Venmo』のおかげで様々な金銭のやりとりが便利になりました。しかし、個人間送金サービスの提供だけが成功の秘訣なのでしょうか?Forbesが「ファイナンスアプリの最高峰」と評価した理由を確かめてみましょう。

Image Source: https://venmo.com/

画期的なアイデア

このアプリは、大学時代に知り合った2人が卒業から数年後に作ったものです。 Andrew KortinaIqram Magdon-Ismailは、ほとんどの行動がモバイルへ移行していることに気づき、デバイスを使って友人に簡単に送金できる手段を作ったのです。

2009年に登場したこのアプリには、送金情報を共有できることでユーザーを楽しませるSNSの機能が搭載されています。それから3年後の2012年には『Venmo』を「Braintree」が2620万ドルで買収し、2014年には「PayPal」が8億ドルで「Braintree」を買収しています。

しかし、『Venmo』が「PayPal」の傘下に入っているという事実は、アプリが家賃やタクシー料金、友人同士での割り勘の金額を送金するアプリだったためあまり知られてていませんでした。『Venmo』がSNSの機能以外にどんな施策をしたのかより詳しく分析してみましょう。

Image Source: http://www.investopedia.com/articles/personal-finance/010715/venmo-its-business-model-and-competition.asp

『Venmo』は何をしたのか?

どのように個人間送金サービスが完成したのか、見ていきましょう。

ソーシャルメディア

ソーシャル機能を搭載することで、『Venmo』ユーザーは支払いが発生した件について友人に確かめることができます。また、ユーザーは友人の支払いを見ることができ、これが最もユーザーの関心を引きました。送金をした時にも、ユーザーはアプリを起動して友人の行動を見るのです。友人がどこで夕食を楽しんだか、どこに旅行したのか興味をそそられる内容なのです。

Image Source: https://itunes.apple.com/us/app/venmo/id351727428?mt=8

口コミ

『Venmo』は、共有できることを前提にしたアプリです。それは『Venmo』のクリエイターは、ユーザーそれぞれが生活を便利にするアプリが必要だとわかっていたからです。口コミは、この場合においてとても役に立ちます。

例えば誰かが『Venmo』で送金する場合、送る側は相手に『Venmo』のインストールをすすめます。これだけで新規ユーザーを獲得できるのです。また、アプリはできるだけ効率的で、シンプルに仕上げられています。

Image Source: https://www.slideshare.net/AllysonMassoud/venmo-final-presentation-book-70118034

絵文字

絵文字があると会話がよりおもしろくなり、ユーザーは言いたいことを正確に表現できるようになります。また、独立記念日などの祭典に合わせて絵文字を追加しました。

お金に関する絵文字が最もよく使われていると思うかもしれませんが、実はピザの絵文字が一番使われています。また、下記のように送金時のコミュニケーションで使った絵文字の中、年間で送金額合計が最も高かったのは賃貸住宅の絵文字となっています。

Image Source: http://www.investopedia.com/articles/personal-finance/010715/venmo-its-business-model-and-competition.asp

ミレニアル世代

ミレニアル世代の人々は、一日中デバイスを使用し、ソーシャルへの共有機能をを持つシンプルで速いサービスを好みますが、『Venmo』は全てを備えています。そのため、若年層で大きな成功を収めたのでしょう。

さらに『Venmo』を使えば、友人と自分の間で数ドルの買い物を割り勘する必要がなくなります。ただ友人の名前か電話番号、メールアドレスを選択するだけです。たった数タップで送金を行い、誰とどこで何をしたのかを共有できます。『Venmo』はミレニアル世代にとって重要なソーシャル機能を満たしています。

Image Source: https://www.glg.com/blog/millennials

ビジネスモデル

2014年からは「PayPal」が『Venmo』のオーナーになっていますが、アプリの収益化戦略を検討したのは昨年のことで、ユーザー体験を損なわないよう慎重に管理されました。アプリはカードで支払わない限り無料でサービスを提供していました。

しかし「PayPal」は、『Venmo』ユーザーを収益の対象とし、「Pay with Venmo」と呼ばれるサービスがチケット購入サービスのGametimeと、食品デリバリーサービスのMuncheryとともに開始されました。また、現在ではどの企業に対しても利用可能になっています。

ユーザーにとっては、それぞれのアプリ内での支払いを『Venmo』で行うことで余計なコストを回避できます。「PayPal」はアプリのソーシャル機能のため、ユーザーではなく大きな企業などにのみ料金を請求しています。この施策でユーザー体験を保ちつつ、収益も増加させたと言えるでしょう。

ポイント:トレンドを作る

個人間送金サービスは大きな現象になりました。特に若者の間ではアプリの名前が動詞として使われています。「Venmoのアプリで送金するね!」という会話が、「『Venmo』するね!」になったのです。

アプリを成長させるには多くのユーザーを集めるだけでは不十分です。ユーザーの生活に入り込み、ニーズに応えられる有用な機能を提供しなければなりません。そうすればユーザーは友人にアプリをおすすめしたり、アプリが大きなトレンドになったりするでしょう。

Image Source: https://itunes.apple.com/us/app/venmo/id351727428?mt=8

最後に

今回は『Venmo』を取り上げました。このアプリにはミレニアル世代に好まれる要素が詰まっており、彼らのデバイスに欠かせないアプリとなりました。収益化戦略もユーザー体験を維持することで、アプリの価値をさらに高めることにつながっています。

この記事は、AppSamurai社のブログ”Mobile App Success Story: How Venmo Did It“を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on AppSamurai in English under the permission from the author.


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