この記事は、App Store Optimization Agency社のブログ”The new iOS 11 App Store and the impact on your conversion rate“を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on App Store Optimization Agency in English under the permission from the author.

iOS11がリリースされ、多くのアプリのコンバージョンの低下のレポートが、iTunes Connectから上がってきているのではないでしょうか。iOS11の導入後のコンバージョン、インプレッション、ダウンロード数の変化をどう解釈したらいいのかわからず、よく質問を受けるようになったので、今回は調査からわかったことをご紹介します。

シミュレーションとは?

シミュレーションとは、複雑な現象がデータ内で正しく作動しているかを実際のデータに可能な限り近づけて調査することです。

今回はユーザー、検索、インプレッション、そしてダウンロードの各項目をiOS10とiOS11の両方でシミュレーションし、App Storeがどのように作用するのかを分析してみようと思います。そしてそれらが何を意味するのか調べました。

3つのユーザー行動

最初にユーザーをモデリングしました。様々な人へのインタビュー後、主に3つのタイプのApp Storeユーザーがいることがわかりました。

  1. タイプA:このタイプのユーザーは一番上に出てきたアプリや探していたアプリのみをダウンロードします。彼らの動向はiOS10でもiOS11でもほぼ一貫しています。
  2. タイプB:このタイプのユーザーは、スクロールした後一番気に入ったアプリを選びます。このユーザータイプにおけるiOS10とiOS11の主な違いは、iOS11だとユーザーにはさらに多くの選択肢があるという点です。専門的な言い方をすると、私たちの人口におけるスクロールパラメーターはiOS11、iOS10それぞれの中心パラメーターを持つ正規分布によって管理されています。またアプリの“関連性”におけるランダムサンプリングの量に基づいてユーザーのアプリの選択肢が作られています。
  3. タイプC:このタイプのユーザーは、スクロールした後関係のあるアプリを全てインストールし、試した後気に入らないものをアンインストールしていきます。スクロールするという行為はタイプBのユーザーととても似ています。

では、それぞれのカテゴリーの割合はどのくらいなのでしょうか。簡単な調査を行なった結果、ざっくりではありますがタイプAに50%、タイプBに45%、タイプCに5%の人が振り分けられることがわかりました。

アプリを作る

ユーザーの定義が終わったので、次はアプリを複数作成してユーザーがこれらのアプリを見つけるための検索クエリをいくつか作成します。この簡略モデルではそれぞれのアプリに関連性があり、特定の検索クエリに対するアプリの関連性を決める変数としてみることができます。

アプリの関連性は、ある値において一定であると想定することができます。(経験上、70%から80%ほどの関連性でしょう – App Storeで検索すれば関連性が高いということがわかります。)もしくは統計的分布によっても80%前後の値が得られるでしょう。

アプリ関連性のシミュレーションによる分布図

ただ、正確に直接測定する方法はありません。そのため代わりに(後にこの方法は間違っているとわかりますが)検索のコンバージョンを使いました。

結果の分析

分析をするため、仮想の10,000のユーザーそれぞれに1,000回ずつ検索をし、25個のアプリを見つけさせました。そして最初に選択したパラメーター内での結果を分析します。

以下のような、検索ランキングにおけるアプリの位置付けに基づいて標準化されたインプレッション分布を得ることができました。

検索ランキングごとのインプレッション数のシミュレーション結果(iOS10/iOS11)

興味深い結果になっています。1位のアプリでは、iOS10とくらべるとiOS11での競争激化によりコンバージョン率を落としています。そしてiOS11がiOS10より多くのダウンロードを得ているポイントがあります。検索キーワードのトップ3に出てくるようなアプリの場合、iOS11が普及するにつれて少しダウンロード数が落ち込むことが予想されます。一方で、ASO対策を進めることにより多少のダウンロード数の上昇が期待できるでしょう。

検索ランキングごとのインプレッション数のシミュレーション結果(iOS10/iOS11)

検索のコンバージョンはインプレッションより多くダウンロードされた率と定義されていますが、(iTunes Connectに表示されているものと同じですが、ソースタイプ=検索でフィルタリングしています)は最も分析するのが興味深い結果となっています。あまり重要でないグラフの右側部分を除いて、様々なランキングに見られるようにコンバージョンは一定ではありません。

つまり、iTunes Connectのコンバージョン率に変化が見られたとしても、アプリの関連性が適正になったのでなく、そのアプリのキーワードランキングに変動があったということです(iOS10でもiOS11でも両方同じ)。例えば本文のメタデータを変えることで検索ランキングが変動し、コンバージョン率が変わるかもしれません。この曲線はシミュレーションのパラメーターの選択が大きく影響しますが、App Storeのユーザーが全員タイプAで無い限りは一定ではありません。

参考にしてはいけないコンバージョン率

アプリのユーザーのOSがiOS10からiOS11に変わったときに見るべき違いを見てみましょう。

検索ランキングごとのインプレッション数のシミュレーション結果(iOS10/iOS11)

iOS10とiOS11における検索によるコンバージョンの落ち込み(iTunes Connectでも見られる)は、とても顕著です。そして、これはアプリの問題ではないので急いでクリエイティブを更新する必要はありません。この変化はiOS11のApp Storeの新しい仕様によるものなのです。

結論

  1. iTunes Connectのコンバージョン報告に基づいて結論を下してはいけません。より正確なコンバージョンをチェックしたいときは、「Search Ads(編集注:日本ではまだ未対応)」のコンバージョンを確認してください。
  2. iOS11の普及に伴いiTunes Connectでコンバージョンの減少が見らますが、実際にコンバージョンが悪くなっているわけではないので更新を急ぐ必要はありません。
  3. iOS11の導入後、検索クエリのランキングに応じて、ダウンロードやインプレッション数の増減が確認できるかもしれません。

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