向上させるためにはこの第一印象を記憶に残るものにすることが必須といえるでしょう。

アプリ内のUXにおける要素(UI、デザイン、コピーライティングなど)全てが第一印象に影響しますが、プッシュ通知やメールなどといったアプリ外のコンテンツでUXを向上させることも可能です。ユーザーに複数のチャネルから働きかけることで、アプリの使い方も覚えやすくなります。

この記事では、オンボーディングを向上させるために参考となるメッセージを13例ご紹介します。ユーザーにアプリを継続して利用してもらうために、うまく活用して第一印象を素晴らしいものにしてください。

1. InVision

『InVision』はWebサイトやアプリのプロトタイプを作成し、ログの共有やフィードバックを行えるツールです。

『InVision』のメールは、簡潔で明確です。メッセージと一緒に設置されている「今すぐ動画を見る」というCTAは、是非とも真似したいところです。CTAをこの1つに絞ることで、ユーザーをすんなりと動画再生に誘導しています。

『InVision』は多数の機能を備えたSaaSであるため、できるだけ早くユーザーに製品を理解してもらうことが重要です。そのため、第一印象を決めるチュートリアルに注力しているのです。すぐに製品を使ってもらうことで、ユーザーのビジネスにおいてどのように役立つかを理解してもらうことが彼らのゴールになっています。

2. Drift

『Drift』はマーケティングと営業のプラットフォームで、Webサイトの訪問者にメッセージやチャットボットを利用して話しかける機能を提供しています。

このメッセージは、メールマーケティングの常識を打ち破りました。メールにはイラストや画像がほぼ含まれておらず、数えられる程度の絵文字がいくつかあるだけです。CTAも複数含まれています。既存のルールを打ち破ったおかげで、他のメールに比べて目立つものになりました。

多くの人々はプロモーションメールを毎日たくさん受け取っています。絵文字やイラスト、画像を入れすぎてしまうと、たとえ知り合いからのメールであっても、マーケティングメールのように感じてしまうかもしれません。このメールはシンプルなので、たとえ自動生成されているとしても、プロモーションやスパムといった印象を与えることがありません。

『Drift』はSaaSでありながら、ユーザーを製品ではなくブログに誘導しています。このように、押しつけがましさを感じさせないユニークな戦略を取っていることも興味深いことです。

3. VWO

『VWO』はウェブサイトにおける、A/Bテストとコンバージョン率の最適化を行うプラットフォームです。

『VWO』のメッセージには、先ほど紹介した『Drift』と同じ戦略が見られます。新規ユーザーを製品のチュートリアルに誘導するのではなく、5つのブログ記事がCTAになっています。企業のTwitterへのリンクもこのメールに含まれており、ユーザーを公式アカウントに誘導しています。

どうして複数のブランドがこのような戦略を取っているのでしょうか?それは、ユーザーに何かを要求するより先に、有益な情報を提供できるためです。

4. Flipp

『Flipp』はショッピング時に、クーポンや割引情報を検索できるアプリとウェブサイトです。

これはユーザーがショッピングタブに初めてスクロールした時に表示されるメッセージで、「ショッピングリストを友人と組み合わせる」という機能を説明しています。この招待機能は、より多くのインストールを獲得するためのCTAにもなっているのです。

ユーザーがアプリを使いこなす前であっても、このメッセージはユーザーに友人を招待してもらうきっかけになります。コストをかけずにユーザーを獲得する、賢い戦略と言えるでしょう。

5. Ello

『Ello』は世界中のクリエイターが自分の作品を共有したり販売できる、アーティストのためのソーシャルメディアプラットフォーム。そのため、ビジュアルを重視した独特なデザインに特徴があります。タイプライター風の等幅フォントを使うことで、ヴィンテージの雰囲気を表現。他にビジュアルがないため、画面上部に配置されたロゴが目立ちます。

『Ello』がまだベータ版の時に「とにかく人々に製品を使ってほしい」という思いを込めて送信されたものですが、このメッセージからその後のUXへとつながっています。

6. Postknight

『Postknight』はファンタジーの世界で騎士が冒険しながら郵便を届ける、人気のあるゲームアプリです。このゲームでは冒頭のメッセージでプレイヤーに自分の名前を入力するように促していますが、その名前はそのまま主人公に使われるという設定になっています。これはストーリーの背景を長文で説明したり、チュートリアルを長時間見てもらうよりも、プレイヤーをゲームの世界に引き込むための効果的な手法になっているのです。

プレイヤーから引き出した情報は、後ほど他のキャンペーンでのパーソナライゼーションに利用できます。さらに、主人公にすぐ名前をつけることで、プレイヤーは物語に引き寄せられ、ゲームアプリに歓迎されていると感じるでしょう。

