大人気オークションアプリが実践する、売上につながるプッシュ通知運用とは?

はじめに

市場にアプリの数が増え新規ユーザーの獲得が益々困難になる中、アプリをインストールしたユーザーに対しプッシュ通知やアプリ内メッセージを通じてコミュニケーションをとり継続率や課金率を上げる「アプリ内マーケティング(In-App Marketing)」が新たな潮流となりつつあります。

 

実際、アメリカではUBERなどの有名スタートアップからマクドナルドといった大手企業に至るまでアプリ内マーケティングの担当者がおり、この領域のスペシャリストが求められています。

 

米国ではスタートアップに留まらず、非ITの大手企業もアプリ内マーケティングの経験がある人材を求めている

 

日本でもアプリ内マーケティングの重要性は認識されつつありますが、ノウハウ不足や人手不足により、きちんと練られたアプリ内マーケティングを実施できていない企業が多いのが現状です。

 

株式会社ディー・エヌ・エーの子会社としてオークションアプリ『モバオク』を提供している株式会社モバオクもそういった課題を抱えていましたが、Reproのアプリ内マーケティング運用代行チームと共同で施策の実践と人材の育成に取り組んだ結果、新規ユーザーの継続率や有料会員登録率、出品率、入札率といった重要KPIを高め、短期間で売上増加に成功しました。

 

ノウハウが無い状態から具体的にどのような取組を行い上記のような成果を上げることができたのか、担当者お二人に伺いました。

 

株式会社モバオク 小田切様(写真左)、稲本様(写真右)

 

手数料0で出品・入札ができるオークションアプリ

小田切:『モバオク』というファッションアイテムを中心に家電やインテリアなども扱うオークションアプリを運営しています。もともと2004年に親会社のディー・エヌ・エーが携帯電話専用オークションサイトとして開始したのが始まりで、何度出品しても出品手数料も落札手数料も一切かからないのがウリです。アプリは2011年に両OSでリリースし現在200万DLを超えるまでに成長しました。

 

Web版とアプリ版を提供。総出品数は約200万点

 

これまでも積極的に行っていたアプリ内マーケティング施策

小田切:先ほど申し上げたとおり『モバオク』では出品や入札の際に手数料は一切かからず、それが競合サービスとの差別化につながっています。オークションアプリではありますが、マネタイズのポイントは手数料ではなく有料会員から得られる月額料金です。そのため有料会員の登録率や有料会員になってからの出品率、入札率が特に重要なKPIになっており、このあたりのKPI上昇を目指してReproを利用してきました。

 

例えばその日のおすすめ商品を毎日プッシュ通知で紹介するなど、Repro導入後は従来マーケティング施策の中心だったメルマガに替わってプッシュ通知を活用し、一定の成果は挙げていました。

 

しかしながら、スピード感をもって施策を行うには社内だけでは限界がありました。 人的リソースも足りていませんでしたしアプリ内マーケティングについてのノウハウもなかったので、プッシュ通知やアプリ内メッセージをいつ・どこで・誰に打つべきかというところについて細かくプランニングしたり効果検証を行えていなかったんです。

 

稲本:プッシュ通知の運用面に関しては私が実務を担っていたのですが、定期的に行っていたキャンペーンの開封率などを計測するくらいで、アプリのゴールを見据えた運用はできていませんでした。

 

高速でPDCAを回すためアウトソーシングに踏み切る

小田切:さらにアプリを成長させたいというのをReproに相談したところ、アプリ内マーケティングの運用代行サービスをご提案いただきました。
簡単に言うとプッシュ通知やアプリ内メッセージといったマーケティング施策の運用を代行してくれるサービスなのですが、我々が目標としているKPIの上昇にコミットして、施策のプランニング、実行、効果検証、改善提案までのPDCAを一気通貫でやってくれるという点に惹かれました。

 

Reproのアプリ内マーケティング運用支援サービスの概要。
施策の策定から実行、効果検証、改善までを実施するサービスを提供している

 

稲本: 導入にあたって「今もプッシュ通知をそれなりの頻度で打っているのにこれ以上増やすとアンインストールが増えるのでは?」という懸念もあったのですが、Reproの担当者との打ち合わせでかなり細かくセグメントを絞って打ち分けるので一人あたりの受信回数がそこまで増えないことがわかりました。

 

アプリ内マーケティングを駆使したアプリ成長のノウハウは世の中にもほとんど出回っていないので、これまでのお付き合いで信頼できるReproさんに任せてみようと導入を決めました。

 

アプリ改善のプロが成果にコミット

小田切:運用代行のキックオフでReproの担当者とまず行ったのは、BPOを通じて達成したいゴールに関しての認識合わせです。

 

