スタートアップはプッシュ通知の戦略をどうやって練るかでしばしば苦労します。メールは登場して何十年にもなり、かなり成熟していますが、プッシュは2〜3年しか経っておらず、その理解を進めようとしている段階です。この記事では、プッシュとメールの双方に適用できるメッセージング戦略を練る方法と、プッシュに特有の側面を活用する方法についての基本を解説します。

 

ステップ 1:プロダクトの核となるバリュー・プロポジション2)value proposition: 顧客に提供する価値の組合せ。製品やサービスのメリットを定義する

 

プッシュ通知はプロダクトの核となるバリュー・プロポジションの延長であるべきです。これは口酸っぱくして強調させてもらいます。スタートアップ企業が犯す(そして私自身もやってしまった)最大の失敗のひとつは、バリュー・プロポジションと強い結びつきがないメールや通知を送ることです。バリュー・プロポジションは人々がプロダクトとのエンゲージメントを持つ理由であり、あなたのプロダクトを差別化するものです。プッシュ通知は、そのエンゲージメントを深め、コアとなる価値を得やすくするものであるべきです。プロダクトにまだ慣れていないユーザーにとって、プッシュ通知はプロダクトの価値を理解するのに役立つものであるべきです。プロダクトに慣れたユーザーにとって、プッシュ通知はプロダクトとのエンゲージメントを深めるのに役立つものであるべきです。

 

ステップ 2:核となるバリュー・プロポジションと結びつきのあるものとして何を送るか決める

 

一般的にコンテンツは3つの大まかなカテゴリーに分けられ、それぞれ長所と短所があります。送るコンテンツのタイプは、そのプロダクトにとって意味を持つのは何かということと、リソースの制約は何かということの双方を考慮する必要があります。

 

▼マーケティング主導

これはマーケティングチームがほとんど、あるいは全てのユーザーに送りる通知の施策です。多くのEコマースと実店舗を持つアプリがこのカテゴリーに該当します。

 

長所

  • 到達範囲:全ユーザーに送付可能
  • 技術的な労力が最小限で済み、初期段階のスタートアップ企業には魅力的

 

短所

  • コンテンツはパーソナライズされず、低いエンゲージメント率につながる
  • ユーザーはこのタイプの通知に抵抗が強く、配信停止とアプリ削除率が高まることを避けるため、控えめに使わなければならないことを意味する

 

▼トランザクショナル

 

このタイプの通知は、サービスにおけるユーザーのアクションをきっかけとして発生します。そのアクションについて他のユーザーに知らせる通知です。Facebook と LinkedIn はこの好例です。

長所

  • そのユーザーとアクションに直接つながりがあるという事実があるのでコンテンツの関連性は高く、一般的にエンゲージメントは良い
  • ユーザーは何がトリガーとなってその通知が発生しているかを理解しているので許容度が高い

 

短所

  • うまく回り続けるためには、そのサイトで十分なエンゲージメントがあることと、ユーザーと十分につながっていることが必要

 

▼コンテンツ主導

 

コンテンツ主導の通知は、関係があって興味を引くコンテンツとユーザーをつなぎます。一般的に、どのコンテンツをお勧めするか決めるためある程度のパーソナライズをします。たとえば Twitter は、エンゲージメントの低いユーザーに対して興味を持ってくれそうな人気ツイートをメールやプッシュ通知で送っています。

長所

  • 高度にパーソナライズされ関連性の高いコンテンツを送ることで、良好なエンゲージメント率が得られます。
  • トレンドに沿った人気のコンテンツを送ることで、おすすめをパーソナライズするのに十分な情報が得られていないユーザーもカバーすることができます。

 

短所

  • そのサイトのエンゲージメントが低いユーザーほど、エンゲージメント率は悪化します。
  • 技術的な労力の観点からすると、レコメンドアルゴリズムの構築に費用がかかります。

 

ステップ 3:ユーザーセグメントを決める

 

送るコンテンツが何かが決まったら、誰に送りたいか決める必要があります。全ての通知がユーザー全員にとって望ましいとは限りません。通知はユーザーがライフサイクルのどこにいるかに基づいてターゲティングすべきです。非常に単純だけれど強力なセグメンテーションは、ユーザーを新規・エンゲージメントあり・エンゲージメントなしに分類することです。

 

  • 新規ユーザー:プロダクトの価値を強化し、アプリからもっと多くの価値を引き出す方法を理解させる通知を送りましょう。

 

  • エンゲージメントありのユーザー:このユーザーはすでにエンゲージメントしていてプロダクトに理解があるので、エンゲージメントをさらに深いものにするため、最も質が高く、最も役立つ通知だけを送りましょう。

 

  • エンゲージメントなしのユーザー:エンゲージメントなしのユーザーは、そのプロダクトにエンゲージメントしていないというバイアスが明らかになっているので、最も攻略しにくいのが常です。このカテゴリーのユーザーについて得られている情報は、正確とも不正確とも言えないので、パーソナライズされた通知と、より広くパーソナライズしていない通知を取り混ぜて送ることが、プロダクトを試してもらい再びエンゲージメントしてもらうために必要です。

 

ステップ 4:プッシュ通知独自の強みを考える

 

ここまででお話したこと全ては、プッシュ型の施策という点でメールにも当てはまります。しかし、プッシュ通知をメールとは異なったものにしている点がいくつかあり、これを知ればプッシュ通知に対する取り組み方が変わるかもしれません。

1. タイムリーさ

ほとんどの人々が常に電話を携帯しているので、プッシュ通知はメールよりも素早くユーザーに働きかけることができます。

 

2. 位置情報ベース

iOS と Android はどちらもジオフェンスを使った通知に対応していて、これを使えばユーザーが特定の緯度・経度の地点に近付いたときに通知を送ることができます。

3. アイコンバッジ

アイコンバッジは、アプリに何か新しいお知らせがあることをユーザーに示す方法ですが、メール送信や通常のプッシュほど押しつけがましくない方法であるにもかかわらず、多くのエンゲージメントのきっかけとなります。

 


最後のステップは、これらの属性がプロダクトのバリュープロポジションと自然に連携する方法があるか、自分自身に問うことです。たとえば、プッシュ通知にジオフェンスを使うことは位置情報を使うアプリアプリには最適ですが、場所がそのアプリの核となる機能でなければ場違いに感じることでしょう。

 

まとめ


グロースに関する他のすべてと同様に、プッシュ通知には多くの試行錯誤と、再構築、実験が必要です。しかし私が気付いたのは、プッシュ通知をアプリのバリュープロポジションの延長とし、この記事のフレームワークを通して考えることが、プッシュ通知の戦略を練る上で大いに役立ったということです。

 

この記事は、PinterestのグロースハッカーJohn Eganのブログ記事”4 Steps To Develop Your Push Notification Strategy”を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。 Repro published the Japanese translation of this original article on John Egan’s blog in English under the permission from him.

 

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注釈   [ + ]

1.value proposition: 顧客に提供する価値の組合せ。製品やサービスのメリット
2.value proposition: 顧客に提供する価値の組合せ。製品やサービスのメリット