iOS10のリッチ通知を活用してエンゲージメントを高める方法

モバイルアプリの競争社会で、マーケターはユーザーを惹きつけるのに新しくて創造的な方法を見つけるのに苦労しています。そのような中、AppleのiOS10のリリースで、よりエンゲージメントを高める体験をユーザーに提供する新機能が発表されました。iOS10のリッチ通知と呼ばれる、すぐれたプッシュ通知を作成する機能が登場したのです。どんなものか補足すると、画像やアニメーション、オーディオ、ビデオなどでプッシュ通知をリッチにする機能です。

 

 

機能は他にもあります。Appleはプッシュ通知を送る側がCTAボタン 1)ユーザーにとってもらいたい行動を誘導するボタンを4つまで追加できるようにしたり、ユーザーがアプリを起動することなくプッシュ通知上から反応できるようにしたりして、このプッシュ通知という機能を全く新しいレベルに引き上げました。

 

必ずそうなるかはわかりませんが、このプッシュ通知の進化を長期的視点で考えると、この他人からのメッセージにより素早く返信し時間の節約につながる機能ができたことによってプッシュ通知を許可するユーザーは増えるでしょうし、リッチ通知によってより強いブランディングが可能になるでしょう。

 

プッシュ通知が魅力的なものになればユーザーは通知を許可してくれるはずです。以下に示す重要な指標を長期間計測するだけで、iOS10でリッチ通知を使用することのメリットを見出すことができるでしょう。

 

画像出典:http://www.idownloadblog.com/2016/06/15/ios-10-preview-lock-screen/

 

iOS10のリッチ通知を実装する方法

リッチ通知がもたらす効果についてご説明したので、次はユーザーとコミュニケーションをとるためのリッチ通知の実装方法を見てみましょう。

 

  1. projectのメニューバーからFile > New > Target と選択。その後、Notification Service Extentionを選択
  2. オプション画面のEmbed in Applicationで自分のアプリを選択
  3. Notification Service Extention のコードを追加
  4. plistを開いて、App Transport Security設定を追加、Arbitrary Loadsを「Yes」に設定
  5. iOS10+Media attachmentに行き、ファイルのURLを追加
  6. 選択を決定

 

上記の手順でプッシュ通知を戦略に組み込むことができます。

 

iOS10のリッチ通知でエンゲージメントを高める5つの方法

以下でおすすめする方法は新しい機能を適切に利用して良い結果を出すためのものです。しかし、デベロッパー、マーケター、アナリスト、デザイナーが一体となってアプリのプロモーションをしなければいけないということは肝に銘じてください。プロモーションは一人の担当者だけがやる仕事ではありません。

 

パーソナライズする

 


出典:http://www.business2community.com/mobile-apps/4-updates-ios-10-brings-push-notifications-01658354

 

ユーザーがアプリに戻ってきてもらう素晴らしい手段を手に入れたのですから、そのチャンスを手放してはいけません。ユーザーがある商品、もしくはあるカテゴリーの中の商品群を望んでいるのがわかっていれば(あなた自身もそうであるはずです)、より視覚的に説得力のある方法で彼らが望むものを提供してください。ユーザーが欲しがっていたジャケットが購入可能になったことを伝えるのも必要ですし、それがどれだけかっこいいものだったかを思い起こさせることも必要です。ユーザーの過去の行動を計測し、彼らのニーズに応じた役に立つ情報を提供しましょう。もし、ユーザーのニーズを思い付くことができれば、関心を引くことができるでしょう。

 

出典 : https://www.urbanairship.com/company/press-releases/data-finds-pictures-boost-direct-response-rates-for-push-notifications-56-p

印象をよくするために、できる限りきれいなビジュアルにする

コンテンツを変更できるのは大きなアドバンテージです。さらに、新しいOSはスマートフォンのロックを解除するまでに少し時間がかかるので、プッシュ通知はエンゲージメントを高めるためにより見やすくなっています。中でも一番良いニュースは通知を自由にカスタマイズできるということです。特定のアクション、特定の色、ユーザーの興味を引く画像、そしてユーザーが続きを見たくなるような動画を足すこともできます。GIFも利用することができますが、わざわざふざけたものを送る必要はありません。きれいなビジュアルを使って巧みにユーザーを惹きつけましょう。エレガントな通知はアプリの質を高めます。