弊社アプリのビジネスモデルに基づいたKPIツリー図や予定している施策の一覧をいただき、「誰に」「何を」「いつ」「どういう狙いで」アプリ内マーケティング施策を行うか話し合いました。

 

モバオクのkpiツリー。運用代行のキックオフでクライアントのアプリごとのkpiツリーを作成し、

達成したいゴールとそれに対する施策を検討する(※図は実際のものとは異なる)

 

小田切:ディスカッションの結果、まずはダウンロードしてくれた新規ユーザーの定着率向上を行い、ある程度定着率が上がってきたら出品や入札といったKGIである取引件数増加につながるアクションの実行を促すというステップでやってみようという話になりました。

 

Reproはオークションアプリの導入実績が豊富なこともあり、キックオフMTGの時点でサービスのかなり深いところまで理解した質の高い提案をしてくれました。

 

稲本:こういった運用代行のサービスだと「いかに楽をして運用するか」を考えている会社もありますが、Reproのご担当者はクライアントである我々目線でモバオクのことを考えて下さっていて、負担を厭わずにコミットしてくれるので安心して任せられました。

 

精緻なセグメンテーションとメリット訴求で新規ユーザーのアクティブ化に成功

小田切:最初に改善に取り組んだのは新規ユーザーの定着です。

 

『モバオク』はWeb版とアプリ版があるのですが、プロモーション予算の大部分をアプリに割いていることもあり、新規でインストールしてくれたユーザーは確実に継続利用してもらいたいと考えていました。

 

アプリのことをまだよく知らないユーザーに対してどういったコミュニケーションを取るべきかをReproの担当者と詰め、初回起動の翌日、翌々日、3日後、5日後、そして7日後に「出品数200万品以上!」「手数料無料」など『モバオク』のウリを様々な角度からプッシュ通知で訴求しました。結果じわじわと継続率は上がり、新規ユーザーの7日後継続率は施策実施前から3%ほど改善しました。

 

稲本:「このプッシュ文言で開封しなかったユーザーに対しては別のメリットを訴求しましょう」と、新規ユーザーにモバオクの魅力を知ってもらうための切り口を沢山ご提案いただいたのが良かったですね。新規ユーザーにはどういった文言が刺さるのか検証することができました。

 

新規ユーザーへのメリットを様々な切り口から提案

 

マネタイズ面でのKPIも120%アップ。プロモーション予算も拡充へ

小田切:『モバオク』のマネタイズポイントである有料会員の登録率も、アウトソーシング後は伸びています。

 

施策の大きな方向性としては、すでに無料会員として『モバオク』を使ってくれているユーザーを有料会員しか利用できない「入札」「出品」といったアクションに導くために、入札や出品につなげやすい機能を使ってもらうように促すというものでした。

 

例えば気になる商品の入札状況を追う「ウォッチ」という機能があるのですが、まだ一度もこの機能を使ったことのないユーザーに対して機能メリットを訴求するアプリ内メッセージを送りました。この施策に関しては画像のクリエイティブもRepro側にディレクションしてもらい、「ウォッチ」機能利用者は2倍に増えました。

 

クリエイティブの作成も請け負う

 

小田切:他にも「アプリを定期的に利用しているが入札は未経験のユーザーに入札の手順を訴求」「出品の情報入力画面で離脱しているユーザーに出品のリマインド」などユーザーの利用状況に合わせてプッシュ通知とアプリ内メッセージを使い分け、有料会員登録率は2%、入札率と出品率に関しては20%ほど上がりました。

 

稲本:出品や入札が増えたことによって有料会員に転換したユーザーがアプリを使い続けてくれているという実感もあります。

 

商品の流通の多さが競合との差別化になるので、活発に取引をするユーザーを増やすことが新規ユーザーへのPRにもなります。アウトソーシングによってユーザー獲得からマネタイズまで良い循環ができていますね。

 

アプリへの積極投資を追い風に、今後もマネタイズ面に注力

稲本:これまで手探り状態だったアプリ内マーケティング施策ですが、今は『モバオク』の成長のために各フェーズのユーザーに対してどういった施策を行うべきかというのが具体的にイメージできるようになりました。Reproの習熟度も上がったので、これからもどんどん施策を実行していきたいですね。

 

小田切:アプリ内マーケティングによって有料会員が増え始めてから社内で「アプリにもっと投資しよう」という流れになり、プロモーション予算はアウトソーシング後1.3倍に増えました。

 

今後は引き続き有料会員登録率や入札、出品まわりの施策を行いつつ、『モバオク』の取り組みで得たノウハウを親会社の他のアプリにも共有していきたいと考えています。