プロダクトの機能がいかに優れていても、それだけではトライアルユーザーを有料ユーザーにコンバージョンさせることは出来ません。実際、オンボーディングプロセスでプロダクトまたはサービスの機能説明だけをしてしまうと、長期的なユーザーとの関係を構築することはできません。

 

ユーザーオンボーディングと長期的なユーザー維持の関係を作れば、それがあなたのサービスの核となる価値になります。

 

自社の新規ユーザーを自社プロダクトに本当に興味を持ってくれている教養ある人だと考えてみましょう。そのユーザーがプロダクトのコアバリューを理解できていない場合、彼らはそのプロダクトの機能に秘められたコンテクストを理解することができないでしょうし、機能をなぜ利用すべきかも理解できないでしょう。

 

ユーザーにプロダクトの理念を伝えることで、スマートで忠誠心の高いをユーザー基盤を構築することができます。マーケティングの段階で伝えるだけでは不十分です。理念はプロダクトとオンボーディングプロセス全体を通じて伝えていく必要があります。コンテンツを用いてユーザーに価値を伝えることによって、ユーザーにそのプロダクトを使ってもらい、それに夢中になってもらうような動機付けをしなければなりません。

 

プロダクトがユーザーにベネフィットをもたらす理由と方法を伝えてください。そうすることによって、まずそのプロダクトを使いたいと感じてもらうタイミングを創出できます。このタイミングのことをAppcuesでは「WOW」の瞬間と呼んでいます。ユーザーがプロダクトに忠実になるきっかけとなる瞬間です。

 

ユーザーに「WOW」の瞬間を届ける

Appcuesの User Onboarding Academyによると、 「WOW」の瞬間はオンボーディングプロセスにおいて最も重要です。

 

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WOWは、プロダクトもしくはサービスがユーザーの生活に不可欠なものになっているとユーザー自身が気づいたときに生まれる感情です。その瞬間、ユーザーはこのサービスもしくはプロダクトが自分の生活をより豊かにしてくれていることを知るのです。

 

自社プロダクトの「WOW」の瞬間を見つけてください。その瞬間を発見できれば、ユーザーに自社プロダクトのコアバリューに関する重要コンテンツの提供を始められますし、個人によって異なるWOWの瞬間をできる限り早く経験させることができます。

 

ユーザーに価値を伝えるコンテンツはあなたが考えている以上に手短に、単純に作ることができます。常に新しいコンテンツを作り続けるのもいいですが、既存のコンテンツを有効活用するのも同じくらい効果的です。

 

既存のコンテンツを活用する方法

ユーザーにサービスの価値を知ってもらうための既存コンテンツ利用には、シンプルな3つのステップがあります。まず第一に自分が持っている最高のマーケティングコンテンツを一つにまとめ、再度リリースし、オンボーディングプロセスのなかでユーザーに提示するだけでよいのです。

 

1. 最高のコンテンツを見つけ出す

優れたコンテンツを見つけ出すには、いくつかの分析ツールがあります。これらのツールを使えば再ポストに値する最も読まれた、もしくは最もシェアされた記事を選ぶことができます。

 

まず、Google Analyticsを使って、上位10個の記事を見てみましょう。

 

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コンテンツのデータを分析し続けることは重要な作業です。分析結果から、読者が有益だと感じているのはどんな投稿なのか、、読者を惹き付けているのはどんな意見なのかを正確に把握できるからです。

 

次に、SumoMeContent Analyticsを使ってみましょう。投稿を読んでいた読者が離脱した場所だけでなく、読者が好んだ投稿を正確に特定することができます。このツールによってコンテンツのどの部分が読者に好まれどの部分が読者を退屈させるのか知ることができます。

 

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さあ、これで実際に役立つ明確な指標を持つことができました。これで過去にヒットしたコンテンツに基づき、新しくエキサイティングなコンテンツを作り始めることができます。

2. 最も人気の高かったコンテンツをリリースし直す

ニーズの高いコンテンツは何なのかが分かればeBookやチェックリスト、チートシート、数式のテンプレート、果てはプロダクトのキャッチコピーといったすぐに使用可能で簡潔なフォーマットとしてコンテンツをリリースし直すことができます。