 

画像出典:https://www.leanplum.com/blog/push-notification-updates-ios-10/

 

楽しい要素を追加し、ミレニアル世代への配慮をする

リッチ通知はミレニアル世代向きです。「How to Market Your App To Milennials To Increase User Acquisition(ミレニアル世代のユーザーを獲得するためのマーケティング方法)」という別の記事で、ミレニアル世代の他の世代とは異なる特徴について細かく解説しました。しかし、以前から何千回も言ってきたように、ユーザーを獲得するだけでは不十分です。ミレニアル世代をエンゲージメントさせないといけないのです。koeppeldirectによる下記のインフォグラフィックを見ると、ミレニアル世代は1日に18時間メディアを利用していることがわかります。しかし、そのうち何時間メディアのプッシュ通知を利用するでしょうか?送られたメッセージが十分インタラクティブでかれらに深く刺さればもしかしたらメディアの利用時間と同じ位になるかもしれません。もしこの世代をターゲットにした場合、彼らの好みを見つけ出すのにたくさんの時間を費やさなければなりません。ミレニアル世代に対して推測で戦略を練るのは難しいので、推測はしないようにしましょう。彼らは新しいものに対してオープンですが、かといって全てのものに対してそうなのではありません。想像力をたくさん働かせて、ミレニアル世代によく効くポイントを見つけ出す準備をしてください。

 

画像出典:http://www.koeppeldirect.com/drtvblog/millennials-media-consumption/

 

特別な日に通知を送る

もしユーザーの誕生日を短いビデオクリップや鈴の音で祝ったら、ユーザーはどう反応するか考えてみてください。彼らはあなたがどれだけユーザーのことを考えているのか、そしてあなたのアプリがどれだけ便利なものなのかを忘れないことでしょう。ユーザー目線で考えましょう。もし大きなイベントが近くで行われていて、イベントの雰囲気が少しでも通知で伝わったら? ユーザーのエンゲージメントは最高レベルに達し、すぐにそのイベントに駆け込んでいるのではないでしょうか? 

iOS10のリッチ通知の目的は、先進的な方法でアプリをプロモーションし、ユーザー体験パーソナライズすることです。あなたが想像したものは全て実現可能です。チャンスは無限にあるのです。ユーザーが普段より奮発するブラックフライデーから大晦日までの祝日期間を考えてみてください。あなたがユーザーに「ハッピーニューイヤー!」という最初の人になれば、ユーザーはその一年間はあなたのアプリのことを忘れないでしょう。

 

プッシュ通知を送りすぎない

この原則はどんな分野にもいえることです。しかし、プッシュ通知においては絶対に守るべきものの1つです。なぜならプッシュ通知を煩わしく思ったユーザーは通知を拒否してしまい、それ以降そのユーザーにアプリを使ってもらうためのメッセージを送る方法がなくなってしまうからです。A/Bテストを行ってどれだけ通知を送ったら送りすぎなのか、そしてそれにユーザーがどう反応するかを見つけてください。思いついた全てのアイデアを通知にするのではなく、それが良い結果をもたらすという自信がある時だけ通知を送ってください。もしかしたら全ての通知があなたが考えている反応を得られる訳ではないかもしれません。iOS10のリッチ通知が「リッチ」だとしても、昔の通知のように押しつけがましいものになり得るのです。

 

最後に

Appleは最近iOS10でプッシュ通知をよりよいものにしました。これはユーザーのエンゲージメントを高められるマーケターにとっても、つまらない広告と通知に退屈していたユーザーにとってもよいニュースです。もちろん、この新しい機能をうまく利用するには両者に条件があります。マーケターは(まだそうではないなら)創造的にならなければいけませんし、ユーザーはプッシュ通知を許可しなければいけません。しかしながら、リッチ通知によってwin-winの関係になることには違いないのです。

 

この記事は、AppSamurai上の記事 “How to Use iOS 10 Rich Push Notifications for Better Engagement“を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on AppSamurai in English under the permission from the author.

注釈   [ + ]

1.ユーザーにとってもらいたい行動を誘導するボタン