SHOPLIST流!サービス自体をグロースさせるアプリプロモーション

 

本記事は、2017年3月9日に開催した「Growth Hack Talks #3」での発表内容を元にしたイベントレポートです。

 

登壇者: 田丸 寛仁氏

 

 

プロフィール

インターネット代理店を経て、2013年5月にクルーズ株式会社へ入社。SHOPLIST事業部のWebプロモーションを中心とした運用業務、LINE公式アカウントの立ち上げを担当。2015年4月よりSHOPLISTアプリをリリースし、累計400万DLを突破。(2016年12月時点)アプリのWebプロモーションのKPI設計・運用管理業務を行う。現在は新規顧客獲得を目的としたWebプロモーション管理と並行して新規事業の立ち上げにも従事。

 

自己紹介&サービス紹介

クルーズ株式会社の田丸と申します。今日はよろしくお願いいたします。

 

SHOPLISTは主に女性向けの洋服を扱うファッション通販サイトです。現状出店数は500ブランド近くまで来ていて、低価格帯のファッションブランドを主に扱っています。
今サービスを開始してからちょうど5年目になり、2012年は年間売上が20-30億円でしたが昨年は150億円くらいの規模まで成長しました。会員属性としては、女性が95%、平均年齢は25歳前後が中心です。私たちがターゲットとしているのは、お金に余裕のある30歳前後です。

 

 

SHOPLISTの売上ですが、月間の流通額が10億円以上です。ファストファッションなので洋服の単価は1点あたり2,000-3,000円で、だいたい平均2点ほど買われるため、顧客の単価は約5,000円になります。

 

2015年の5月にiOSとAndroidのアプリをリリースし、2年弱が経ちました。リリース後すぐにアプリプロモーションを展開して数字を伸ばし、現状でいうとインストール数は450-500万くらいあって、MAUが平均100万くらいです。

 

アプリの利用データについてもお伝えします。OSは基本的にはiOSが中心で、Androidの売上はあまり上がっていなく、iOSが全体の85%くらいです。男女比としては、先ほどもお伝えした通り全体の95%が女性ユーザーです。デバイス別では売上のうち98%がスマホ経由で残り2%がPCというスマホ中心のサービスになっていますが、モバイルの中でもアプリとWebの売上は50%ずつといったところです。

 

 

マスプロモーションの失敗を教訓にアプリシフトを本格化

アプリをちゃんとやろうということになったのは2014年の11月に放送したCMの失敗がきっかけです。

 

当時はアプリに全然力を入れておらず、いわゆる「ガワ」1)ブラウザ機能を内蔵して特定のWebサイトを表示することを主機能としているアプリアプリで中身はWebビューでしたし、開発も外部の開発会社に投げていたような状況でした。

 

しかしながらCMの構成や利用シーンが全体的にスマホにフォーカスしていたため「SHOPLISTってアプリなんだ」という理解になってしまい、CMの効果でアプリは結構インストールされたのですが「ガワ」アプリで使い勝手が悪かったため、レビューが悪化してしまったんです。この失敗をきっかけに社内でアプリのプロダクト改善が必要だという機運が高まったのですが、同時にプロモーションをもうちょっと戦略的にやるべきだということになりました。

 

あとは、SHOPLISTを使っているユーザーとターゲットの近いCtoCのフリマアプリ、特にメルカリさんなどが伸びている時期だったので、このユーザー層がアプリから洋服を選んだり購入したりすることに抵抗がなくなってきたのであれば、うちもアプリを提供することによってアプリからの売上増を狙えるのではないかと思ったのが2つ目のきっかけです。

 

主要数値は軒並みアプリの方がWebよりも高い

Webとアプリの1回あたりのページ閲覧数は、アプリが対Web比で大体470%くらい多いです。ユーザーの滞在時間はあまり変わらないのですが、こちらもアプリの方が長く、対Web比で大体112%くらいです。
客単価に関しては若干アプリの方が高かったのですが、弊社が独自に追っている初回購入ユーザーのCPA 2)初回購入ユーザーのCPAとは、広告投下コストを初回購入したユーザーの数で割った指標のこと。ではWebとアプリであまり変わりませんでした。

 

 

アプリで大事なKPI

Webの場合、ユーザーが商品を購入して届いた時点で売上が確定され、その売上を広告費で割ったROASを見ております。あとは初回購入ユーザーのCPAを見ています。

 

それに対してアプリの場合、買い物をする前にそもそもアプリをインストールしてもらわないといけないので、目標CPIを必達とし、インストール後の一定期間のLTVを、7、14、30、60、90日後で見ています。

 

 

