本記事は、2017年9月25日に開催した 「MarketingLIVE Vol.1」での発表内容を元にしたイベントレポートです。スマホゲーム市場が成熟期に入っている昨今では、いかにアプリをマーケティングするかが収益化のポイントになります。「神界のヴァルキリー」のご担当者様に自社アプリにおけるマーケティング手法をお話していただきました。

登壇者紹介

株式会社ディー・エヌ・エー 川口隆史(かわぐち・たかし) 氏

Japanリージョンゲーム事業本部 宣伝部 デジタルマーケティンググループ グループマネージャー

自己紹介と事業の紹介

株式会社ディー・エヌ・エーの川口と申します。私は2009年に新卒で株式会社ディー・エヌ・エーに入社してから約3年間Eコマース事業に携わった後、2012年にマーケティング部に異動しました。まず、各広告メニューの運用を担当し、アプリマーケティングの立ち上げ、ゲーム/非ゲーム含めた大型タイトルの担当、アドテク関連施策の推進を経て現在に至ります。

DeNAはEコマースからヘルスケア、エンターテイメントからスポーツに至るまで様々なサービスを手がけていますが、その中でもモバイルゲーム事業が売り上げの主流です。 本日は私が担当しているアプリゲームのマーケティングの話となりますので、宜しくお願いします。

DeNAにおけるプロモーションの基本的な考え方

私たちはアプリゲームのタイトルをプロモーションにかける時、ユーザーを次の3分類に分けて考えています。

  • まだプレイしていない未DLユーザー KPI:新規インストール
  • 定期的にプレイしてくれているアクティブユーザー KPI:継続率やARPU(1ユーザーあたりの平均収益)の向上
  • しばらくプレイしていない離脱(休眠)ユーザー KPI:休眠復帰

目的を設定し、PDCAを回す

私たちは新規獲得目的と復帰目的の配信(リエンゲージメント配信)を中心に行ってきました。 新規目的か復帰目的か、プロモーションの目的を具体的に設定した上で大事なことは「誰に」「何を伝えるか」。

『逆転オセロニア』のwebサイトのアップデートを軸に考えてみましょう。 「アップデート前にプレイから離れてしまったユーザー(誰に)」に「サイトが大型アップデートしたことを伝えたい(何を)」と目的を設定する。次に様々な手法を駆使してこの目的を伝えること。

すでに離脱・休眠しているユーザーに対しては、訴求したい内容が明確に伝わるよう、PVの動画や実況動画、記事を作成するなど、“着実に伝える”ための施策を実行します。 そして実行した施策結果の評価を行うのですが、ここで正しい評価ができなければ、施策が成功したかどうかを判断できないどころか、PDCAもうまく回すことができなくなる。

ここで、獲得ユーザーの質や数を正しく評価することに重きをおきましょう。

広告評価の考え方

広告評価は大きく分けて①広告で獲得したユーザー数を正しく評価すること②広告で獲得したユーザーの質を正しく評価すること、この2つの考え方があります。

獲得ユーザー数を正しく評価するためのポイントは5つ

1.アトリビューション期間の設定

アトリビューション期間とは、広告をクリックしてから成果カウントまでの期間を指します。

アトリビューション期間が7日間だったとしたら、今日DLしたユーザーが8日前に広告をクリックしていた場合、成果に入らないことになる。計測ツールやポップのメニューによって期間が異なるので、正しく評価するためには新規獲得目的・復帰目的ともにこの期間を統一化させる方がいいでしょう。 もし期間が長すぎると過大評価になってしまうし、短すぎると過小評価になってしまうため、設定の際は注意が必要です。

2.ビュースルーコンバージョンはできるだけカウント!

