モバイルゲーム産業においてフリーミアムのビジネスモデルは急激に成長しており、アプリ事業者はゲーム作品をどう市場で売り、宣伝するかという点において一から考え直すことを余儀なくされています。アプリストアはニューリリースで溢れかえり獲得コストが上昇している状況において、企業は既存のプレイヤーを留めてより多くのお金を払ってくれる(比較的)手頃なプロセスを作ろうと腐心しています。分析の進歩によってマーケターがゲームを改善しKPIを向上させる門戸は開かれましたが、それでもまだ未知の領域です。結局ゲームアプリ事業者はどういった戦略を用い、どんな教訓を得ているのでしょうか?

 

ゲームジャーナリストJohn Gaudiosiはゲーム業界のトップにいるマーケティングのプロたちに話を聞き、彼らの経験を学びました。うまくいくことが実証されている4つの戦略がこちらになります。

 

1. 既存プレイヤー向けに新しいリワードを作る

 

ゲームコンサルティング会社Big Game Storyの創業者Fred Whiteは、予算が最小限度の場合、マーケティング戦略で最優先にするべきなのはプレイヤーのエンゲージメントだと主張しています。

 

WhiteはSeal Onlineというゲームでエンゲージメントを高めるキャンペーンを2週間行いました。内容としては小規模なオリンピックのようにイベントを特集し、国旗のアクセサリーを提供するというもので、かなりの割合のアクティブユーザーを引きつけ参加させることができました。 何人かのプレイヤーには、通常は実際の通貨でないと買えない限定の小物が贈呈されました。キャンペーンはニュースレター、ソーシャルメディア、少額での有料のCPAキャンペーンなど複数のチャネルをまたいでプロモーションされました。

 

「ギルドを形成するのに役立つように、プレイヤーがお互いに招待しあえる企画も展開しました。これによって街の中心の広場が様々な活動ができる社交場になったのです。」とWhiteは言います。

 

その結果、このゲームの同時アクセスユーザー数や1セッションにおけるプレイ時間、フォーラムの訪問数と投稿数、ゲーム内ストアの訪問者(と購入額)、ギルドの会員数、口コミによる拡散などが世界全体で上昇しました。

 

「波及効果は絶大でした。ギルドの会員数が一時的に増加しただけではなく、7日後や30日後のリテンション率やARPPU、セッション時間など他の重要なKPIも上昇したのです。何より、とても低いコストで済みました。」

 

この種のプレイヤーへの報酬は、ゲーマーたちは現実でもバーチャルでも勝つのが好きだという事実を利用しています。Gamesterの共同創業者で自身も熱心なゲーマーであるVolkan Tabanによれば、これがモバイルゲームマーケティングにおいてトレンドとなっているのは当然なのだそうです。「私たちのパートナーのゲーム1つで実施した施策はブランドスポンサー付きのトーナメントです。私たちはユーザーにちょっとしたリワードを毎週贈り、30日目に高額の商品(iPhone)を用意しました。このトーナメントはゲームを盛り上げ、その結果リテンション率は40%上昇し、10万人以上の人が参加しました。」

 

2. プレイヤーのスタイルに合わせてゲームを調整する

 

deltaDNAのマーケティング責任者Andrew Turnerはプレイヤーをエンゲージメントし続けるためにはゲームを最適化するのが効果的な戦略だと考えています。そうするとユーザーがお金を払ってくれる可能性が高まります。deltaDNAは自社のプラットフォームのツールを使って数々のマーケティングチームと一緒に仕事をしてきました。

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ゲーム調整ツールはプレイヤーのスタイルに応じて難易度を調整するためにプレイヤーのセグメンテーションと並行して使います。

 

「Angry Mob Games社のToysburgというアプリをコンサルティングした際、私たちはファネルを使って多くのプレイヤーが初回のチュートリアルで離脱しているということを突き止めました。プレイヤーによってスタイルが異なるとわかったので、プレイヤーに合わせるために3バージョンのチュートリアルを作りました。もしプレイヤーがゲームの操作にすぐに慣れた場合、チュートリアルは調整されてすぐにストップします。何回かのセッション後にゲームを離れ、あとになって戻ってきたプレイヤーの場合は中断した箇所からチュートリアルを再開します。上記に当てはまらない全てのプレイヤーには元から用意しているチュートリアルを見せます。」

