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本記事は、2016年8月2日に開催した「Growth Hack Talks #1」での発表内容を元にしたイベントレポートです。登壇者には「アプリの立ち上げ〜リリース初期のグロースハックあれこれ」をテーマに、立ち上げ前からリリース直後のフェーズでどういった施策を行い初期ユーザー獲得に繋げ、その後ユーザー数を伸ばしていったかについてお話していただきました。

 

登壇者:  赤間 夏樹 氏

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プロフィール

日本経済新聞社デジタル編成局で日経電子版の企画・開発に従事。2014年に技術顧問に伊藤直也氏らを迎えアプリの開発を内製化するプロジェクトのメンバーとしてiOSアプリのフルリニューアルを推進。

 

会社・アプリ紹介

日経の赤間と申します。本日はよろしくお願いします。先ほど紹介ありましたけれども、日本経済新聞社で働いています。普段はiOSアプリのエンジニアとして日経電子版というアプリを作っています。

 

今日はアプリのリニューアルから1年経ったのでやってきた施策などについて振り返りを共有したいなと思います。

 

日経電子版 グロースの道のり

日経電子版ですが、2年ほど前にアプリをリニューアルするプロジェクトが立ち上がって、それまでは外部に開発を委託していましたが内部で作り直しました。

AppStoreの「おすすめ」に入るもユーザーは増えず

リニューアルして4日目で幸運にもAppStoreの「ベスト新着App」に3週間ほど掲載されまして、その間のDL数は過去最高だったんですが、いざ蓋を開けてみるとDL数が伸びただけで新規で使ってくれるユーザーはほとんどいなかったんですね。そこでプロダクトの品質の低さが成長を阻害してしまっているということに気づいて、新規ユーザーの獲得よりもリテンションの向上に注力しようという方針になりました。

 

PDCAを高速化する体制づくりから着手

そこからはリテンションを上げるには施策のPDCAを素早く回せる仕組みが必要だと考え、体制作りから始めました。CIツールを入れて開発からリリースまでのサイクルを短くしたり、チームメンバー全員でプロトタイプを作って、リリース前に仮説検証できるようにしました。

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開発リソースの9割以上は既存機能の改善

あとはひたすら既存機能の改善に注力しました。特に集中して取り組んだ部分は3つあって、「軽快さ」、つまり記事の読み込みの高速化という部分と「読みやすさ」、あとはクラッシュしないように「安定性」を高めていきました。

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やっぱりメディアなので高速化にはこだわっています。高速化について興味の有る方は別で登壇した時の資料があるのでそちらをご覧になってください。

 

あとは読みやすさです。ちょっと細かい話になってしまうんですが、今までは数字やアルファベットも全角表示だったところを半角にしたり、タイトルを読みやすい文字数で自動で改行する改善だったり、カーニングなどもこだわりました。

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プロダクト改善は長期戦。続けられる仕組みづくりを

最後はモチベーションの話です。僕はこの日経電子版というサービスを開発から含めて2年以上やっているんですけれども、2年もやっているとどうしてもダレてしまう瞬間はあって、愚直にプロダクトを改善し続けるためにはモチベーションが必要だと思っています。

 

モチベーションとしては「イケてるサービスを世に出したい」とかエンジニアだと「技術的に面白いことをやりたい」といったものがありますが、ユーザーの課題解決と技術的に面白いことはイコールではないのでそのあたりのバランスは難しいなと思っています。ただプロダクトのグロースを通じて自分も成長できたな、と感じる瞬間はあったので、そういう瞬間があると改善のモチベーションも続くのかなと思っています。

愚直な改善が実を結び、WAUは1年で約2倍に

実際のグロースの成果なんですけれども、少しずつよくなっていて週次のアクティブユーザー数はリニューアル当初と比べて1.9倍になりました。レビューも依頼のダイアログを出して以降かなり増えるようになりました。

 

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アプリ改善の体制としても今まではエンジニアだけでやっていたんですが、今年の春からデータ分析専任でやる人が加わったので今後はもっといろいろな施策やっていこうと思います。メンバー募集中なので興味の有る方はぜひお声がけください。ありがとうございました。

まとめ

  • 初期フェーズでは新機能開発よりもリテンション施策に集中すべき
  • PDCAを素早く回せる体制作りが必要
  • プロダクト改善は長期戦なので、続けるためのチームビルディングやモチベーション作りも大切