iOSもバージョン11となり、そろそろApp Storeのプレビュー動画用に、何か新しいアイディアが欲しいと考えている人も多いのではないでしょうか?今回はプレビュー動画の製作例をご紹介します!

ネットラジオアプリ「iHeart Radio」のApp Storeプレビュー動画

Appleでは映画のようなプレビュー動画を流すことができ、iHeart Radioのプレビュー動画はその好例と言えます。iHeartはデザインとアニメーションに大きな比重を置いて素晴らしいプレビュー動画をのせて、ユーザーに伝えたいキーメッセージに焦点を当ててもらえるよう取り組んでいます。アニメーションに端末を使用しており、背景色と同時に端末の色が変化する演出を取り入れることで、単調なスクリーンショットのみの演出にならないようになっています。

動画はメインのメッセージと、インストールを促す「無料です!」の一言で締めくくられており、高いコンバージョン率に貢献しているものと思われます。

フィットネスアプリ「Peloton」のApp Storeプレビュー動画

Pelotonの動画は、開始直後からインストラクターによるライブ講座を表示しています。カロリー消費の高いワークアウトをアピールしていることから、アプリで何を実現できるのかを伝えるうえで最適な選択と言えるでしょう。早いペースでシーンが切り替わり、合間には洗練されたアニメーションでブランディングを行っています。UIはタップの場所表示とズームを使うことで、ユーザーが動画内で起こっていることを把握し、集中できるようにしています。後半では動画とテキストを組み合わせることで、短い時間を有効に使ってメッセージを伝えています。

動画の終わりには、ロゴがなめらかなアニメーションで登場します。このアニメーションはメッセージとつながっており、ブランドの雰囲気をより感じられます。そして最後はCTAで締めくくられています。

ヘルスケアアプリ「Lose it!」のApp Storeプレビュー動画

Lose it!は、アプリのインストール後にまず最初にすべきことを、ユーザーが読めるようにゆっくり表示するところからスタートしています(ポスターフレームだけの表示では、ユーザーがメッセージ全体を読むことができないかもしれません)。この動画の切り替えやテキストのアニメーションはユーザーの関心をうまくひきつけ、時間を最小限にとどめることで動画時間を有効に活用しています。ストーリーボードもよく練り込まれています。

  1. 目標の設定
  2. 食べ物を
    1. 検索して
    2. スキャンして
    3. 撮影して追跡
  3. リマインダーの受け取り(多くのユーザーに価値のある機能なのでしょう)
  4. 進捗の追跡(に加え、風船のシーンでは中性的・機械的なものにならないよう、ポジティブに目標の達成を示しています。)

ゲームアプリ「Yahtzee With Buddies」のApp Storeプレビュー動画

Yahtzee with Buddiesの動画は、Apple的というよりはiHeartに近いスタイルのカットシーンに注目です。ゲームの紹介動画はそのほかのアプリよりも楽しく、心惹かれるものでなくてはなりません。この動画では、ゲームの仕組みを再現してサイコロを振り、紙吹雪とテキストのアニメーションを散らすことで楽しさを表現しています。また動画下部ではブランディング用のバナーを常に表示することで、服についているタグのように常にブランドとのつながりを感じられるようになっています。また見せるシーンを少なく抑えることで、登場シーンの印象を強くし、ユーザーの心に残るように仕上げられています。

画像編集アプリ「Instasize」の App Storeプレビュー動画

Instasizeは大きなフォントとブランド色である明るい色を背景に活用しています。テキストにはユーザーの注意を引きつけるアニメーションが施されています。写真編集は細かい部分が複雑なため、早送りはとても効果的です。またアプリのUXが、編集を素早く簡単にできることを重視しており、画像編集の詳細はそれほど重要ではないと判断したのでしょう。

カーナビアプリ「Waze」の App Storeプレビュー動画

Wazeの動画は、あまりいい出だしとは言えません。背景色とフォントの色の組み合わせが悪いので読みにくく、フォントサイズも小さすぎます(下の動画はあえて検索結果一覧から撮影したものですが、この動画がどれだけ見にくいかがわかります)。しかしストーリーボードは洗練されており、シーン内容をカットシーンとテキストで事前に解説し、ユーザーをカギとなる機能へ誘導しています。各シーンの切り替えを早く行うことで、ユーザーの注意を引きつけることにも成功しています。

Pelotonと同様、Wazeも動画の最後に印象的なロゴをアニメーションで提示しています。

ゲームアプリ「FIFA Soccer」の App Storeプレビュー動画

FIFA Soccerはまず、誰でも知っているクリスティアーノ・ロナルドという一大ブランドの静止画を表示することで、ユーザーを引きつけています。ブランディングのシーンが終わるまでの数秒間、ユーザーの関心を離さないようアニメーションも施されています。この手法は、すぐに動きがないと見るのをやめてしまうユーザーに有効な方法です。さらに正しいブランドイメージを伝えることにも成功しています。

