Campaign Measurement

はじめに

プッシュ通知はユーザーのリテンションやエンゲージメントを高めるのに非常に有効ですが、むやみにプッシュ通知を打つと逆にユーザーが離脱する原因にもなります。効果を上げるためにはプッシュ通知で見るべきKPIを意識して運用する必要があります。   この記事ではプッシュ通知の効果測定について、見るべき指標から改善施策の例までわかりやすくご説明したあと、実際にReproのプッシュ通知を用いて効果測定する方法と事例をご紹介します。  

プッシュ通知で効果測定するべき指標

ここでは効果的なプッシュ通知を送ることができているか確かめるために重要な4つの指標についてそれぞれ説明します。  

指標1. プッシュ通知の配信対象者数

配信対象者数とは

プッシュ通知の配信対象者数とは、プッシュ通知が届くユーザーの数です。  

見るべきポイント

配信対象者数は通常プッシュ通知サービスの管理画面から見ることができます。配信対象者数が減っていたら、プッシュ通知を高頻度で送りすぎたり不適切なタイミングで送っているためにユーザーがうっとうしく思いアプリをアンインストールしている可能性があるので気をつけましょう。  

指標2. プッシュ通知の許諾率

許諾率とは

プッシュ通知の許諾率とは、配信対象者数のうちアプリからのプッシュ通知を受け取る設定にしているユーザーの割合です。   いくらプッシュ通知の内容や配信タイミングなどが最適化できていても、受け取っていないユーザーが多くては意味がありません。許諾率を最適化することでプッシュ通知を受け取るユーザーの割合を増やし、プッシュ通知によるマーケティング施策をより多くのユーザーに対して行うことができます。  

iOSアプリとAndroidアプリの許諾率の違い

iOSと比べてAndrodのプッシュ通知の許諾率は高くなる傾向になります。   なぜならiOSアプリは初回起動時にプッシュ通知の配信許可をユーザーに確認する仕様になっているのに対し、Androidアプリではユーザーに許可を取る必要がなく、デフォルトでプッシュ通知を許諾している状態になっているからです。   事実、iOSとAndroidの許諾率を比較しているkahunaのレポートではAndroidのほうがiOSよりも40%近く許諾率が高くなっています。 image04

参照: Benchmark Report: Kahuna Mobile Marketing Index: Q4 2015

   

許諾率を高める施策の例

上記のような仕様の違いから、プッシュ通知の許諾率を高める施策はiOSアプリに関するものがほとんどです。   例えばClusterという写真共有アプリでは、初回チュートリアルのなかでiOS標準のプッシュ通知許諾ダイアログを出す前にオリジナルの許可ダイアログを出しました。   そのダイアログでプッシュ通知の内容を説明し、許諾ボタンも一般的な「許可しない/OK」ではなく「いや結構/教えて」という口語的な表現にすることで同アプリが属するカテゴリーの許諾率の平均39%を大幅に上回る60%もの許諾率を得ることができました。 image00

Clusterはアプリの初回起動時にプッシュ通知で受け取る内容をユーザーに示すことで、SNSというカテゴリーの中で平均以上の許諾率を得た

参照:アプリのカテゴリー別プッシュ通知許諾率とその対策まとめ

   

指標3. プッシュ通知の開封率

開封率とは

開封率とは、プッシュ通知の配信対象者数のうち受け取った通知を開いてアプリを起動したユーザーの割合です。   プッシュ通知の開封率を見ることで、配信したプッシュ通知の内容(文言、画像)や配信タイミングが適切かどうかを把握することができます。また、プッシュ通知を特定のセグメントに絞り込んで配信している場合、全ユーザーに対して配信した場合と比べてユーザーを絞り込んだ場合に効果があったのかを確かめることができます。  

開封率を高める施策の例

プッシュ通知の開封率を高める施策は様々なものがありますが、ここでは代表的なものをいくつか紹介します。  

1.文言を最適化する

プッシュ通知の文言を最適化することによってユーザーに興味を持たせ、開封率を高めることができます。   例えば下記の例ではプッシュ通知の文言に「20,000人のファン」という数字を含めることによって人気の試合であることを示し、ユーザーがクリックしたくなるようにしています。  image06 上記画像はプッシュ通知の文言最適化の例です。「2万人のファン」という数字を文言に含めることによって人気のある試合であることを示し、ユーザーにクリックを求めています。 参照:説得力のあるプッシュ通知の文言を書く4つのコツ  

2.タイミングを最適化する

ユーザーが開封してくれそうなタイミングに合わせてプッシュ通知を送ることも重要です。   マーケティングツールのLeanplumが実施したプッシュ通知を送る最適な時間についての調査によると、平日の北米地域においては18時と19時台にプッシュ通知の開封率が高いという結果が出ました。(参照:プッシュ通知の最適な配信時間とは?)   ユーザーの行動パターンに合わせて配信することによって、プッシュ通知を見てもらえる可能性を高めることができます。  

