本記事は、2019年2月26日に開催された『【for Web & App】AI driven Marketing Seminar』での登壇内容をもとにしたイベントレポートです。 AIを活用した最新のマーケティング手法に関する知見を持つ注目企業の方々をスピーカーとしてお招きしました。本記事では、AI競馬予測アプリ『SIVA』で行ったマーケティング施策について株式会社GAUSSの野下様にお話し頂いた内容をご紹介します。どのようにユーザー数の伸び悩みを打破し、ユーザー数が8万人に達する人気アプリに成長させたのでしょうか?

登壇者

株式会社GAUSS営業部 兼 SIVA PRESS編集長 野下 龍 (のしたりょう) 氏

自己紹介から始めます。僕は前職介護業界にいまして、AIやシステムにまったく興味がなかった人間でした。ただ、競馬がすごい好きで『SIVA』のアプリを使い続けてました。ある日開発した人に会いたいという気持ちになりました。その気持ちからダイレクトメールを送ったところ、当時開発をしていた代表の宇都宮と連絡を取ることができ、そのまま株式会社GAUSSに入社しました。マーケティングの知識は全く無く、本当に一からのスタートでした。

株式会社GAUSSは、AI競馬予測アプリの『SIVA』をリリースしています。今日はそこで行ったマーケティング施策についてお話しします。弊社はシステムの開発をしており、その一部として『SIVA』というアプリをリリースしている形になっています。今ではAIってかなり流行っていますけど、流行ったきっかけとして、2016年にAIのアルファ碁が囲碁のプロ棋士に勝ったということがありました。近年ではAIのサービスがどんどん増えています。その中で、僕たちはAIで競馬の予測を始めました。

『SIVA』はwebとAndroidとiOSでサービスをリリースしていまして、広告も一切入れておらず、会員費も一切とっていません。今だいたいユーザー数が8万人、PVが140万となっています。アプリをご紹介しますと、『SIVA』では大きく2つのことをやっています。 一つ目は競馬レース予想で、二つ目は競馬関連のニュースを掲載するページを運営しています。ただ、『SIVA』のアプリを使っているほとんどのユーザーさんは、レースの予測だけを見ています。

このアプリを開発した宇都宮がもともと全く競馬をやらいない人間だったこともあり、初心者が始めにくい競馬を簡単にできるようにしようというのが僕たち『SIVA』のコンセプトになっています。

『SIVA』を始めたきっかけ

次はなぜAIで競馬の予測を始めたかをご説明します。きっかけは三つあります。

一つ目は競馬の予想をする時、皆新聞紙しか見てないことに着目しました。競馬場に行くと、おじさんが新聞紙を丸め、赤ペンを持って予想しています。競馬場に行かれている方はご存知だと思いますが、スマートフォンとかを見てる方々ってそこまで多くないんです。40代の方々でも結構新聞を見ています。昔から変化してないのって、ビジネスチャンスではないかと思いAI化を図り、競馬業界に殴り込んでやろうということが魂胆でアプリ運営を始めました。

始めたきっかけの二つ目としましては、宇都宮が前職で勤めていた会社の試験問題が年に2回あったみたいで、その試験に落ちてしまった後輩の方を見かねて、次は受からせてやるからなというような気持ちで、AIを使って試験問題の予測を始めました。 ただ試験問題は、年に2回しかないので当たったかどうかの検証がとりにくく、予測してもあまり面白くなかったようです。一方、競馬は毎週土日にレースが行われています。そのため、アルゴリズムの検証がとりやすいのです。

三つ目に、ただ単に面白そうだったかからというのが始めたきっかけです。

『SIVA』でのマーケティング施策

アプリをリリースしてから、初めのほうは順調だったんですね。家で賭けるっていうのがキャッチーだったのと、アルファ碁のブームに乗っかっていました。2017年2月にサービスリリース致しまして、今現在8万人のユーザーがおります。リリースした後に、ラジオやテレビで紹介されたので、ユーザーは2万人くらいまで急激に伸びました。しかし去年の4月から全くユーザー数が伸びなくなりました