すぐにゴールシーンに移行するのも優れた表現で、動画全体でこのような盛り上がるシーンがいくつもつなげられています。これは、ストーリーボードが優れているからこそ可能なことです。Pelotonと同じように、FIFA Soccerでもテキストを組み合わせることでメッセージの伝達をコントロールしながらもカットシーンを減らすことができています。

またこの動画では、何度か画面を揺らす効果が見られますが、ターゲットユーザーの興奮をかき立て、この次に紹介するThe Walking Dead No Man’s Landのように、自分の思い通りにしたいという欲求を発生させているようです。

しかし、最後のブランディングシーンにおけるCTAが読みづらく、わかりにくいことが難点です。

ゲームアプリ「The Walking Dead No Man’s Land」の App Storeプレビュー動画

こちらもiHeartと同様、映画のような高品質な演出を行い、ウォーキング・デッドという現実世界のブランド、登場人物、そして同時期にリリースされたドラマのシーズン8とのつながりを作ることを重視しています。実際のイベントにも参加できるというアプローチで、アプリのユーザーをApp Store外のイベントに誘導できるようになっています(ホリデーシーズンよりも、大きい効果が期待できます)。こういったアプローチを通して、さらにプレビュー動画のコンバージョン率をあげています。

ストーリーボードにも力が入っており、1秒未満のアクションシーンをつなぎ合わせてユーザーの、この世界をコントロールしたい、次に何が起こるのかが見たいという欲求をコントロールしています。ゲーム内で好みのキャラクターを操作し、遊べば遊ぶほど多彩なカスタマイズができるというメッセージで、ブランドが持つ力を最大限に活用しています(アプリ内購入の販売促進にもなるでしょう)。動画はブランドの入ったシーンで終わりますが、強力なCTAを欠いているのが残念なところです。

ゲームアプリ「World of Tanks Blitz」の App Storeプレビュー動画

World of Tanksの導入も優れています。多くの動画は、ブランドロゴ画面を長く表示しすぎたり、ユーザーの興味を引きつけるまでの時間が長すぎたりします。どちらもアプリの内容を知る前にユーザーが離れてしまいます。

World of Tanks Blitzはメッセージの伝達に一切テキストを使わず、すぐゲームプレイ画面を映してブランドをアピールしています。ロゴが出てくるのは動画の最後のみです。テキストはメッセージを伝える最適な手段ではありますが、動画を「見て」いるユーザーに文字を「読ませ」るため、気が散ってしまうのです。文字のない視覚情報のみでメッセージを伝達できれば、より良い動画に仕上げられるでしょう。

動画視聴アプリ「Movies Anywhere」の App Storeプレビュー動画

このアプリは、Appleに却下されてもおかしくないほどiHeart Radio以上にアニメーションを活用しています。このような形式の動画は、アプリのプレビューと言うよりはマーケティング用のCMであり、映画アプリがこのような動画を作るのは自然と言えます。

アニメーションの使い方自体は控えめで、オープニングでテキストをアニメーションさせるにとどまっています。これにより高い品質を実現していますが、後半ではより短時間で済むアニメーションに切り替えています。シーン切り替えのアニメーションは高品質かつ統一感があり、映画を表示するだけでなく、背景に映画で使われる画像を表示することでもブランド価値を高めています(The Walking Dead No Man’s Landでも同様のことが言えました)。

特に優れているのは、シーン切り替えが映画の動作と合わせられており、槍を投げたり、剣を振るったりという動作とつながりを感じさせることです。

こちらもiHeartと同じように、コンバージョン率を高めるであろう「無料です、定期購読は必要ありません」というメッセージをアピールしています。

最後にプレビュー動画を作る際の情報を4つご紹介しましょう。

  1. 縦向きのスクリーンショットと横向きの動画をどちらも使うことができ、アプリの詳細画面で表示されます。
  2. 新しいビルドを提出せずに、プレビュー動画を削除できます(ただし追加・編集はできません)。
  3. Appleはスクリーンショットよりも先にプレビュー動画を読み込む仕様にしています(アプリの順番は関係ありません、動画が一部でも画面に入っていれば読み込まれます)。
  4. 節電モードでは、動画は自動再生されません。この場合、ポスターフレームがより重要になります。
  5. この記事は、INCIPIA社のブログ”10 Examples of App Store Preview Videos “を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on App Store Optimization Agency in English under the permission from the author.