あと行っている施策はリテンション広告ですね、既にインストールしたユーザーに対してまた改めて広告を表示するというサービスなのですが、一旦はWebに合わせてROAS目標を設定していて、1、7、30日後で数値の経過を見ています。リテンション広告 (既にインストール済みのユーザーに対しての広告)から初回購入に至るユーザーのCPAは、平均でならすとアプリとWebであまり変わらないのですが、この数字もKPIとして追っています。

 

SNSやリタゲ広告を使い分けることでアプリは成長する

実際にやっている広告の中で最も配信ボリューム3)実際に広告を配信し、記録されたインプレッション数、クリック数、日数の総称が多いのは、Facebook、Instagram、Twitterです。

 

図(下図)の横軸がリテンション広告/インストール広告で、縦軸が配信ボリュームの大小です。

 

配信ボリュームが多い順にFacebook、Instagram、Twitterになるかなと思っています。

リテンション広告で、配信ボリュームが多いという点ではCriteoさんが圧倒的に強いです。

 

(注: ボリュームは、投資額とは関係ありません。)

 

 

効果の良い広告とは?

インストール広告編

アプリの新規インストールを促すチャネルとして効果が高いのはFacebook、LINE、Twitterです。

 

Facebookでは「モバイルアプリインストール広告」といって、将来インストールしそうなユーザーにオススメの商品を流すというものがあります。去年からこのFacebookの広告を始めていて、配信ボリュームが結構出るというところでは効果的かなと思っています。
LINEの動画広告(LINE Ads Platform)は、CPCがものすごく高いですが効果はいいなと思っていて、Twitter(モバイルアプリプロモーション)も安定しています。

 

リテンション広告編

リテンション広告に関しては、非常に良いのがFacebookですね。これも仕組みとしてはモバイルアプリインストール広告と同じで、ユーザーがアプリ内で商品詳細ページで閲覧した商品をそのままFacebook上に流すものです。これは、インストールから何日後などの細かい数値を設定できるので精度が高いです。Twitterでも同様の広告商品があり、非常に効果がでています。

 

広告を実施する際に気をつけていること

次に僕たちがプロモーションの際に意識していることをお伝えします。

 

ある時TwitterやInstagramで藤田ニコルさんのフィルターのかかった写真をみて、このメディアではフィルターをかけた方がウケるのではないかと思い、試しに同じ様にフィルターをかけてやってみたことがありました。その結果圧倒的に写真にフィルターをかけた広告の方がCTRがよかったので、やはりメディア毎の特性に合わせてそこにいるユーザー層をある程度見ながら広告を流すのがいいかなと思っています。
LINEに関しては新しい試みとして動画広告を実施してみました。CPCがものすごく高かったのですが、インストールに対するCVRが40%超と非常に高く、結果的にCPIは250円でした。

 

 

今後やっていきたいこと

最後に今後やっていきたいことについてもお話しします。

 

広告識別子と会員データを紐付けてユーザーを狙い撃ちする

ユーザーの端末の広告IDとSHOPLISTの会員データベースを紐づけるというのを今社内で開発しております。
これができると何ができるのかというと、ユーザー端末が特定され、会員のレベルや購入情報もわかるので、ピンポイントでそのユーザーに広告配信をすることができるようになります。来期注力したいところです。

 

 

ECの課題である2回目購入CPAに注力する

初回購入ユーザーのCPAで、最初僕たちはとにかくインストールを取りたいということで初回購入ユーザーを対象としたアプリのプロモーションを展開してました。しかし通販においては、初回購入から2回目の購入へのハードルも非常に高く改善の余地があるので、今後は2ndCPAの様な指標を設定して2回目の購入を促すというプロモーションを中心にやっていきたいと思っています。

 

 

まとめ

1. コアユーザー向けを意識したアプリ作り

アプリは効率よく商品を見たいユーザーやスマホを使いこなしているユーザーと相性が抜群です。日々ユーザーの意見に耳を傾け、惜しまずブラッシュアップするというのがアプリ作りにとって重要かなと思っています。

2. そもそもアプリは必要か?

アプリがそもそも必要かということに対しては、ユーザーのパイを広げるという意味では良いかなと思っています。アプリとWebの両方を用意しておけば、ユーザーを包括的にリーチできるのです。

3. ターゲティング広告の精度が高い。

広告ID(端末に1つ)を絞って配信できるため、データベースと紐づけることでより精度の高い広告配信ができます。

注釈   [ + ]

1.ブラウザ機能を内蔵して特定のWebサイトを表示することを主機能としているアプリ
2.初回購入ユーザーのCPAとは、広告投下コストを初回購入したユーザーの数で割った指標のこと。
3.実際に広告を配信し、記録されたインプレッション数、クリック数、日数の総称