本記事は、2017年9月25日に開催した 「MarketingLIVE Vol.1」での発表内容を元にしたイベントレポートです。スマホゲーム市場が成熟期に入っている昨今では、いかにアプリをマーケティングするかが収益化のポイントになります。「神界のヴァルキリー」のご担当者様に自社アプリにおけるマーケティング手法をお話していただきました。

登壇者紹介

株式会社マイネット網浩樹 (あみ・ひろき) 氏

ディレクター

自己紹介と事業の紹介

みなさんこんばんは、マイネットの網浩樹です。現在は美少女育成RPG『神界のヴァルキリー』のディレクターを担当しています。

売上の70%以上を海外が占めているこのゲームのDL数は全世界で900万DL。リリース当初は海外展開する予定がありませんでしたが、実際にリリースしたところ、あれよあれよという間に人気に火がついて、USのセールスランキングでは最高2位を獲得しています。

プッシュ通知は売上増加に大きな影響を与える

みなさん、プッシュ通知の効果をどのように考えているでしょうか?
プッシュ通知は売上の増加に大きな影響を与える、非常に重要な施策。本日はプッシュ通知の効果を最大化させる2STEPについてご紹介しましょう。

プッシュ通知でできることは「休眠復帰」と「リテンション向上」。この2つを成功させてユーザーが定着したら終わり…ではなく、そこからさらに先、ユーザーへ「課金化」を促す必要があります。

STEP1 DAUの向上「休眠復帰はリッチプッシュで目覚めさせよ」

弊社においては「アプリをインストールしているが、1週間以上起動していないユーザー (アンインストールしたユーザー数は含まない)」を休眠ユーザーの定義としています。

調査の結果、なんと、インストールしたユーザーの92%が休眠状態であることがわかりました。弊社の他のタイトルでも休眠ユーザーの割合を調べましたが、いずれも90%前後だったため、平均より少し高いと言えるでしょう。

そんな休眠ユーザーへは、プッシュ通知でアプローチして休眠復帰の最大化をはかります。

例えば、カムバックログインボーナス(復帰ユーザーのみのボーナス)の特典として、可愛いキャラが獲得できることをプッシュ通知で休眠ユーザーに知らせたい場合。通常のプッシュ通知だと情報量が限られるため、キャラの魅力を上手く伝えることができません。
しかしここをリッチプッシュ通知にすることで、画像を組み込むことができる上、情報量もキャラの魅力も存分に伝えることができるのです。

通常のプッシュ通知だとデイリーで400人前後しか休眠復帰しませんが、このリッチプッシュ通知を送ったところ、2倍以上のユーザーが目を覚まし、3日間で3,000人以上が休眠復帰しました (水色のバー)。さらにこの3,000人は非常に課金率の高いユーザーだということも判明。

『神界のヴァルキリー』全ユーザーの課金率は7%前後とあまり高いとは言えません。また、1万円以上の高額課金者の割合に至っては1%未満しかいない。
一方、休眠復帰ユーザーに関しては課金率が34%以上、高額課金者は10%という結果が出ています。数で見たらあまり多いとは言えないかもしれませんが、ユーザーの質は非常に価値が高く、重要な潜在顧客であることがわかりました。

DAUが伸びずお悩みでしたら、一度休眠復帰に力を入れてみてはいかがでしょうか。このような大きな変化が得られるかもしれません。

・プッシュ通知の効果を上げる鍵はセグメントとタイミング

また、プッシュ通知は送るタイミングでも効果が変わってきます。
日本での開封率は常時10%前後でしたが、19:07にプッシュ通知を送ったところ、開封率は2倍近くの24%にアップしました。19:07という中途半端な時間に送った理由は19:00ちょうどにプッシュ通知を送る他社のアプリに紛れてしまわないため。

この検証結果から、時間の調整次第で一定の効果が得られることがわかりました。ただ一つ失敗したことは、日本で19:07にプッシュ通知を送った場合、アメリカでは朝5:07に相当してしまうため、同じ内容で送ったにもかかわらず開封率は8%と平均を下回ってしまった。
この件からプッシュ通知を配信する際の時間の重要性について学びました。

リテンションの向上

みなさん、全ユーザーに同一内容のプッシュ通知を送ってしまってはいませんか…?

ユーザーの性質はそれぞれ違いますし、求める情報も異なります。だからと言って、欲しいであろう情報を全ユーザーに向けて送ってしまうと、ただ情報過多になるだけで適切なアプローチとは言えません。
そこで「ユーザーセグメントをきっちり分けて、セグメント別にプッシュ通知を送る」ことを考えてみましょう。

例えば、ログイン頻度が高いけどゲームの理解度は低いユーザーに対しては、ゲームの攻略方法など、理解度を高める内容のプッシュ通知を送る。
『神界のヴァルキリー』では、レベル100になると、通常はデッキコストも100になるという設計なのですが、その想定を下回っているユーザーには、デッキコストが上がる方法をプッシュ通知で教えてあげます。
セグメントごとに分けて性質の違うユーザーに適切なプッシュ通知を送ることで、プッシュ通知がナビ役として機能し、より質の高いユーザーへと誘導してくれるのです。

各セグメントに適切なアプローチを行った結果、7日後のリテンションレートが3.2%向上しました。プッシュ通知により休眠復帰ユーザーが増え、リテンションも向上すればユーザー数も安定して増加する。結果として、DAUが最大119%にまでアップしました。

STEP2 少しの工夫で課金につなげる

『神界のヴァルキリー』でもログインボーナスでガチャコインを配り、ガチャに挑戦したら報酬を獲得できるというモデルを導入しましたが、そこで一つ、工夫したことがあります。コインを配って挑戦できるところまでは他のゲームのガチャと同じですが“ギリギリ目玉が残る”設定にしました。
ユーザーには目玉が残ったところで課金化を促し、目玉の報酬を獲得してもらう。1回課金をしたユーザーはまた課金するというデータが出ていますので、課金単価が自然と高くなるんです。

5月、6月とほとんど平行線で推移しましたが、7月は少し下がっていますよね。しかし、8月は7月と比べて196%の課金化に成功しました。
この背景にあるのは先ほど説明したガチャ施策の影響もありますが、課金してくれるユーザーの母数がリテンションレートとともに向上したことが一番の要因だと考えています。

まとめ

アプリを所有しているユーザーの90%以上が休眠しています。復帰ユーザーは高額課金者も多く、顧客ロイヤリティも高い。休眠復帰は費用対効果が大きく見込めます。
しっかりとセグメント別に分けて的確なプッシュ通知を送り、眠りから目覚めさせましょう。

ご清聴ありがとうございました。


モバイルアプリの成長支援パートナー「Repro」

「Growth Hack Journal」を運営している「Repro」は、アプリ解析・マーケティングツールの提供からユーザ獲得やユーザ定着のためのマーケティング支援等のソリューションまでワンストップで提供、アプリの成長を支援しています。

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