
はじめに 9月14日に公開されて以降史上最速ペースで普及しているiOS10。iOS9から10へのアップデートにより様々な新機能が搭載されていますが、アプリ事業者にとってとりわけ見逃せないのは「リッチ通知」と呼ばれる新しいpush通知でしょう。1)https://mixpanel.com/trends/#report/ios_10/from_date:-3,report_unit:hour,to_date:0 今回はそんなリッチ通知についてできることやReproでの実装方法を簡単にご紹介いたします!
リッチ通知とは
リッチ通知とは、iOS10から搭載される新しいプッシュ通知のことです。gifアニメーション含めた画像を添付できたりロック画面からそのままメッセージを返信することができたりと、従来のプッシュ通知よりも多機能になったので「リッチ通知」と呼ばれています。 画像元:https://developer.apple.com/ios/
リッチ通知で出来るようになること
リッチ通知では従来のpush通知でできなかった表現が可能になります。新しくできるようになったことをマーケター視点でまとめてみました。
gifアニメーションや動画などのメディアファイルを添付できる
リッチ通知では通知にgifアニメーションや動画、音楽などのメディアファイルを添付できるようになりました。gifやmp3などのメディアファイルは予め外部のサーバーにアップロードしておく必要がありますが、これによってプッシュ通知のロック画面にサムネイルを表示させることができます。3Dタッチをすると画像の拡大や動画の再生ができます。 下の動画は実際にiOS10でpush通知にgif画像を添付したものです。通知画面でgifが再生されているのがわかるかと思います。通知を受け取った際のサウンドも指定できるので、アプリの種類や通知内容に合ったサウンドを付けることができます。
UIをカスタマイズできる
リッチ通知では通知画面のカスタマイズも可能です。任意のアプリの画面を表示できるだけでなく、通知に対するアクションボタンのレイアウトも変えることができます。
iOS10のロック画面通知の例。ボタンの数や文言なども自由に設定できる
リッチ通知のメリット
メリット1. プッシュ通知の開封率を高める施策に多様性が出る
プッシュ通知の開封率を高める工夫といえば「文言」と「タイミング」ですが、リッチ通知によってテキスト以外も送ることができるようになるため開封率を高める施策に幅が出ます。 例えばECアプリでセール情報に関するプッシュ通知を目玉商品の紹介動画付きで送ったり、ゲームアプリで特定のゲーム内イベントを知らせる通知のみサウンドを変更したりすることでユーザーの開封率をより高めることができるでしょう。
メリット2. ユーザーのモバイル体験を向上させることができる
通知画面でユーザーに提供できる情報量が多くなるということは、アプリを起動しなくてもユーザーに便利に使ってもらうことができるようなるということです。 例えばLyftのような配車アプリから「目的地まで連れていってくれるタクシーが近くにいます。配車予約しますか?」という通知とともに車の現在地情報が送られてきたら、ユーザーはアプリを起動せずに車の現在地を確認し、通知画面から配車リクエストを送ることができます。より多くのアプリがリッチ通知に対応するほどユーザーのモバイル体験は向上するでしょう。
タクシー配車アプリ「Lyft」の例。通知画面から配車予約できる車の現在地がわかる
(画像元: https://developer.apple.com/ios/)
リッチ通知の仕組みと実装方法
Reproでもリッチ通知を送ることができます!ここでは画像を添付するリッチ通知を例としてご紹介いたします。 リッチ通知で画像を表示するためは下記の手順が必要です。 ①App Extensions(Notification Service)を実装する ②画像をサーバー上に配置し、URLを取得しておく ③カスタムペイロードにURLを含めてプッシュ通知を送信する
①App Extensions(Notification Service)を実装する
これまではプッシュ通知を受け取った時にアプリ側で何か処理をして通知を表示するということができませんでしたが、iOS10からはNotification ServiceというApp Extensionsを実装することで実現できるようになりました。 このNotification Serviceを利用して 「プッシュ通知を受け取ったら表示したい画像ファイルをダウンロードし、ダウンロードが完了したら画像付きで通知を表示する」 というのがリッチ通知の仕組みです。
②画像をサーバー上に配置し、URLを取得しておく Notification Serviceでダウンロードする画像を指定するのにURLを用います。URLが必要なので画像はどこかサーバー上に配置しておく必要があります。
③カスタムペイロードに②で取得したURLを含めてプッシュ通知を送信する ②で取得したURLをカスタムペイロードに含めてプッシュ通知を送信すればリッチ通知を受け取ることができます。
Reproでの利用例
Reproではアナリティクス機能と組み合わせたターゲティングプッシュ通知が可能なので、例えば「チュートリアルの途中で離脱してしまったユーザーだけにアプリの使い方を解説した動画付きのプッシュ通知を送る」といった施策や「1ヵ月以上アプリを利用していないユーザーに特別なサウンドで期間限定のクーポン付きのプッシュ通知を送る」といった施策が可能です。
おわりに
いかがだったでしょうか。リッチ通知を活用することによってアプリのリテンションや再エンゲージメントにつなげましょう。
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注釈
1. | ↑ | https://mixpanel.com/trends/#report/ios_10/from_date:-3,report_unit:hour,to_date:0 |