伸び悩んだ課題は明確に二つで、具体的な計画とマーケティング施策を行ってこなかったことと、「AI×競馬」という当時のバズワードに甘えていたことでした。小さなアプリを運用している会社さんでもマーケティングがしっかりしていれば、ユーザーさんはしっかりついています。僕たちはマーケティングを怠っていました。考えた結果、僕たちはtoC向けにサービス配信しておりますので、テレビやSNS、ブログなどの媒体を使った施策や、SEO対策をしっかり行いたいという結論に至りました。その中でも、SEO対策とSNSの運用・ブログに力を入れました。テレビはコストが数百万円かかるので、手を出せませんでした。

マーケティング施策を行うため、ユーザーさんの調査を行いました。社内のエンジニアがユーザーさんのクラスタリング・カテゴリー分けを行いました。やってみると、ユーザーさんは大きく三パターンに分類できることが分かりました。

一番頂点にいるのがアッパー層という存在です。これはレース日にはアプリを6回以上立ち上げたりするユーザー層です。

二番目が中間層で、大きなレースの馬券を買われている方であったり、レースの日に1回以上アプリを開いている方です。

一番下は初心者層で、そもそも競馬に興味なかったり、AIで競馬予測は面白そう程度に思っている初心者の方です。

調査した結果として、『SIVA』のユーザー層はほぼアッパー層となっていました。ただ、アッパー層の方々はほぼボリュームが決まっているので、初心者層の取り込み施策を行いました。初心者の方々って、そもそも競馬を知らないんじゃないかと思ってまして、僕はもう4、5年くらい競馬をやっているんですけど、人に聞きにくかったり、調べ損なった知識もあります。そこで、ブログで書いていた記事を、初心者向けの方にシフトしました。

SNSに関しては、特にレースの結果を発信することが大事だと思ったので、Twitterで速報の表示を始めました。僕がテレビで競馬の結果を見て、それをTwitterに手打ちで書き込み、呟くことを2か月毎日やりました。毎日続けていくと、小さいレースだけの日であっても1日あたり20人程フォロワーが増えました。手作業で呟くのは大変だったので、社内のエンジニアの方に頼んで自動化をしました。最初は地道な作業でしたが、手作業で検証してその後に自動化するのは良いことだと思います。

SEOに関しては全く知識がなかったので、マーケティング専門知識をお持ちの企業に依頼してオーガニック対策を行いました。まず始めに、競合の流入キーワードを検索しました。キーワードをリスト化し、続いて選定しました。流入の上位1000個のキーワードから、『SIVA』に適したキーワードをピックアップして、ブログ化しました。明らかに『SIVA』に関係ないキーワードは除外して、初心者向けの「競馬×オッズ」などのキーワードを主にブログ化しました。また、今までは僕がネット記事の要約やリライトを手作業でしていたのですが、それらも技術的にはAIでできるので、その自動化も社内で提案しています。その他にも、大きなレースの記事を作成したり、プレゼント企画をやりました。

マーケティングの結果、ユーザー数が伸び悩んだ4月では2万人ほどのユーザー数でしたが、今では8万人ほどのユーザー数になっています。また12月には「競馬」からの検索キーワードに、『SIVA』が関連キーワード入りしました。やっぱりマーケティングは重要だと肌身に感じています。

余談ですが、web以外でも今マーケティング施策を行っていまして、スポーツニッポン新聞社さんと日刊スポーツ新聞社さんの紙面で僕たちのAIの予測結果が掲載されています。G1になるとレース結果予測を毎回公開していますので、是非気になる方は紙面をご確認ください。

最後に

僕たちは「競馬を簡単にしていこう」というコンセプトを変わらず持ち続け、日々施策を行っています。 僕たちは開発会社なので、マーケティングツールを開発することも可能です。もしご興味ございましたらお声がけいただければと思います。

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