アプリのマーケティング手法や技術を用いて、アプリの成長を実現するということは、一般によく述べられていることです。今回は、異なる切り口として、アプリを成功させるまでずっとガイドしてくれるようなマーケティングプランを一から練り直す方法についてご紹介します。

モバイルアプリの持続可能な成長を実現するには

まず明確にしておきたいのは、ユーザーの獲得数とユーザー定着率を同時に増やす必要があるということです。その理由は非常に単純です。全予算を費やしてアプリにあまり興味のないユーザーを大量に集めても、ユーザーが定着していなければ意味がありません。また、そもそもユーザーを獲得できなければユーザーの定着も不可能です。そのため、ユーザー獲得とユーザーの定着という2つの要素を注意して見ていかなければなりません。

ユーザー獲得キャンペーン

では、今回私たちが提供する戦略の第一部、新規ユーザーの獲得から始めましょう。

クオリティを重視する

「当たり前のことだ」と思われるかもしれませんが、まずはアプリそのものを考えなければなりません。世の中にリリースできるだけの品質となっているでしょうか。メインの機能ははっきりと分かりやすいものでしょうか。ユーザーは直感的な方法で操作を行えるでしょうか。エラーがないと100%自信を持って言えるでしょうか。アプリがこうした基準を全て満たした後に初めて、潜在的な顧客へのアプローチを考えることができます。

CPI広告を展開する

CPI(Cost Per Install:コストパーインストール)は、アプリを世に出してからどれくらい経過しているかによって異なります。アプリができたばかりで広告配信を検討中なら、CPIは低めになります。ユーザー側もわくわくした状態で新しいアプリを試してみたいと思っているからです。一方、勢いを失ったアプリを盛り返そうとして新規ユーザーの獲得を狙おうとすると、CPIは高めになります。CPIは時間や地域、カテゴリーによって異なります。CPIを下げるためにも、こうした要素を賢く見極めましょう。新規ユーザーの獲得と定着率を同時に改善できていれば、CPIを簡単に最適化することができます。

ペルソナを構築する

アプリを使ってくれるユーザーというのは、どういう人達なのかを見極めなければなりません。また、新規ユーザーを獲得する際には、同時に次のユーザーの種類を考えます。

アクティブユーザー

アクティブユーザーとは、あなたのアプリに関して興味を持ち利用しているユーザーのことです。こうしたユーザーが常にアプリを利用している状態を維持しておくためには、次の段落(ユーザーの定着率改善施策)の内容をもとに施策を実施してください。定着率の改善を行うことでアクティブユーザーを高課金ユーザーへと変える大きなチャンスがあるからです。

無課金・低課金ユーザー

ユーザーがアプリをダウンロードしたものの課金しない、またはあまり課金しないのには様々な理由があります。例えば、アプリをダウンロードしたばかりだったり、アプリがユーザーの希望に即したものではなかったりといったケースです。いずれの場合でも、ダウンロードしてから時間がたってしまうと、ユーザーが課金する可能性は下がってしまいます。

高課金ユーザー

このタイプのユーザーには特別意識しておく必要があります。高課金ユーザーは、アプリの収益を増やすのはもちろん、あなたのアプリにお金を落としてくれそうな人々に対し、アプリをシェアしたりしてくれる存在だからです。

アクティブでないユーザー

あなたのアプリをもう使っていない顧客にも注意が必要です。ユーザーがアプリをインストールしたものの一度も開いていなかったり、何回か使った後忘れていたりするのなら、ユーザーの再訪を促し、そもそもなぜアプリをダウンロードしたのか思い出してもらわなければなりません。アプリから完全に離れていってしまう可能性が一番高いのはアクティブでないユーザーであることを忘れないでください。

チャーンレート

どんなユーザーがあなたのアプリをインストールしているのか気をつけておかないと、ユーザーを後になって呼び戻すのに大きなコストがかかってしまいます。ユーザーが離脱してしまい、それを呼び戻すという状況は避けなければなりません。言い換えれば、チャーンレートは可能な限り低くおさえる必要があります。

高課金ユーザーのためのリエンゲージメントキャンペーンを行う

高課金ユーザーがアプリにもたらしてくれた効果を強化するには、彼らの関心を高めてあげることがとても大切です。優良ユーザーがアプリを使い続けるようにすることで、アプリにとって長期的に良い影響を与えられます。

ユーザーの定着率改善施策

今回の戦略の第二部では、ユーザー獲得後の「ユーザーの定着」について考えていきます。

ユーザーの離脱ポイントを見定める

ユーザーのアプリ内での行動を観察し、ユーザーがどの部分でアプリを去っているか見極めましょう。そしてアプリの中でユーザーにとって難しく、複雑な部分があればそれを改善し、分かりやすくします。ユーザーの離脱ポイントを見定めるには、ユーザーの意見に耳を傾けることが最も大切です。

リエンゲージメント戦略

アプリの問題を修正するのみでは、定着率改善の施策としては不十分です。改善に関するアップグレードをユーザーに知らせなければなりません。そしてユーザーをアプリに呼び戻し、改善点を見てもらう必要があります。

モバイルアトリビューション・ソリューション

戦略の進捗状況などを調べるにはアナリティクスが必要です。モバイルトラッキングツールを使ってキャンペーンの進み具合をチェックしましょう。効率的な結果に向けた施策のヒントを得られます。

ユーザーの定着とユーザー獲得を切り離して考えてはならない

「やるべきことはユーザー獲得か、ユーザーの定着か」と尋ねてくるマーケターは少なくありません。これに対する答えは「両方」です。どちらか一つでも欠けるわけにいかないため、一方だけを選ぶ必要はないのです。そして双方のソリューションを融合させることにより、さらに素晴らしい結果を得られます。

訳注:44%の企業がユーザー獲得をより重視している一方、18%の企業がユーザーの定着を重視している。

ユーザー獲得キャンペーン後、リテンション戦略が安定した成長をもたらしてくれる

最大の落とし穴の一つに、予算全てをまずユーザー獲得に費やしてしまい、リテンションに使うお金がなくなってしまう、というものがあります。ユーザー獲得のコストを減らすためにも、ここでは正しい選択をしなければなりません。

ディープリンクを使う

ディープリンクはユーザー獲得・定着の両方で使える手法です。ユーザーにアプリを意識してもらったり、アプリをすでに持っているユーザーには、アプリにどれだけすばらしい価値があるか、思い出してもらうことができます。ここで必要なのは、自分のアプリのどの部分が、ユーザーにとってより魅力的なのか見極めることだけです。

リッチメディアを使って宣伝し、調査や表示方法にも気を配る

キャンペーンを上手く宣伝するには、ユーザーに対してキャンペーンを強く印象づけられる音声や動画などを用いたリッチメディアの活用がおすすめです。また、技術の進化に伴い、ユーザーがすでにアプリをインストールしたのか、OSはAndroidとiOSのどちらかなどかが分かります。異なるプラットフォームを使ってユーザーからの関心を得ることにより、ユーザー獲得と定着の両方に役立てることができます。

最後に

立派な建物にはしっかりとした基礎が必要です。同じことはモバイルアプリのキャンペーン構築時にも言えます。各ステップにスマートに対応すれば、ユーザーの獲得・定着の両方でうまく立ち回ることができるのです。

この記事は、AppSamurai社のブログ”Building A Sustainable Mobile Growth With User Acquisition And Retention“を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on AppSamurai in English under the permission from the author.