本記事は、2017年11月15日に開催した 「Growth Hack Talks #7」での発表内容を元にしたイベントレポートです。30兆円を超える巨大市場を抱える不動産業界ですが、現在では古くからの慣習や法規制により長らくIT化が遅れていた同業界にイノベーションが起ころうとしています。「スペースマーケット」のご担当者様に自社アプリにおけるプッシュ通知のノウハウをお話していただきました。

登壇者紹介

株式会社スペースマーケット 山本玲奈(やまもと・れいな)氏

マーケティング部アプリチーム ディレクター

自己紹介と事業の紹介

株式会社スペースマーケットの山本です。本日はよろしくお願いいたします。 現在マーケティング部で主にアプリの集客を担当しています。

『スペースマーケット』は空きスペースを1時間単位で貸し借りできるプラットフォームで、スペースを借りたいゲスト(借り主)と貸したいホスト(貸し主)がマッチングしたら各々から手数料をいただくというビジネスモデルです。 現在、全国約12,000スペース以上を取扱っていますが、ゲストの利用目的はパーティーやママ会、女子会、会議、撮影が大半を占めています。民家で社内ミーティング、お寺で新年会、無人島でコスプレの撮影会など、用途もユニークなことが特徴で、これは『スペースマーケット』の強みとも言えるかもしれません。

アプリはリリースして2年半、アプリチームが立ち上がったのは半年前です。本日はこの半年間でどのようにアプリをグロースさせたか、具体的な数字と事例を交えながらお話しします。

アプリをグロースさせるKPI

私たちはアプリをグロースさせるKPIとして、インストール、リテンション、CVRに注力しています。

1.インストール

『スペースマーケット』インストール流入元の内訳はオーガニック、モバイルWeb、有料広告がそれぞれ3割程度ですが、オーガニック(アプリストア)からの流入が以前と比べて2倍に増えました。その理由の1つとして、アプリストアの最適化が挙げられますが、私たちはASO対策としてサービス名や説明文、キーワードなどよりキャッチーに見せるためにあれこれ手を尽くしてテストをしましたが、伸びたのはたった5〜10%程でした。

そこで一番効果的だったのは、App Storeでフィーチャーされたことです。

半年だけで『スペースマーケット』はApp Storeのフィーチャー枠に3回も掲載され、インストール数が30〜40倍伸びました。App Store側からフィーチャーされた理由について明確な理由を教えてもらえるわけではないため、取り上げられた理由についてはわかりません。

ここからは憶測になりますが、フィーチャーされる前月に開発側が行なった施策がどのように影響していたのかをお伝えします。

1つはプレスリリースを打つくらいの大きなアップデートを行い、新しい機能を2つ盛り込んだこと。それと、もう1つはバージョンアップの頻度。この時期は大小含めて週に1回はバージョンアップを行なっていました。そしてクラッシュ率は2%以下、クラッシュフリーが98%以上を推移していた。おそらくこの3点がフィーチャーされることに貢献したのではないかと思います。 ですので、アップデートするタイミングはインストール数をアップさせる狙い目にもなるわけです。

しかし、iOSはApp Storeでフィーチャーされましたが、Androidではまだ取り上げられていません。この理由についてGoogle Playの担当者に聞いたところ、Google Playではレビューを重視しているという回答が返ってきたので、現在は優良レビューを書いてもらう仕組みを作っています。

レビューを書いてもらう画面が表示された時、アプリを気に入ってくれた方にのみレビューをお願いするようにし「いいえ」と答えた方はCSへ誘導。ここで優良レビューを書いてもらう選別をしているということになります。

とはいえ、フィーチャーは突発的にされるもの。そのため、普段はモバイルWebからの流入に力を入れています。

モバイルWebユーザーの予約までのCVRは、アプリ、Webに比べ一番低い為、モバイルWebからアプリへインストールバナーで誘導させることに注力しました。1週間ごとにクリエイティブ、タイミングなど少しずつ変数を変えながらテストを繰り返したところ、インストール数は145%伸びました。アプリのメリットをバナーで表示してなるべく早い段階でアプリに移行させ、アプリでコンバージョンするように仕向けています。

2.リテンション

Webとアプリを比較すると、 利用形態:アプリの方が個人利用が多い 単価:アプリの方が単価は約20%低い アプリの方がリテンションは高いものの個人利用者・少人数の傾向ため単価が低いです。となると、アプリに関してはリテンションレートを上げていかないとLTVが見合わないことになります。

そこでクリエイティブよりも“タイミング”重視で、プッシュ通知による施策を行いました。 スペースを探すタイミングは利用目的によって異なります。パーティー利用者の予約のピークは週末、会議利用者は週明けが予約のピーク。スペースを使いたい、探したい時に届けることが何よりも重要となりますので、配信曜日・配信日時・配信のタイミングを配慮してそれぞれの目的に合う文言で最適化したプッシュ通知を送るようにしました。

この施策によってプッシュ通知の開封率は向上し、引き続きリテンションレートも伸びています。

3.CVR

コンバージョンを増やすために、スペースマーケットの優秀なエンジニア・デザイナーが半年間かけて検索周りを改善し、ユーザーが最速で希望のスペースを発見して予約までたどり着くUI/UXを実現しました。 改善前は、「欲しい情報がひっかからない」「検索でソートをかけているのにそれ以外も出てきてしまう」など、検索の段階で多くのユーザーが離脱していましたが、検索画面での離脱率は15%減、全体のCVRも向上しました。

ここで行なった施策は以下の2つです。

  1. 検索周りでのエリアの強化
    今まではトップページのおすすめやランキングがほとんど東京のスペースばかりでしたが、ユーザーが選択したエリア内でのおすすめやランキングを表示する「マイエリア機能」を追加。
  2. 検索履歴の強化
    例えば「渋谷・パーティー」で検索した後、条件を変えて検索してしまうと前回の検索結果が消えるため同じ条件で検索する場合は一から探さなければならなかったんです。近隣でスペースの比較をするときなど、これでは効率が悪くなる。ここに10回まで検索キーワードを保存できるように履歴機能を追加し、スムーズな検索を行なえるようにしました。

これらを含めた多数の改善により、CVRが向上しました。

まとめ

アプリに限らず、まずは問題を特定することがグロースのためには何よりも大事だと考えています。今回は多くの施策の話をいたしましたが、アプリチームが立ちあがった当初はまずデータをかき集め分析することに約1ヶ月ほど費やしました。 Webよりアプリの方が、予約へのCVRやユーザーのリピート率などが高く、CPA(予約獲得コスト)も低いためアプリの成長が事業全体の成長を牽引していくといえます。そのためこれからもアプリファーストで進んでいきたいと思っています。ご清聴ありがとうございました。


モバイルアプリの成長支援パートナー「Repro」

「Growth Hack Journal」を運営している「Repro」は、アプリ解析・マーケティングツールの提供からユーザ獲得やユーザ定着のためのマーケティング支援等のソリューションまでワンストップで提供、アプリの成長を支援しています。

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