本記事は、2018年9月25日に開催した 「Onboarding Hack! ~アプリUX設計の最適解を考えよう~」での発表内容を元にしたイベントレポートです。現在、 App StoreやGoogle Playには数百万ものアプリが溢れていますが、その中でユーザーの目に留まり、さらにインストールしてもらうのは非常に困難な状況です。そもそも、初めてアプリに訪れたユーザーの多くはそのサービスにどんな価値があるのか、何が得られるのかを理解していません。したがって新規ユーザー定着のためには「最高の体験」を提供して、それを通じてサービスの価値を理解してもらうことが重要になります。

今回は、挑戦する20代の転職サイト『キャリトレ』を運営する株式会社ビズリーチの伊藤様に、オンボーディングにおける課題についてお話していただきました。

登壇者紹介

株式会社ビズリーチ キャリトレ事業部 プロダクトマネージャー  伊藤 くみ 氏

新卒でIT系の企業に入社し、新規サービス立ち上げのプロデューサーを経験。2017年10月、株式会社ビズリーチに入社。挑戦する20代の転職サイト『キャリトレ』のプロダクトマネージャーとして、プロダクトが抱える課題の解決とグロースに従事。

事業紹介

『キャリトレ』は、挑戦する20代のための転職サイトです。求職者と企業の2者が登録からアクションをすることで、書類合格→面接→内定という流れを生むことができるサービスで、双方がダイレクトにアプローチすることができるのが特徴です。求職者は、求人を見て興味があるというボタンを押すことでそれが企業に伝わるようになっており、企業から求職者に対して直接スカウトを送ることもできます。

オンボーディングにおける課題発見

『キャリトレ』では、オンボーディング改善を行う際に、課題の特定を重要視しています。では実際に解決策立案をするための課題特定をどのように行なっているのかを本日はお話しします。

仮説立案における課題発見のコツ その1: 改善インパクトの大きなところから着目

仮説立案をするにあたって大事にしているのは、一つ目に、大きな改善余地があるところに注目するということです。

具体的には、改善するとインパクトが大きそうなポイントや、自分たちでコントロールできそうな部分、また、サービスコンテンツに合致していて本質的な部分などは改善していくようにしています。

『キャリトレ』では、最終的な採用決定の数を増やすことを目的としています。これを達成するため、まずはログイン率の改善に取り組んでいます。

この理由は、一つ目は約半数のユーザーがログイン前に離脱しているということ、二つ目は、書類合格から採用決定までを増やそうと思っても、この部分は『キャリトレ』を導入していただいている企業自身による努力が大きいので、私たちがコントロールしにくいためです。

仮説立案における課題発見のコツ2: ユーザーの声を大切に

二つ目は、ユーザーの声を収集することです。ユーザーインタビューも行なっていますが、工数がかかるため、代案として入社者のヒアリングやお問い合わせ、また、お祝い金申請のコメントなどを参考にしながらフィードバックを集めています。

仮説立案における課題発見のコツ3: ロジックツリーの活用

三つ目は、これまでで集めた情報をロジックツリーを使って分析することです。これによって原因を深掘りするだけでなく、MECEに分解されます。例えば、まず、プロダクト内部と外部の問題に分けて分解してみます。そして、プロダクト内の問題においては、離脱箇所を特定し、離脱した人の離脱理由を特定します。

仮説検証サイクルにおける課題発見のコツ

仮説を立てたら、次にその仮説が信用できるものであるかを検証します。仮説検証というと難しく聞こえますが、実際は非常にシンプルで、「仮説を証明するにはどの数値を見たらいいかを考える」という作業を行います。

例えば、「求職者は登録初日に良い求人と出会えると、サービスに利用価値を感じて継続利用する」という仮説に対しては、アプリの登録初日に求人に対して「興味がある」を押したユーザーと押していないユーザーのその後のログイン率を比較することで検証できます。

そして、このログイン率に差があった場合、仮説が証明できるということになるのです。

また、開発をエンジニアに一任することで、プロダクトマネージャーが課題特定における情報収集や問題の整理にしっかりと時間を確保できるようにしています。

まとめ

オンボーディングを最適化するためには、オンボーディングを阻害している課題を認識することが非常に大切です。ご清聴ありがとうございました。