App StoreとGoogle Playストア(当初はAndroidマーケット)のサービスが開始されてから、まだ10年も経っていません。この2つのアプリストアが始まって以来、アプリは爆発的に増加し、それに伴い、ユーザーにアプリを見つけてもらうことは非常に困難になりました。

その結果マーケターは、アプリを見つけてもらいやすくすることで、競合よりも多くのDL数を勝ち取ることに力を注ぐようになりました。
このようにして、ASO(アプリストア最適化)が生まれたのです。

高い成果を発揮しているアプリの開発者へのASOコンサルタントとして働いている中で、私は、ASOが進化し、成長していく様子を目の当たりにしました。
ASOツールを提供する「StoreMaven」のファウンダーであるAdam Rakib氏が、ASOとは「マーケティング、グロース、もしくはアプリに関わるチームにおける、シンプルなマーケティングタスク」であると語った当時から、ASOは大きく成長しました。しかし、その成長にも関わらず、ASOはまだ導入されてから日が浅く、長期的に成功を収めるASO戦略の立て方については、ほとんどモデルがありません。
この記事では、アプリ業界随一の開発者と仕事をした経験を基に、競合に打ち勝つASO戦略を構成する5つの要素をご紹介します。

1. ターゲットユーザーの理解が最重要である

ほとんどのマーケターは、間違った所からスタートを切っています。それは、ターゲットユーザーのことを理解していないまま、ASO施策を行っているという点です。残念なことに、アプリストアでアプリを発見してくれたすべてのユーザーに対して「どうやってこのアプリを知ってくれたのですか?」というような質問をすることはできません。
ユーザーは無限とも言えるようなルートを辿ってアプリを見つけています。成功するASO戦略を立てるためには、まずはターゲットユーザーのグループを作り、それに従ってマーケティングを組み立てて行かなくてはなりません。

アプリのターゲットユーザーから特定のグループを選択し、ターゲットプロフィールを作りましょう。このプロフィールは、年齢、性別、文化、教育、社会的・経済的レベル、居住地などに分類して作成することができます。
これら全ての属性を基に、これからのマーケティングにおける意思決定を行います。

また、ユーザーがアプリを使っている理由や関心(常にわかりやすい関心があるとは限りません)も、知っておかなくてはなりません。たとえば、デートアプリを使う理由は、人によってさまざまです。人生のパートナーを見つけたい人もいれば、もっと気楽な関係を築きたい人もいます。
これらは、ユーザーの関心を考慮する上では、とてもわかりやすいものです。ですが、もう少し深く掘り下げてみると、いくつかのデートアプリには、興味深い独自の機能があります。それは、ユーザーは1日1回しか他のユーザーとマッチングされないという機能です。これだけ聞くと、なぜこの機能がユーザーの関心を引くのかわかりにくいでしょう。しかし、多くのユーザーは、ロマンチックな、自分だけの出会いのチャンスに心を惹かれるのです。この機能によって、アプリを通した出会いが特別なものであると思われ、ユーザーがアプリをDLする理由として非常に重要な意味を占めているのです。
この例で重要なのは、人々がアプリを使う理由は単純ではなく、その理由も、グループや地域によって異なる可能性があるということです。
このように、さまざまな角度からユーザーの関心を探求してみてください。

ターゲットユーザーを特定したら、次はそのユーザーの好みについて調査し、最初の戦略を組み立てる必要があります。アプリのメタデータ(アイコン、アプリ名、説明文、キーワード、プレビュー動画、スクリーンショット)が、そのターゲットユーザーの求めるものになっているか、もう一度見直してみましょう。

ターゲットユーザーの理解は、一度きりの仕事ではありません。ユーザーは常に変化し続けています。
現在のターゲットユーザーが、将来的にもターゲットユーザーであり続けるとは限りません。従来のマーケティングと同様に、ASO戦略は、マーケットとともに変化します。
重要なのは、マーケットとともに進化を続けられるようテストを続けて、そこから学ぶことです。

