去る8月2日、ついに日本に上陸したAppleの検索型広告”Search Ads”。日本のアプリマーケターの間でも話題になっていましたが、まだどのように運用すれば良いのか分かっていないという方もきっと多いはず。

というわけで、そんな方々に向けて(おそらく)国内で初めてのSearch Adsセミナーを開催いたしました! 
本稿ではその内容をかいつまんでレポートしていきます。

今回登壇したのは・・・

Repro Inc.
ASOチーム リーダー
伊藤直樹氏
新卒で朝日新聞入社後、2016年1月からRepro株式会社1人目のマーケティング担当としてジョイン。現在は自社サービス「Repro」のマーケティング業務、ASOコンサルティングの他に、Search Adsなどアプリの新規ユーザー獲得に関わる分野のスペシャリストとして活躍。

Search Adsとは、その運用メリット

Search Adsとはアプリストアに表示される検索広告で、「Search Ads Basic」と「Search Ads Advanced」の2種類のプランがあります。基本的に表示されるものはテキストか画像の2パターンですが、あくまでストアページの掲載データ(スクリーンショットなど)を元に作成する広告である点に注意が必要です。
そのメリットは定量データから見るとはっきり分かります。そもそもApp Storeにおいてはキーワード検索による流入が大部分を占めており、その中でアプリの詳細ページを見ることなく検索結果の一覧画面からダウンロードするユーザーが65%を占めているのです。さらに平均コンバージョン率が50%!と非常に高いほか、ダウンロードした後の継続ユーザーの割合も大きく、他媒体と比べてユーザーの獲得コストが非常に低いという特徴があります。2016年にアメリカでスタートして以来、世界的にはすでに4割のアプリ事業者が運用している使用率の高い広告媒体です。

実際にSearch Adsを運営してみよう!

Q&A

Q 「Basic」と「Advanced」は何が違うの?

Advancedが予算無制限で、キーワードのカスタム設定が可能なのに対し、Basicは月額予算50万円以下の場合に利用できるプランであり、キーワード、クリエイティブの運用の余地がありません。Advancedはクリック課金であるのに対しBasicはCPI(単価)課金であるという違いもあります。運営リソースが少なくて済むというメリットもありますが、Basicは予算をAppleに投入した後の広告運用が完全にブラックボックスになってしまうという問題があります。なので、予算が50万以下であってもユーザーに対する柔軟なターゲティングが可能になるAdvanceから運用を始め、どういったキーワードのimp/CVRが高いかなどの知見を貯めるべきではないかというのが伊藤氏の意見でした。

Q UAC(Universal App Campaign)と何が違うの?

課金体系など共通する点もありますが、Search AdsはApp Storeのみにしか掲載不可能なのに対し、UACはYouTubeやAdmobなどにも出稿できるという点が大きく異なります。また、各キーワードに対するクリエイティブの運用余地という面でもUACが優っています。Search Adsは原則、ストアの掲載データを元に作成されるため、広告内容を自在には変更することができないという制約があるからです。

Q どんなキーワードに出稿するべき?

Search Adsでは管理画面上で自動的にキーワードのサジェストを受けることができ、ある程度の検索ボリュームも把握することができます。しかし、正確な数値として見ることはできないので、詳しく調査したい場合はApp Annieなどのサードパーティの調査ツールを用いることをお勧めします。また、「検索マッチ」機能をオンにすることで、ストアページのメタデータを元に、自分のアプリと関連性の高いキーワードを自動的に表示させることもできます。

Q App Store Connectとの連携は必要?

App Store Connectとは自分のアプリの訪問者数や流入経路などのデータを閲覧できるApple公式のアプリ管理ツールです。これとSearch Adsを連携すると、ターゲティングできるユーザーのセグメントが増えるというメリットがあります。具体的に言えば「アプリを一度ダウンロードしたけどアンインストールしてしまっているユーザー」「自社で提供している他アプリを利用しているユーザー」のみにターゲットを絞って広告を出稿することが可能になるのです。

Q ABテストはできるのか?

Search AdsにはGoogle play consoleのような、どのパターンのアイコンやテキストがDL率が高いかを検証する、という意味でのABテスト機能はありません。存在するのは広告に表示されるスクリーンショットを設定できる「クリエイティブセット」機能です。Search Adsの性質上、使えるのは現在アプリストアページに掲載しているいる画像のみとなりますが、広告グループに設定したキーワード群ごとに使用するスクリーンショットを選択することは可能です。 セミナーでは「Hulu」のSearch Adsを運用した場合を仮定し、”子供向け番組”という検索クエリと”野球”という検索クエリでそれぞれ最適なスクリーンショットを広告として表示させるという施策を紹介しました。

Q 一つだけの広告枠に表示される基準(オークションロジック)は?

入札額と品質スコア(キーワードの関連性・タップ率・CVR・レビューの平均点など)が関係しているという点以外、明確な基準は発表されていません。しかし、アプリのターゲットにしっかり合致したキーワードに対して出稿し、高いタップ率、CVRを出すことが重要なことは確かだと言えます。

Q ダウンロード以降のパフォーマンス、継続率やROASを見る方法は?

Appleが公式にモバイル測定パートナー(MMP)として認定しているAdjust、AppsFlyer、Kochava、Singular、Tuneを利用することで閲覧できます。国産のアトリビューションツール(F○○)も近々対応予定とか…

Q Search Ads運用においてもASOは重要なのか

Search Adsの運用を始めてアプリページの閲覧数は増えたは良いものの、ダウンロード数が増えていないのであれば広告を出稿した意味がありません。アプリの詳細ページを改善して「バケツの穴」を塞ぎ、ユーザーをダウンロードまで離脱させないことが重要なのです。
CVRが上昇することは前述した品質スコアのアップに繋がりますし、「検索マッチ」機能はアプリのメタデータを用いているため、ASO施策によってSearch Adsのさらなる効果アップが期待できます。

ASO対策できていないアプリ

運用の事例

キーワードごとに表示されるスクリーンショットを変更したことでCVRが10%もアップした事例、Search Adsを男女別に最適なキーワードで配信し、ROAS150%という数字を叩き出した事例などが紹介されました。これらはReproの支援により達成されたものですが、Search Ads支援の他に、ASOコンサルティングや、DL後のグロースハックまで一貫して支援できることがReproの強みです。

終わりに

いかがでしたでしょうか。セミナー参加者からは「全く知識がないところから体系的に学べた」「明日から運用するイメージが沸いた」「交流会で運用上の疑問が解消した」など好意的なご意見・ご感想をたくさんいただきました。

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