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本記事は、2016年10月20日に開催した「Growth Hack Talks #2」での発表内容を元にしたイベントレポートです。登壇者には「プッシュ通知を活用したリテンション・エンゲージメント施策」をテーマに、自社アプリのプッシュ通知運用のノウハウをお話していただきました。

 

登壇者:  李希成(りひそん) 氏

 

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プロフィール

1990年大阪生まれ。情報系大学院卒業後、リクルートホールディングスへ新卒入社。サーバーサイドエンジニアとして海外向け動画学習サービス、企業向け動画共有サービスの開発・企画を担当。進路サポートアプリの開発ディレクターも兼任。2016年4月よりゼクシィ恋結びのディレクターに着任。ゼクシィ恋結びに関して企画から開発まで全般的なディレクションを担当。

 

自己紹介&アプリ紹介

リクルートマーケティングパートナーズの李と申します。 ゼクシィ恋結びというマッチングアプリの集客以外の業務は全て担当しています。 チームのこだわりなんですが、ゼクシィ恋結びでやっている施策はすべて頭に「恋の」とつけていて、「恋のABテスト」とか「恋のLP最適化」とか呼んでいます。なので本日は弊社で行っている「恋の」プッシュ通知施策についてご紹介させてください。

 

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リクルートマーケティングパートナーズが提供するマッチングアプリ「ゼクシィ恋結び」

 

プッシュ通知はユーザーとのコミュニケーションの場

僕はプッシュ通知は単なるマーケティング施策ではなく「ユーザーとのコミュニケーションの場」だと考えてみます。

 

改善①運用ポリシーの策定

まずやったこととして、「Qiita:Team1)Increments株式会社が開発・運用する社内ドキュメント共有サービス。に運用ポリシーを書き、チームでプッシュ通知を運用する大方針を決めました。

 

やっぱりスマホの画面はユーザーのものですし、特にiOSだとOSの設定からプッシュ通知をオフにするのも手間なので、使っていないアプリからプッシュ通知がどんどん送られて来たらアプリをアンインストールしたくなってしまうと思います。なので一人のユーザーとしてサービスを使う側に立った時に届いて嬉しいプッシュ通知を打つべきではないかということを書き、ユーザーメリットのないプッシュ通知は送らないということでチームの認識合わせをしました。

 

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プッシュ通知の運用ポリシーを策定し、社内ドキュメントに共有

 

改善②モニタリング方法の整備

運用ポリシーを定めたら、次はプッシュ通知をモニタリングする環境整備を行いました。

 

Googleのスプレッドシート上に配信時刻、内容、配信数、開封数、開封率といったKPIを集計し、チームでモニタリングしています。

 

 

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Googleスプレッドシートで日々のプッシュ通知とKPIを管理

改善③KPI策定

プッシュ通知ではアプリのどのKPIを改善したいのか考えることも大事です。再訪や有料化など狙いはアプリのジャンルやフェーズによって色々あるかと思うんですが、改善すべきKPIを絞っておかないと漫然とした運用になってしまうので上記のスプレッドシートを見て常にプッシュ通知による効果をトラッキングしています。

 

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たとえばゼクシィ恋結びでは再訪を目的としたプッシュ通知施策を実施するケースがあります。再訪施策も因数分解すると「アクティブユーザーをよりアクティブにする」ものと「休眠ユーザーを呼び戻す」ものに分けることができますが、その両方の施策を行っています。

 

特に休眠ユーザーへのコミュニケーションには気を使っています。アクティブなユーザーはプッシュ通知を打たなくてもアプリを使うので、非アクティブなユーザーに対してどういったプッシュ通知を送るべきかというのは日々考えています。

 

改善④配信内容の選定

次に配信するプッシュ通知の内容についてお話しします。僕はプッシュ通知を改善する際に考えるべき変数は3つしかないと思っています。「誰に」、「いつ」、「何を」送るかです。

 

誰に打つか(配信対象)

「誰に打つか」というのはいわゆるセグメントを切ってプッシュ通知を配信しましょう、という話です。ユーザーのセグメントは「登録完了」や「マッチング」などアプリ内のユーザーのアクションによって絞りこむアプローチと、と「男性」や「いいね獲得数」といったユーザー属性によって絞り込むアプローチの大きく2つありますが、ゼクシィ恋結びでは2つを組み合わせてプッシュ通知を送信しています。

 

例えば会員登録をしてから一定期間が経過しているにも関わらず「いいね獲得数」がX個以下の「男性」はアプリへのエンゲージメントが低いと定義して、こういったユーザーはどんなプッシュ通知を送ったら再訪するかなどを考えています。

 

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アクションとユーザー属性でターゲットを絞り込み、
そのターゲットに対する最適なプッシュ通知によるコミュニケーションを考える

 

いつ打つか(タイミング)

次はプッシュ通知を打つタイミングの話ですが、これも分解すると「絶対時間」と「相対時間」の二つに分けられるのでそれぞれの施策についてお話します。

 

絶対時間は例えば「10月20日の19:00」といった全ユーザーに共通する時間です。絶対時間を考慮してプッシュ通知を工夫した事例としては祝日にその日のお祝い事と関係したプッシュ通知を送るといったことをやっていますが、どちらかというとプッシュ通知は絶対時間より相対時間の方が大事だと思っています。ユーザーがアプリを使い始めてから利用を続けていくまでの流れのなかで、何日後にどんなプッシュ通知を送るべきかというのを考えながら送る内容を決めています。

 

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何を打つか(配信内容)

いよいよ「何を」送信するかというところですが、ここは正直言って試してみるしかないかなと思います。ただ変数が多すぎると比較にならないので、テストしたいところ以外の条件を揃えるというのは意識したほうがいいです。

 

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まとめ

最後にまとめると、現状トリッキーな運用はとくにしていません。運用ポリシーやモニタリングするKPIを決め、細かく配信内容を検討しています。今後はユーザーの一連の行動に即して自動的にプッシュ通知が届くといったシナリオを磨いていくつもりです。本日はありがとうございました。

 

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注釈   [ + ]

1. Increments株式会社が開発・運用する社内ドキュメント共有サービス。