 

チュートリアル以外にも、deltaDNAのツールを使えば段階ごとの難易度により引き起こされるリテンションの大きな問題点を発見することができます。

 

この改善施策として、セグメントしたプレイヤーにあとでゲーム内の同じ難易度のステージに戻るチャンスを与えました。 「こういった変更の結果、Angry Mob Gamesは7日後のリテンション率を100%増加することができました。リテンション率はプレイヤーのエンゲージメントを示す重要な指標です。」とTurnerはつけ加えました。

 

3. まずはゲームの操作性に注力する

 

Making FunのCEOであるJohn Welchは、ゲームのKPIに影響する最大の要因はゲームのクオリティと機能の改善であるという確信を持っています。彼は例としてMage and Minions という自社で所有しているゲームを挙げました。(彼によれば現在少しばかり収益化できており、広告費0でGoogleプレイストアから1日1000程度のインストールがあるそうです)

 

「このゲームの評価がどのアプリストアでもとても高い理由は、美しく、とても楽しく、実際にうまくいっているからです。」Welchは言います。「”荒い”ゲームでは目標到達までに離脱ポイントが多くなってしまいます。今の所それほど多くの収益は得られていませんが、これはお金稼ぎよりもゲームの楽しさと質に注力した結果です。しかしオーガニックのインストール数をより引き上げるために、有料での獲得施策もテストし始めています。」

 

4. リテンションを最優先事項にしない

 

リテンションはもっとも重要なKPIの一つですが、FTX Gamesの出版部門のヴァイスプレジデントであるCasey Dickinsonは、むやみにリテンション率改善に注力しすぎても必ずしも望ましい結果にはならないことを発見しました。

 

「長く遊んでくれるプレイヤーほど課金プレイヤーになる可能性が高いという仮説に基づき、ゲームを進めやすくするようにしました。実際に私たちが見たものは、摩擦となるポイントを取り除き、もはや面白く無い ”消毒された” ゲームでした。」

 

リテンションにフォーカスした戦略でプレイヤーはコンテンツのファネルを進んでいましたが、コンバージョンはそれほどありませんでした。その代わり、チームはプレイヤーの LTVに集中し、再購入を促すように購買ファネルを最適化しました。そして彼らは次のようなことがわかったのです。「結果的にリテンション率は下がりましたがコンバージョンは回復し、もっとも注目すべき点でいうと、収益も上がりました。」

 

マーケティングイノベーションを通じてゲームを成功に導く

 

上記4つはアプローチこそ異なりますが、ゲームアプリ業界で脅威となってきている上昇する獲得コストを避けるという思惑は共通しています。

 

そしてゲームアプリは市場に増え続け、注目(とお金)の戦いはより一層激しくなってくるので、上記のようなアプローチは今後ますます重要になってきます。

 

技術の進歩によってゲームアプリの分析ツールはとても洗練されてきています。マーケティング戦略も同じように適応し、進化し続けなければいけません。

 

この記事は、DeltaDNAのブログ4 MARKETING STRATEGIES TO BOOST MOBILE GAME KPISを著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。 Repro published the Japanese

translation of this original article on DeltaDNA in English under the permission from the author.

【有名企業登壇!】「LEVEL Apps」先行企業に学ぶゲームアプリのグロースハック!開催

「LEVEL Apps」は、モバイルアプリの成長をミッションとする人たちがグロースハックのノウハウをシェアし合いみんなで ”レベルアップ” をしていくためのイベントです。今回は「先行企業に学ぶ、ゲームアプリのグロース手法」をテーマにゲームアプリの改善に取り組まれている方々にお越しいただき、自社タイトルの成功要因について、実際に行なった改善事例も交えてお話します。

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▼詳細・お申込みはこちら

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