広告表示でクリックしなかったユーザーが、別ルートから興味を持ち、結果としてDLなどの成果として繋がることをビュースルーコンバージョンといいます。 現状では計測環境が提供されていないため詳細にカウントすることが困難ではありますが、可能な限りカウントします。

ビュースルーコンバージョンが想定されるケースとしては、まず、動画や広告からDLへの導線が弱いケースがあります。動画は静止画に比べてユーザーの記憶に残りやすく、後から思い出してアプリをDLする可能性が高い。また、広告からアプリをDLさせる導線が弱いと計測できるクリックコンバージョンが取りづらく、ビュースルーコンバージョンに流れることが多くなります。

動画コンテンツ再生前に流れるプリロール広告と動画再生中に流れるミッドロール広告に関しても、ユーザーは基本的にコンテンツ本編に意識が集中しているので広告にクリックはしない。なので、ビュースルーコンバージョンに流れやすかったりしますね。

3.新規目的配信による復帰ユーザー獲得も評価する

新規ユーザー獲得目的の広告配信が、復帰ユーザーを多く獲得することもあります。 復帰には再インストール復帰と端末内のアプリを起動した起動復帰があるため、両方のユーザー数を成果としてカウントします。

4. 「再インストール復帰」と「起動復帰」は両方カウント

再インストール復帰と端末内にアプリがある起動復帰は、各広告メニューの管理画面によって数字の定義が異なるため、個別に確認した上で評価を行いましょう。

5.自然復帰ユーザーを考慮する

ここで、自然復帰したユーザーがいるケースについても考えてみましょう。 自然復帰率とは、離脱したユーザーが広告など関係なしに自然とゲームに戻ってプレイをしてくれる割合のこと。離脱日数が長くなればなるほど自然復帰率は下がり、短ければ自然復帰率は高くなります。

私たちは離脱日数ごとの自然復帰率を復帰したユーザー数から割り出すことで、自然復帰を考慮した評価を行っています。

.獲得したユーザーの質を正しく評価する3つのポイント

1.LTVをフェーズに分けて確認する

「新規インストール」「再インストール復帰」「起動復帰」それぞれにおいて、できること・できないことが異なるため、個別に確認が必要です。

LTVの高い順は以下の通り。 新規インストールユーザー>再インストール復帰のユーザー>起動復帰のユーザー

再インストール復帰のユーザーは1度アンインストールしているにも関わらず、興味が復活した上で再DLをしているためLTVは高くなります。起動復帰ユーザーのLTVと比較すると再インストール復帰のユーザーはLTVが2〜3倍ほど高くなるので、ここはしっかり分けて考えます。

2.クリエイティブによってLTVに差が出る

「Sレア確定ガチャ全員1回無料」という強いインセンティブを訴求バナーと「普通のバナー」では、同じ期間内でも前者の方がLTVは高くなります。そして、このバナーから流入してきたユーザーは確実に無料ガチャを引き、継続してゲームを楽しんでくれる。 この他、バナーからアプリストアにとぶ手前のところでLPを挟み、ゲームの良さをうまく伝えることができればLTVが上がる、といったケースもあります。

3.LTVのブレを防ぐ

広告メニュー、ターゲティング、クリエイティブと細かく分けてユーザーの質を見ていくと、サンプル数がどうしても少なくなってしまい、LTVがブレる可能性があります。サンプル数が少ないと、たまたま高額投資をしたユーザーによってLTVが高くなった時に誤差が生じるなど、適切な評価を行うことができません。

そこで私たちはLTVをRR・課金率・ARPPU(Average Rrevenue Per Paid User、有料ユーザー1人あたりの平均収益)と3つの指標に要素分解し、サンプル数に応じて見る指標を変えることで評価がブレる可能性を防いでいます。 サンプル数が増えたら参照する指標を増やして精度を上げるなど、都度サンプル数の増減に応じた対応が必要だと言えるでしょう。

まとめ

「正しい広告評価」を行うための8つポイントをお伝えしました。 広告の評価は獲得したユーザーの数と質で分けて考える必要があります。それぞれを分けて正しい評価を行いましょう。


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