アプリ事業者は、どのようにして利益を増やし、ユーザーを惹きつけ続ける事ができるのか

今や様々なアプリストアの中に、何百万ものアプリが存在しています。利用者にとっても、アプリ事業者にとっても、目当てのアプリを見つけるのは大変です。去年の夏の時点で、Google Play ストアには220万ものアプリがありました。一方、アプリの多様性において2番目に大きなアプリストアであるAppStoreにも200万のアプリが存在し、その数には驚かされます。

 

7年前、2009年の夏の時点でのアプリ数は、Google Play ストアで約70,000、App Storeで約65,000でした。つまり、私たちは今両プラットフォームを合わせて約3,100%にも及ぶ成長を目の当たりにしているのです。アプリ数が多くなった今、ユーザーがアプリを探す際、「大量の選択肢がある」という事に苦労しますが、問題はそれだけではないのです。アプリ数が多い分、「信憑性の低い情報」や「にわかユーザー」のレビューも多く存在しているのです。

 

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モバイルエンゲージメントの危機」とも呼べるくらい、アプリのリテンション率はあまりよくありません。1度だけ利用され削除されるアプリは平均約25%にも及びます。ここで立ち上がったのがAppnextです。同社は、2016年に売上高を前年度の3倍に伸ばしました。この成長の大部分は彼らの技術、つまりアプリ事業者と広告事業者をつなげた結果です。これによりアプリのマネタイズとアプリの発見を効果的に促進しているのです。これはハッキリと目に見える効果がありました。今日、多数のアプリが参加しているこのネットワークには、6億5千万もの利用者がいます。

 

私はAppnextのCEOであるElad Natansonにお話を伺い、アプリ経済への取り組みについて、さらに学ぶ事ができました。

 

ーーーこの成長をずっと維持し続ける事ができると思いますか?ーーー

 

Natanson: 去年、Appnextは3年連続で3桁成長を達成しました。未来を見据えて、私たちはより一層高みを目指していきます。エコシステムが変化していき、私たちはまさに次世代のモバイル革命に直面しているのです。私たちが知っているスマートフォン時代は、最初のiPhoneが導入された2007年以来、ほとんど変わっていません。アプリはより良くなっていますが、全体的なモバイル自体にそこまでの変化はありません。この点については、今後1,2年で大きな変化が起こる事でしょう。

 

最近まで、アプリビジネスの成功にはアプリの「グロース」が大きな課題の一つと考えられていました。今日では、インストール後1度しか利用されない大半のアプリにとって、アプリを「使われる事」が、新しい「グロースハック」の目標になっています。ユーザーは疲れています。もっと言えば、彼らは圧倒されているのです。アプリ事業者や、プラットフォーム、そしてオペレーティングシステムは、これらの現実に適応していかなければなりません。2015年にGoogleが導入したApp streaming1)アプリをインストールすることなく検索結果からその時だけ利用できるは、アプリ業界の動向を示唆しています。

 

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ーーーアプリ内でのマネタイズは、多くのアプリ事業者にとって非常に厄介なものだと思いますが、アプリをマネタイズするための最善策は何でしょうか?ーーー

 

一般的に、全てのアプリの改修や機能のリリースは、ユーザーのエンゲージメントに合わせるべきだと考えています。それはあなたがマネタイズを目指している時も同じです。

 

アプリ内購入(IAP)を促す戦略でやっている場合は、購入額をスケールさせるよりも購入する習慣を築く事がゴールです。これは、アプリ事業者の80%が利用する広告モデルのマネタイズモデルでも重要です。

 

ーーーアプリ業界では、アプリのアンインストールが後を絶ちません。広告収益とユーザーのエンゲージメントの間のスイートスポットをどのように見極めますか?ーーー

 

アプリのアンインストールと急速に消えていくユーザーの興味関心は、間違いなくアプリ事業者にとって、最大の悩みであると私は思っています。ただし、アプリのアンインストールは、広告モデルのアプリに限った話ではありません。マネタイズを全くせずグロースに焦点を充てているアプリでさえ、依然として高い離脱率に苛まれています。

 

我々は、ユーザーとして、素晴らしい経験をしたい、面白いコンテンツを楽しみたいと思っています。興味深い事に、ユーザーのわずか3%だけしか、アプリへの支払いを快く思っていません。しかし今後この傾向は変化すると思われます。これに関して、アプリは基本的なビジネスロジックに従わざるをえません。つまり、ユーザー当たりの平均収益(ARPU)が有効な獲得コスト(アプリの場合、有効なインストールあたりの単価、またはeCPI)を超えていなくてはいけないのです。

 

アプリ事業者は、広告などでユーザーのモバイル体験を妨害するべきではないのです。当然、広告の扱いにもっと注意を払うべきです。

 

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ここ数年、多くのアプリ事業者は、アプリやゲームと組み合わさった広告フォーマットをUIや製品の中に自然に解けこませています。ネイティブ広告や動画広告、動画リワード広告のようなフォーマットです。私はこの傾向はまだ続いていくと思いますし、変化し続けるユーザーの関心を反映させるために最適化された、より多くの自然な広告フォーマットを私たちは目にする事でしょう。たとえば、オーディオ広告は、音楽やポッドキャストのような、いわゆるバックグラウンドアプリにまさにピッタリという事です。

 

テクノロジーとユーザーの日常体験がつながる大きなトレンドが起こり、それが「プラットフォームとしてのアプリ」が大量に生まれるきっかけになると思っています。WeChatがとても良い例です。何百万人ものユーザーがタクシーの配車、食料配達、請求書の支払い、買い物などのさまざまな日常の行動にWeChatを利用しています。最近導入された「ミニプログラム2)App StoreやGoogle Playなどのストアでダウンロード・インストールしなくても、WeChat上で使用できるアプリ」は、数年後にモバイルがどのようになるかを、これまでの私の経験とマネタイズの両面から明らかにしています。

 

ーーー「アプリの発見」の次のトレンドは?ーーー

 

上記でも申し上げたように、今後の傾向としては今日の我々が考えるような「アプリの発見」に限定されず、はるかに広くなっていくでしょう。主な傾向は、アプリケーションの利用を解剖したり、新しいモデルが登場したり、リエンゲージメントが大きな注目を集めたりして新しいユーザーの獲得に一躍するでしょう。

 

今後数年の間に、実生活の軸はモバイルを中心に新しい最たるものとなり、私たちのモバイルはよりパーソナライズされたものになる事でしょう。

 

この記事は、Entrepreneur上の記事 “How Can App Makers Improve Revenue and Keep Users Engaged?“を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on Entrepreneur in English under the permission from the author.

注釈   [ + ]

1.アプリをインストールすることなく検索結果からその時だけ利用できる
2.App StoreやGoogle Playなどのストアでダウンロード・インストールしなくても、WeChat上で使用できるアプリ