 

究極的には、これらのコンテンツはプロダクトやサービスがユーザーにもたらすWOWの瞬間を届けやすくするものとして用いられるべきでしょう。。

eBooks

eBookは、ユーザーにサービスの価値を伝える非常に効果的な手段です。eBookの素晴らしい点は、過去に投稿したブログの内容を集めたもので作れるので極めて簡単に公開できるという点です。理想としては、プロダクトのコアバリューを示し、一つのトピックに関して読者に豊富な情報を提供するのがeBookの役割と言えるでしょう。

 

まず、ある一つのトピックに関する中くらいの長さの記事を最低10個は用意してください。次に各記事の内容に目を通し、記事を章として書き換えて、単一ページ上で異なる章の見出しとサブ見出しを設けましょう。この作業はどれくらいの量の記事をキュレーションするかによって異なりますが、1時間ほどでできます。

 

これが終了したら残るは公開作業です。ChromeにはPrint Friendly& PDFというとても便利な拡張機能やブックマークレットがあり、これを使えばWebページをPDFとして公開することができます。

 

もしあまり時間がない場合は、さらに簡単な方法としてSketchDeckが利用できます。彼らは、素晴らしいオンラインデザインチームです。eBookもそのうちの一つですが、数多くの素晴らしいコンテンツを作成してくれます。しかも手頃な値段で利用できます。

実用的なコンテンツ

eBookを作成し終えたら、チェックリスト、チートシート、数式のテンプレートといったボーナスコンテンツの作成も検討してみましょう。これらのツールは、読者がそこで知った情報を実用に移す次のステップに後押ししてくれます。

 

こうしたツールで、プロダクトのコアバリューを強調し、プロダクトの理念に基づいた行動をユーザーに促すことができます。こうした具体的なガイドラインは読者にとって非常に有用なので、この種のボーナスコンテンツはとても喜ばれます。あなたがご自身のサービスやプロダクトを用いてユーザーに成功を収めてほしいと思っていることを示すこともできます。

 

例えばBufferは、彼らのコアバリューを補うボーナスコンテンツのパッケージが含まれていました。

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Buferはあらゆるソーシャルメディアを成功に導き、管理することを自社のコアバリューとして宣伝しています。Bufferが提供しているパッケージにはチェックリスト、チートシート、データが含まれており、それらによってユーザーはソーシャルメディアで成功するための一般論を知り、Bufferの一部機能を使ってもらうことができます。

 

これらの補助ツールは、WordやExcelpdf作成ソフトで簡単に作れて、zipファイルとしてユーザーにダウンロードして使ってもらう形に変換することができます。

 

これらのパッケージ化されたプロダクトの素晴らしい点は、ツールをユーザーの周りのチームに共有してもらうことで彼ら自身がそのプロダクトの利用者であると示してくれるという点です。

プレーンテキストの抜粋

過去のブログ記事から興味深い箇所を抜粋し、それらをプロダクトのキャッチコピーやヘルプといったユーザーと接点のあるところに追加することもできます。

 

最もニーズの高かったコンテンツマーケティングからプレーンテキストを抜粋するので、これらの抜粋はユーザーをエンゲージメントさせるものになっていますし、ユーザーがサインアップする理由の一つとなるのです。

 

ブログ記事をオンボーディングとして使うためのコンテンツは他にもこんなものがあります。

 

  • Webinars
  • Walkthroughs
  • Training sessions
  • White papers

3. コンテンツをオンボーディングプロセスの一部にする

プロダクトの理解を深めるコンテンツ群の準備ができたら、これらのコンテンツをオンボーディングにつなげるために配信していきましょう。ユーザーに真の「WOW」の瞬間を届けるためには3つのコンテンツ配信方法があります。

アプリ内メッセージ

Appcuesのアプリ内メッセージ機能使えば、ユーザーへのオンボーディングメッセージをカスタマイズできます。Appcuesは、非常に簡単にメッセージをカスタマイズします。あなたは一行たりともコードを書く必要はありません。ただ、最もエレガントで最高のデザインを選択するだけです。そうすれば、サービスの価値を伝えるコンテンツを含むターゲティングメッセージをユーザーに送ることができます。

