本記事は、2018年11月14日に開催された「Growth Hack Talks Osaka 2」での登壇内容をもとにしたイベントレポートです。デジタルマーケティングに関する知見を持つ注目企業の方々をスピーカーとしてお招きし、運営にわったweb・アプリサービスのグロース・改善事例や、そこで得られたノウハウ・Tipsをお話ししていただきました。

登壇者

株式会社クロッシブ 森田 司氏

ご紹介に預かりました、『株式会社クロッシブ』の森田と申します。よろしくお願いします。

簡単に自己紹介からさせていただきます。2007年に『株式会社ニッセン』という通販会社に入社しました。2007年から2010年の約3年はCRMプロモーションチームで、既存顧客の固定化であったり、アップセルに向けた施策を担当していました。2010年から2012年まではデータベースマーケティングチームで、受注予測やカタログの分析・戦略立案などを担当していました。2013年から直近までは、顧客管理チームで、リスティング広告をメインとしたデジタル領域のプロモーションであったりとか、オフラインのプロモーションも含めた責任者に就任していました。

2018年10月に『ニッセン』を退社して、現在は『株式会社クロッシブ』という会社でマーケティングのサポートをメインとして、ECコンサルティングと通販事業をやっていたりもしています。

では、今回話すことに関してです。 突然ですが、シェアオフィスといえばどこを思い出しますか。

回答者:『WeWork』。

大正解。助かった。これを言れなかったらどうしようかと思ってました(笑)。ちなみに、『WeWork』をご存じないという方。

(会場1人挙手)

すごい認知率ですね。『WeWork』は最近すごくプロモーションもかけてるので皆さんご存じだと思うんですけど、シェアオフィスとして海外も拠点にしているサービスです。じゃあもう一つ質問です。『WeWork』以外でシェアオフィスといえばどこを思い出しますか。

回答者:『Regus』。

そうなんです、『Regus』さんとか実はたくさんあるんです。じゃあなぜ、『WeWork』の認知率はここまで高いのにほかを知らないのか。

一番の理由は彼らがうまく ”『シェアオフィス』=『WeWork』” という認知を広げることに成功したからです。そもそも『シェアオフィス』って事務所構えられない個人事業主さんとかのための安く入れる場所を探すサービス、みたいなイメージだったんじゃないでしょうか。そういった認知もガラッと変えて、おしゃれで高くて、いろんな交流ができる場、というイメージ定着に成功したんですね。

では、『THE EXECUTIVE CENTRE(以下TEC)』という企業をご存知の方いらっしゃいます?『TEC』は私がマーケティングをお願いされている企業です。ここのマーケティングをする上で、一強である『WeWork』に対してどうやって戦っていきましょうかというところですが、現状はサービスを運用しているくらいでマーケティングがほとんど行われていない状況です。

じゃあどう戦っていきましょうかというところで、今回は答えというよりも、こういう風に考えていますというところを紹介して、皆さんのビジネスに活かしてもらえたらなと思います。

今回の事案ですが、『TEC』からのオーダーです。ゴールは契約数を増やすこと。条件として、マーケティング予算は現状維持。

これは他社分析なんですけど、競合他社さんとの違いを洗い出していただきました。観点はターゲットや価格帯、拠点数です。この分析から、少し違いはあれども、大差ないことがわかりました。大差ないんだったら無理じゃないか?

無理じゃないです。

まずカスタマージャーニーを作り、現状を把握します。

これはざっくりとした潜在から契約するまでの流れです。その中で、新設移転を考えるタイミングでもうすでに『WeWork』しか頭にないという状態です。『WeWork』以外に何があるのかなとなったときに検索して、初めて認識され、比較してもらい、選んでもらうという流れになっています。

一番の理想はニーズが顕在化したときに、『TEC』を想起していただくという現在の『WeWork』のポジションです。ただ、その潜在層への認知策っていうのを『WeWork』と同じようにできる体力がある企業って、なかなかないですよね。同じことができるならそもそも苦労しません。

「『シェアオフィス』って検索したら、広告出るようにしましょう」。「SEO対策で順位を上げましょう」というのが多くの企業が実施している施策です。ただ、この施策だと将来性がないですし、その他大勢の中でみんなが『WeWork』のおこぼれをもらうというマーケティングでもないような運営になってしまいます。

じゃあどうすればいいのか。先ほどの競合他社との比較からもわかるように、各サービスはそこまでの差がないんですよ。価格帯や外資の人向けなど特色はそれぞれにあるんですけど、大差ないんです。ということは、逆にいうと、見せ方次第では十分に戦えるんですよね。比較検討さえしていただければ勝てるんですよ。『WeWork』のサービスと比較して、よりよいところを見いだせれば、お客さんから選んでもらえる素質は十分に持ち合わせているんです。

ただ『WeWork』と同じ運営は資金面からも難しいので、2番手になりましょうっていうのが今回考えている施策です。ファーストチョイスじゃなくてもいいけど、『WeWork』の検討後、サーチで検索されるより前に、『TEC』を思い出してもらおうと。そのために、接触はしておいて認知しておいてもらう。この時に、サービスと社名が紐付く形で理解してもらう必要があります。

ファーストチョイスでなくてもいいので、2番手としてに『TEC』を常に想起していただく方法を考える。これこそマーケティングだと思います。

2番手ってすごいネガティブな雰囲気あるんですけど、そうではなくて。『WeWork』以外にもあるんだよ。こういう会社なんだよっていうところをきちっと理解してもらう。理解してもらうといっても、潜在層から離れたところへの認知は体力的に厳しいので、実際に意思決定する人たちやほんとに興味持っている人たちに対してのみにプロモーションを打つ、というのが今提案しているところです。

本来はこのタイミングで、「実はこういうことをやってます」ってお伝えしたかったんですけども、今まだ進めているところで実績を報告できないところもあるのでご容赦ください。

さいごに

ということで、今回私が伝えたかったのは、「1番になるのがすべてじゃないよ」ってことです。

例えばアパレルだと、僕が『ニッセン』の時の『ユニクロ』。ヒートテックと戦うために、ヒートテックと同じことやっても勝てないんですよ。でも2番手としてヒートテックのシェアを1%でも取れば、すごい利益が取れるんです。1%でも2%でもシェアを取っていって、身の丈に合ったビジネスをやっていくべきで、そうすれば利益が出て会社はうるおいますよね。

相談を受けるので多いのは、身の丈に合ったやり方を考えていなかったりとか、予算以上のことを求めているであったりとか。上ばっかり見ているビジネスのやり方では難しいですね。

一方で、将来性を考える必要もあります。ずっと小さいことやり続けててもスケールしないので、将来性も考えた上でマーケティングをしていきましょうよ、というところもありますと。新たな気付きがあれば、そこで皆さんのビジネスに活かしていただければいいかなと思っております。

ご清聴ありがとうございました。