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本記事は、2016年8月2日に開催した「Growth Hack Talks #1」での発表内容を元にしたイベントレポートです。登壇者には「アプリの立ち上げ〜リリース初期のグロースハックあれこれ」をテーマに、立ち上げ前からリリース直後のフェーズでどういった施策を行い初期ユーザー獲得に繋げ、その後ユーザー数を伸ばしていったかについてお話していただきました。

登壇者紹介

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株式会社マスチカ 代表取締役CEO 池田純平(いけだ・じゅんぺい)氏

株式会社マスカチ代表取締役CEO 。青山学院大学在学中から、数々の学生起業家向けコンテストに出場し、受賞経験をもつ。新卒でセプテーニ社へ入社し、そのままソーシャルゲーム開発を行う子会社へ出向。事業を興すために約半年で退社し、2013年8月に株式会社マスカチを設立。MOVIDA Seed Acceleration Program第4期の参加を経て得た資金を元に事業を開始し、現在に至る。  

自己紹介と事業の紹介

マスカチの池田です。弊社のことをご存じない方が多いと思うので最初に弊社の紹介をさせていただきます。開発規模が小さくて運用がほとんど必要ないタイプのゲームアプリの開発・運営を軸に事業を展開しています。いわゆるカジュアルゲームですね。アプリは基本的にはリリースしたらそれで終わりなんですが、その中でも行った改善はあるので今日はそれをお話しできればと思っています。    

200万DL突破、90%以上が海外ユーザーのカジュアルゲーム「100億人の俺の嫁」

今日お話しする「100億人の俺の嫁」ですが、どんなゲームか一言で言うと嫁とめっちゃ結婚するゲームです。婚姻届出し放題で何人愛しても怒られない。とにかく俺の嫁を増やす事が目的の、放置系恋愛ゲームです。   masukachi-10-billion-wives

多くの嫁と結婚することを目指すカジュアルゲーム「100億人の俺の嫁」

リリース前は拡散施策を中心に展開

まず、このゲームに関してリリース前に準備していた施策をご紹介できればと思います。DLしてもらえればそれなりに楽しんでもらえるゲームになっている自信はあったので、いかにお金をかけずにDL数を伸ばすかを重視していました。 具体的なグロースハックの施策としては3つあって、自発的にシェアをしてもらえる施策を仕込みました。  

1. ツッコミやすいゲームのテーマにする これはそのままなんですが、テーマ選びの基準は自分の趣味も入っているんですが、ネットの人に受けるようなものを選んでいます。

2. シェアされるテキストの工夫 ゲームをシェアするとアイテムがもらえるんですが、シェア時の文言も「190万人を嫁にしました」といったツッコミがいのあるものにしました。これを見た人が「お前なに言ってんだ」とリアクションをしたくなるようなテキストにして、新規ユーザーへのリーチを狙っています。

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3. レビュー依頼の工夫 あとはレビュー依頼ですね。アプリストアのレビュー依頼は皆さんやられているかと思いますが、訴求の仕方を工夫しました。

masukachi-review 「楽しんでいたら、レビューしてください!★5の数だけ運営がスクワットします」という文言にしたところ、レビューを書いてくれるユーザーがかなり増加しました。実際スクワットに言及したレビューは全体の5%程度なのですが、ユーザーに面白いと思ってもらえて「レビューしてみよう」という意欲を喚起することが重要です。   これらの施策の結果、獲得コストを全くかけずにリリースから毎月10万DL以上を維持することができています。 masukachi-dl  

CPCは驚異の1円。戦略的な広告出稿でランキング上昇

リリースしてからは広告出稿を中心にユーザーを増やしていきました。カジュアルゲームという特性上、1ユーザーあたりの売上(ARPU)はそんなに高くないので普通に出稿すると割に合いません。   なのでまずは複数の国でアプリをリリースして、ノンプロモーションで各国のマーケットでのDL数の変化を見ました。ユーザーがオーガニックでも増える国はアプリのターゲットユーザーが多いはずなので、その国に対してはFacebook広告を出してランキングの上昇を後押ししようという計画で行きました。   「100億人の俺の嫁」の場合はアメリカ、韓国、台湾でオーガニックに伸びたので、他の国には広告出すのをやめて、この3カ国と日本に絞って出稿することにしました。読みが当たって、広告を出してから最終的にはCPC1円までいきました。広告をクリックしたユーザーのインストール率は30%ほどなので、CPIでいうと3円くらいです。CPCが下がっていったタイミングで出稿を増やしていった結果、最終的には韓国のApp Storeで総合ランキング3位になりました   masukachi-storepng

広告出稿でDL数は上昇し、韓国のApp Storeで総合3位を獲得

動画リワード広告導入で1ユーザーあたりの売上は1.6倍に 他に実施した広告の施策としては動画広告です。動画を見るとアイテムがもらえるというリワード型の動画広告を入れたのですが、導入前後で

1ユーザーあたりの売上が1.6倍に上がりました。もちろんアプリの相性もあるとは思いますが、ゲームアプリであれば導入検討してもいいのではないかなと思います。   masukachi-ad  

ヒットゲームその2「超ヒモ理論」のグロースハック

せっかくなので別のアプリの話もしたいと思います。   「超ヒモ理論」というゲームでして、なんとなく予想はつくかと思うんですが、一言で言うとめっちゃお小遣いもらえるゲームです。 masukachi-ultimate-kept-man

彼女のヒモとなってより多くのお小遣いをもらうカジュアルゲーム「超ヒモ理論」

 

「100億人の俺の嫁」に次ぐヒットアプリで、DL数は100万を超えました。こちらは海外ユーザーの比率が70%を超えていて、日本以外だと台湾のユーザーが多いです。  

自社アプリからの送客でDL数は4倍に

シンプルですが効いた施策は自社アプリからの送客です。先ほどの「100億人の俺の嫁」に誘導バナーを出した結果、両アプリをプレイするユーザーの属性が似ていることもあって、DL数が施策の実施前後で4倍になりました。 masukachi-ultimate-kept-man02

自社アプリからの送客はシンプルだが効果の出るグロースハック

アイコンのABテストを実践しDL率を最大化

あとグロースハックジャーナルで読まれた方もいるかもしれませんが、アイコンのABテストも大事です。 masukachi-abtest-icon アプリのアイコンの色とイラストをそれぞれ4パターンずつ用意してGoogle Play Developer ConsoleでABテストを行ったんですが、一番ダウンロードされると予想していたA1( 彼女大+フキダシ+ピンク ) よりもB3( 彼女大+フキダシ無し+オレンジ )のほうがパフォーマンスが高いことがわかりました。僕らが色々考えてアイコン作ってもデータ取ってみないとわからないよという事例です。   マスカチ03

アイコンのデザインによってDL率に最大40%以上の差が生まれる

 

以上になります。カジュアルゲームのコンセプトはアイデアベースで考えているのかマーケットインで考えているのかという話ですが、半分くらいは自分の趣味が入っています。しかしながら全くのアイデアベースというわけではなくて、ざっくり「何かを増やし続けるゲームを作ろう」となったときに「人が増やしたいものってなんだろう」ということを掘り下げて、異性やお金といった根源的な欲求に近いものは増えつづけても飽きないのではないかと考え「嫁」や「お金」をテーマに選びました。それが2タイトルとも当たるという結果になったのかもしれません。