2. 強固なASO戦略は、キーワードの最適化だけに留まらない

多くのアプリ開発者は、ASOを考える際、アプリのメタデータを最適化して、ユーザーにアプリをより発見してもらいやすくすることばかりを考える傾向にあります。

もちろん、キーワードの最適化は重要なASO戦略の一要素です。検索結果の上位に表示されることでアプリは発見されやすくなり、オーガニック検索の数を増やす手助けとなります。
しかし、ここで知っておかなければならないのは、キーワードの最適化だけではなく、同時にクリエイティブの最適化をすることで相乗効果が生まれるということです。インプレッションを改善するための重要なキーワードを知っていれば、検索結果にアプリのプロダクトページを表示させることができます。そしてターゲットユーザーにアプリを発見してもらうことで、CTRやCVRの向上につながります。
特定のキーワードに対してのCTRやCVRが高いほど、キーワードとアプリとの関連性が高いと見なされ、そのキーワードに対する表示順位も高くなります。

しかし、どれだけたくさんのユーザーがプロダクトページを訪問してくれても、アプリがDLされなければ意味がありません。プロダクトページへの訪問者数よりも重要なのは、より質の高いユーザーにDLしてもらえるように最適化することです。そのためには、クリエイティブのテストが必要不可欠です。つまり、強固なASO戦略のためには、アプリの発見のしやすさとCVRの両方に焦点を当てることが重要なのです。

3. 成功するASO戦略には、(優れた)仮説ドリブンの最適化が欠かせない

強固なASO戦略は、どのクリエイティブとメッセージの組み合わせが最もユーザーにDLしてもらえるのかという仮説を立て、それを基に構築する必要があります。単に仮説を立てるだけではなく、優れた仮説を立て、テストを行うことが大切です。

優れた仮説を立てるためには、その仮説が証明または反証可能なものである必要があり、これは、さらなる調査へのスタート地点にもなります。

この仮説を立てるため、既存のデータを基にターゲットユーザーを惹きつけるアイデアをまとめ、テストを行う対象となるアイデアのカテゴリを作成する必要があります。作成にあたり、下記のようなポイントを参考にしてください。

・競合調査をまとめる
ASOツールを使って、競合アプリや大手アプリのクリエイティブを確認したり、DLしたりできます。どんなクリエイティブが採用されており、多くのユーザーにDLされているのかを調査し、そのアプリのプロダクトページを参考に、新しいアイデアを加えましょう。

・アプリのレビューやフィードバックを見てみる
ユーザーがアプリのどんな部分を気にしているのかを知る必要があります。ユーザーを引き寄せている、もしくは遠ざけている要素は、何なのでしょうか?

・ユーザーが最も利用している機能は何かを特定する

・どの広告が、どのような理由で最も効果的であったのかを考える

・アプリをどう認知してもらうか考える
アプリをローンチして間もない場合、まだアプリの認知度は高くないでしょう。ではアプリの認知度を高めるためにはどうするべきでしょうか?

・ユーザーに印象を残すためにはどうしたらいいか考える
3~6秒間で特定のユーザーに強い印象を与え、同時にアプリの機能を紹介しなければならないとしたら、どのような方法を取りますか?また、ユーザーに印象を与えるのは、具体的にどんなものなのかを考えてみましょう。

このように、決まったガイドラインのないテストにおいて陥りやすい問題は、価値のある洞察を基にしていなかったり、反対にごく小さなデザインの変更による効果を基にした弱い仮説を立て、それを用いてテストをしてしまう、ということです。先述したデートアプリの例を、ここでも挙げてみましょう。

弱い仮説

・デートアプリの訪問ユーザーは、黄色い背景のロゴを好む
・デートアプリの訪問ユーザーは、スマートフォンのフレーム部分が写っていないUIのスクリーンショットを好む

これらの仮説における問題は、ユーザーが変化に気付かない、もしくは、これらの仮説によって訪問ユーザーへの理解が深まることがない、という点です。

強い仮説

・デートアプリの訪問ユーザーは、プロダクトページにおいて、アプリのユーザー数よりも、ユーザーベースの質に関するメッセージを好む
・デートアプリの訪問ユーザーは、プロダクトページにおいて、アプリがたくさんのユーザーに使われているというソーシャルプルーフを表すメッセージよりも、「1日1マッチ」のように機能に関連したメッセージを好む