ドリップメール

ドリップメールはオンボーディングのプロセスに不可欠です。オンボーディングメールを使うことによって、あなたのプロダクトやサービスがユーザーの期待に応えるものだということを伝えることができます。

 

ドリップメールはとても効果があることが証明されています。通常の一斉配信される電子メールの18倍の収益を生み、クリック率は通常の119パーセントに上ります。

 

Freckleは初めて送るオンボーディングメールに自社プロダクトに関するウェビナーを載せました。

 

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コンテンツの再利用ができるウェビナーによって、トライアルユーザーにプロダクトを使うべき理由とそのプロダクトを用いて目的を達成する方法を伝えることができます。機能の詳細な説明をしすぎてしまうと、トライアルユーザーを退屈させ、プロダクトから遠ざけてしまう可能性があります。なぜならユーザーは自分がそのプロダクトの機能に関心を抱いたきっかけを認識していないからです。

 

次のメールでは、ユーザーがそのサイトに来た理由と彼らがサインアップした理由を詳細に説明します。ユーザーに、そのアプリを使うことで、恩恵を受けられると思ったそもそものきっかけを再確認をしてもらうために、そのコアバリューを提示します。

 

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Freckleのように、一つのドリップメールにユーザーが抱くであろう質問事項を提示するコンテンツを含めることが出来ます。それに続いてサービスの理解を促進する情報とユーザーメリットを示すフォローアップメールを送ります。(Freckleの場合、このメールによってユーザーは時間と労力を節約することができます。)

 

Customer.ioというツールを使うことによってユーザーをWOW瞬間導くようなパーソナライズされた効果的なドリップメールを作ることができます。

ヘルプセクション

iDoneThisではプロダクトへの理解を助けるコンテンツをヘルプセクションに記載しており、ユーザーがオンボーディングプロセスで抱くであろう質問に答えています。

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新規ユーザーがそのサイトを利用する際、まずヘルプセクションへ行き「よくある質問事項」を見るというのはよくなされることです。

 

サイトの訪問者はこのページにたどり着くと、そのプロダクトは自分にとって役に立つものかどうかという最終判断をします。だからこそヘルプページはサービスの理解を促進できるものになっているかが大切になってくるのです。

 

あなたのヘルプページの効果を最大化するためには、最も成功したコンテンツからプロダクトの価値を伝える部分を抜粋することです。

 

私たちは最もニーズの高かったブログ記事で効果を最大化しました。

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ご覧のとおり、39もコメントを受けています。その多くは会社ブログからです。ソーシャルメディア上でもかなりのシェア数を獲得しました。

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私たちはここで、この投稿のユニークな点を見つけ出しました。それは、見出しが主要な統計データでまとめあげられているという点です。なので、ヘルプセクションには、ユーザーがさらに知りたいと思うようなコンテンツを含めることにしました。

 

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ここにおいて優れている点は、ユーザーが日常的なタスクを達成することで、その達成感を味わってもらうというiDoneThisのコアバリューを数字で示しているという点です。私たちのヘルプセクションは、ユーザーに「WOW」の瞬間を提供するための第一歩なのです。

コンテンツによってユーザーに行動を促す

コンテンツマーケティングによってプロダクトの機能説明だけではなくミッションや会社の存在意義についても情報発信することができます。もしプロダクトの利用中だけではなくマーケティング活動においても上記のような情報発信ができれば、サインアップの際にユーザーに驚きをもたらすことができるでしょう。

 

コンテンツによってトライアルユーザーに早い段階で「WOW」の瞬間を感じてもらうことができます。コンテンツを届けることで、実際にユーザーがそのプロダクトを使い始め、機能を利用し、プロダクトを使って成功するまではわからないようなコンテキストを伝えることができるのです。

 

この記事は、APPCUES社のブログ “How to Use Content to Drive User Education During Onboarding” を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。 Repro published the Japanese translation of this original article on APPCUES in English under the permission from the author.