3.画像や動画付きのプッシュ通知を送る

文言以外にもプッシュ通知のクリエイティブを工夫することによって、ユーザーに興味を持たせ開封率を高めることができます。   例えばiOS10からは画像、動画、カスタムサウンド付きのプッシュ通知を送ることができるようになり、開封率を高めるためにより多様な施策を行うことができます。 image01

gif画像付きのプッシュ通知の例。iOS10からはiOSアプリでもメディアファイル付きのプッシュ通知が可能になった

参照:iOS10の新機能「リッチ通知」についてメリットや実装方法などを徹底解説!

 

4. 配信対象を絞り込む

プッシュ通知は全ユーザーを対象に同じ内容を送るべきではありません。上記1~3で挙げた配信の内容やタイミングの最適化も、ターゲットセグメントに合わせて別のものにすることで開封率をより高めることができます。   配信対象を絞り込む際は「性別」「年齢」「居住地」などユーザー属性でセグメントするという方法と、「1週間以上アプリを起動していない」や「買い物かごに商品を残したままで決済していない」といったユーザーのアクションごとにセグメントするという方法がありますが、多くの場合アクションベースで配信対象を絞り込むほうが開封率は高くなります。   image05   例えば楽天のフリマアプリ「ラクマ」では、性別・年齢・居住地などのデモグラフィックごとにセグメントしたプッシュ通知から「会員登録していないユーザー」「商品を購入したユーザー」といったアクションに基づいたプッシュ通知に変更し、「カートに商品が残っています」といった内容のプッシュ通知を送ったところ、開封率を大幅に上昇させることに成功しました。1)http://reproio.hatenablog.com/entry/2016/06/06/113948  

指標4. プッシュ通知によるコンバージョン率

コンバージョン率とは

プッシュ通知によるコンバージョン率とは、プッシュ通知が届いたユーザーのうち「商品購入」や「会員登録」といった特定のアクションをしたユーザーの割合です。   プッシュ通知による特定アクションのコンバージョン率を見ることによって、コンバージョンを増加させるためのプッシュ通知の最適化施策を考えることができるようになります。   例えばECアプリでプッシュ通知の最適化によって売上増を狙う場合、コンバージョンを商品購入とすれば「セール開始!」から「全商品50%オフ!」のどちらでよりコンバージョン率が高くなるかを検証することができます。  

Reproでプッシュ通知を効果測定する

Reproでは管理画面から先ほどご説明した指標1~4のうち「2.許諾率」以外の指標を見ることができます。 今回は上記でも例に挙げた、ECアプリで商品購入ユーザーの増加を狙う場合のプッシュ通知の設定と効果測定方法についてご紹介します。  

事前準備:  コンバージョン率を計測したいイベントをアプリに設定する

購入完了したユーザー数をカウントできるように、アプリに「購入完了」というイベントを設定します。  

1. プッシュ通知を配信する準備をする

イベントの設定が終わったら「キャンペーン > プッシュ通知」から「新しいプッシュ通知を作成する」をクリックし、メッセージの内容や配信対象といった条件を設定します。   image03

メッセージ画面から文言やディープリンクを設定

 

Reproでは特定のアクションを行ったユーザーのみを絞り込んでプッシュ通知を送ることができるので、ここでは購入直前のユーザーを狙い撃ちするために「カートに入れる」画面まで進んでいるにもかかわらず「購入完了」に至っていないユーザーだけに対して下記のようなプッシュ通知を送ることにします。   image07

「カートに商品を入れる」は実行したが、購入完了は実行していないユーザーだけを配信対象にする

 

2. コンバージョン率を計測したいイベントを設定する

コンバージョン率を測定したいイベントも新しいプッシュ通知を作成するときに設定します。今回は購入を促すプッシュ通知によって商品購入に至るユーザーの割合を見るのが目的なので、指定するイベントは「購入完了」にします。これでプッシュ通知を送る準備は完了です。  

3. 配信結果を確認する

準備したプッシュ通知を配信したら、プッシュ通知の効果測定画面から結果を確認します。   image02   効果測定画面では、配信したユーザーの数、プッシュ通知の開封率、プッシュ通知によって商品購入に至ったユーザーの割合(=コンバージョン率)が一目で確認できます。  

まとめ

この記事ではプッシュ通知の効果測定について、重要な指標や指標を改善するための施策についてご紹介しました。今回ご紹介したKPIを管理してきちんとプッシュ通知の効果を測定し、アプリの成長につなげましょう。  


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注釈   [ + ]

1. http://reproio.hatenablog.com/entry/2016/06/06/113948