7. QuizUp

トリビアクイズのゲームアプリ『QuizUp』は、初めのメッセージでユーザーがすぐに次の行動を起こしたくなるよう仕向けています。クイズゲームアプリの中でも『QuizUp』を気に入ってもらえるように、ユーザーがアプリを立ち上げた直後、ゲームのプレイを促しています。設定やゲームモードを説明する前に、まずはプレイをしてもらうことで、ゲームに夢中になってもらうのが目的です。

ある意味では、ゲームアプリにおけるチュートリアルはオンボーディングの流れの一部とも言えます。アプリの動作と価値を説明するには、最も直感的な手法だと言えるでしょう。

8. Curiosity

『Curiosity』は、さまざまな分野のニュース記事を取り扱っているアプリとウェブサイトです。このメッセージでは、アインシュタインの象徴的な写真で読者の関心を集めています。このアプリは「あなたをもっと賢くする」と謳っており、アインシュタインを使ったブランディングでその方針を明確に打ち出しています。

CTAを含んだ下部のメッセージで『Curiosity』がどのようなアプリかを説明しつつ、WebサイトやFacebookとリンクさせることで多くの「いいね」獲得を狙っています。利用する前にメールで情報を伝えることで、『Curiosity』ブランドを確立しているのです。

9. Harry’s

『Harry’s』は男性向けひげ剃り製品のECです。このメッセージは、新規ユーザーを丁寧に歓迎し、アプリやWebサイトへと誘導しています。

このメッセージは収益を得ることよりも、ブランディングやユーザーとのエンゲージメント確立を目的としているようです。いきなり製品の購入を勧めたり割引情報を伝えたりするのではなく、マンモスのロゴとマンモスの豆知識 (マンモスの年齢は牙にできた輪を数えることで特定できるなど) を教えて新規ユーザーの興味を引いています。

『Harry’s』は小売業として、ユーザーに良いブランドイメージを抱いてもらう必要があります。このメッセージはコンバージョンに焦点を当てる前に、まずは単純に新規ユーザーを楽しませようとしています。こうした楽しい体験から、ユーザーがすぐにアプリを再訪してくれることが期待できるでしょう。

10. Lee Jeans

『Lee Jeans』は『Harry’s』とは全く異なる方針を立てています。ブランドイメージを示すものは、日常の生活から切り取った1枚の写真のみ。かわりに、新規ユーザーに15%の割引と無料の配送・返品をメッセージでおすすめしています。 これらのCTAはユーザーにできるだけ早く買い物をしてもらえるよう設計されています。アプリの初回起動から平均12日後にユーザーが商品を購入していることから、こうした試みが早期の収益化を促進してくれていることがわかります。

11. Kate Spade

『Kate Spade』のメッセージで、まず目を引くのはそのビジュアルです。メールのコンテンツを封筒のグラフィックに重ねることで、ユニークなデザインに仕上がっています。

ここではさらに、新規で登録したユーザーへ15%の割引クーポンを提供しています。ユーザーのテンションを盛り上げるこのテクニックは、小売業にとっては重要です。

12. LawTrades

『LawTrades』のメッセージは弁護士との無料相談の予約を新規ユーザーに促し、即座にコンバージョンが獲得できる仕様になっています。 メールでは「無料相談ができるのは今だけ」と強調されているので、読者は一刻も早く予約を入れようとするでしょう。

13. King Arthur Flour

『King Arthur』のメールは、ブランディングとプロモーションを効果的に掛け合わせたものになっています。 ブランディングにおいてはストアブランドのような安価な製品との差別化を図っています。焼きたてのパンの写真に添えた「OUR KITCHEN (私たちのキッチン) 」「OUR PASSION (私たちの情熱) 」といったフレーズで、小規模で個人的な製造を行っていることを伝えています。『King Arthur』が大企業であっても、このブランディングで地元の農家が手がけた製品というような印象を与えています。

プロモーションにおいてはクーポンを取得するか、『King Arthur』の製品を購入できるお店を探すかという明確なCTAを設置しています。同社はオンラインでも製品を販売していますが、実店舗で利用できるクーポンを付けることで、ユーザーを実店舗へと誘導することができるのでしょう。

最後に

モバイルアプリで参考となる、13のメッセージをご紹介しました。目的がブランディング、コンバージョン、エンゲージメントのいずれであっても、適切なタイミングで最適なメッセージを送ることで、ユーザーの行動を継続させることができるのです。

この記事は、LEANPLUM社のブログ”13 Simple Welcome Messages to Spice Up Your Onboarding“を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on LEANPLUM in English under the permission from the author.


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