優れた仮説は具体性があり、訪問ユーザーに関する理解をより深めることにつながります。

4. テストを成功させるには、優れたクリエイティブとメッセージが必要である

5億以上ものユーザーのセッションを基に行った分析によって、CVRを向上させるのに効果的な、最も影響力の強いマーケティングのアセットを特定することができました。 この分析データによれば、アプリストアでのクリエイティブ(プレビュー動画、スクリーンショット、アイコン)が最も影響力の強いアセットであり、このクリエイティブを改善するだけで、アプリストアでの検索結果の上位に位置するアプリのCVRが、11~40%も向上したという結果が出ています。

では、優れたクリエイティブとメッセージを実現させるためには、どうすればいいのでしょうか?

テスト用の仮説を準備し、クリエイティブのデザインを始める段階になったら、次のようなポイントを考慮しましょう。

ユーザーがDLを決めるまでの時間は短い
多くのユーザーは、わずか3~6秒の間で、アプリをDLするかどうかの決定に至ります。ユーザーは、アプリを検索する段階である程度どんなアプリをDLしたいかを決めている可能性が高いため、プレビュー動画を最後まで見てもらえることや、全てのスクリーンショットの確認、また、アプリの基本情報の収集をしてもらえるということを前提にしてはいけません。
実際は、ユーザーはプロダクトページで最初から表示されているクリエイティブしか見ていないというデータもあります。 つまり、最初の画面で表示されるクリエイティブとメッセージは、強固で、的を射たものでなくてはならないということです。

モバイル端末の画面は小さい
実際に表示される画面の大きさを確認し、それに従ってクリエイティブを作成しましょう。
小さな画面にたくさんの情報を詰め込みすぎると、ユーザーを混乱させてしまい、DLしてもらえるチャンスを失ってしまい兼ねません。

クラウドソーシング
アプリマーケターや開発者であれば、自分のアプリのことは熟知しているでしょう。しかし多くのユーザーはアプリのことを良く知らないため、アプリに関わった人物にとっては魅力的なクリエイティブやメッセージが、ユーザーにとってはわかりにくいと感じてしまうようなこともあるのです。
デザインの案をさまざまな人に見てもらい、どんなアプリなのか、また、それが魅力があると思うかを聞いてみましょう。もしこの時点でアプリについて理解してもらえないとしたら、同じくユーザーにもアプリの内容を理解してもらえないでしょう。

5. 競合に打ち勝つためのASO戦略は、データを基にしたサイクルから作られる

テストを行い、優れたクリエイティブが特定できたら、そこから分析したデータから、さらなるASOのためのガイドラインを得る必要があります。このプロセスがASOにおいて最も重要な一要素となります。

下記のような分析をし、ASOを強化しましょう。

・アプリストアにおけるエンゲージメントの分析:プロダクトページのアセットがもたらす成果を分析する。ユーザーが最もエンゲージメントを示した部分を特定し、クリエイティブやメッセージのそれぞれの長所と短所を見つける。
・実際に採用すべきプロダクトページの案がその中にあるかどうかを決定する。
・アプリストアで、採用したプロダクトページにおけるCVRの変化を計測する。

これらのテスト後に行う分析から、さらに新たな仮説を作り出しましょう。これが、ASOのサイクルなのです。
成功するASO戦略に強固な基礎が欠かせないのは、各段階の決定が、その後のすべての段階において影響を与えるためです。

優れたASO戦略は、一連のサイクルとして常に行われ続け、マーケット、競合、ユーザーの変化に合わせて同時に進化しなければなりません。実際に、高い成果を出しているアプリは、アプリのリリースのたびにクリエイティブを少なくとも2~4回テストしているというデータもあります。
また、これらのアプリは、月に1~2回ほど、アプリストアのプロダクトページにおけるクリエイティブも更新し続けています。

最後に

成功するためのASO戦略は、CVRを一時的に上げるためだけの作戦では終わらず、むしろ、アプリストアにおけるパフォーマンスを改善し続けるための強固で長期間に及ぶ戦略なのです。

この記事は、StoreMaven社のブログ”5 Components of a Winning ASO Strategy “を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on StoreMaven in English under the permission from the author.


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