DropboxのUXライターが語る データを元にした文言の最適化  

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Dropboxはデータをどのような形でライティングに活かしているか

ライティングは芸術のひとつの形です。私達は言葉によって笑顔にも、泣き顔にもなり、またはすごいことをしようと勇気づけられもします。   しかし、私はライティングは科学でもあると思います。データを元に文言を考えることも出来ますし、私達が書いた物をより客観的にとらえることもできます。  

何が正しくて何が正しくないか

DropboxのUXライターである我々の目標は、書いた文言の一字一句の意味が通るものを作ることです。たった一つの誤字がユーザー体験を台無しにしてしまいます。ボタンのラベルのわかりにくさやあまり使われない用語はユーザーをいらつかせる原因になります。   適切な言葉を選んでいるのだと確信するために、私達はデータに基づいた文言の選択をするのに役立ついくつかのテクニックを使っています。  

1.Google Trends

いくつかの文言のうちどれにするかを決める時に、どれがいいのかわからず迷っているとしましょう。例えば以下の文言のうち、あなたのプロダクトにはどれを使うべきでしょうか?  

  • Log in
  • Log on
  • Sign in
  • Sign on
  •  

    それを決めるのに使えるものの1つはGoogle Trendsです。これらの用語をカンマで分けて入力するだけで、Google Trendsはこれらの用語がどれだけGoogle上で検索されているのかを比較します。さらに、「facebook log in」「can’t sign in」といったフレーズも自動的に含めてくれます。   上の4つをGoogle Trendsにかけるとどうなるでしょうか?   image03

    Google Trendsを使った用語の比較

     

    どうでしょう!ここでは明らかに「sign in」が一番でした。これは、この動作を表す時に「sign in」を使う人が多いことを表しています。もしユーザーの期待に合った文言を採用したいのであれば、「sign in」が他の選択肢と比べて無難でしょう。   Dropboxでは、「version history」機能を表すのに異なる文言を使用しているのに気がつきました。   image06   これらの統一性のなさを改善したいと思っていましたが、どの用語を使うべきか決めかねていました。「version history」か、「file history」、それとも「revision history」にするべきか?考慮しなければいけないことはたくさんありましたが、文言を選ぶ際の根拠の一つとしてGoogle Trendsを使いました。   image02   Google Trendsには人々が「version history」をよりたくさん検索していることが示されていました。そして、これこそ現在我々が「version history」という文言を使っている大きな理由の1つです。    

    2.Google Ngram Viewer

    Ngram ViewerはGoogleによってスキャンされた本の単語を検索するということを除けば、Google Trendsに似ています。あなたが使用する言語の中でどの文言が頻繁に使われているのかを確認するためにこのデータを使うことが出来ます。   Dropboxは最近iOS版のアプリのためのサイン機能をローンチしました。文言を再考する以前、サインを書く画面には「Sign Your Signature」と書いてありました。   image05   「Sign Your Signature」という言い回しは少し違和感があることは承知していました。しかし、「違和感がある」というのは文言を変えるのに十分な理由ではありません。それではどうやってチームを説得することができたのでしょうか?   そこでNgram Viewerを使って「sign your signature」と「sign your name」を比較した所、「sign your signature」は実際には全然使われていなかったことがわかりました。チームにこのデータを共有した時、すぐに文言を「Sign your name」へと変更してくれました。   image04    

    3. 可読性のテスト

    長年にわたって言語のエキスパートは文言がどれぐらい読みやすいかを測るテストをいくつも開発してきました。   そのようなテストの多くは、あなたの文言がどのぐらいの言語レベルかを教えてくれます。例えばレベル8というのはアメリカの典型的な中学校2年生が理解できる程度の言語レベルということになります。   私が書いたMedium上の記事の一つ(データを使って文言を決める方法)でこのようなテストのひとつを試してみました。その結果、以下のようになりました。   image07

    Readability-Score.comを試した結果

       

    ここから以下の興味深いデータを見つけることができます。  

  • 文章は小学校6年生のレベル
  • 語調は平坦だが、少し前向き
  • 一文あたり平均10.7語(Dropboxでは一文を15語以下にするように心がけています。)
  •  

    もし、こういったテストを試してみたいなら、下記のリンクでテストすることができます。テストのいくつかは可読性を向上させるための提案までしてくれます。  

  • Readability-Score.com
  • Hemingway Editor
  • The Writer’s Readability Checker
  •  

    4. 研究調査

    例えば「新しい機能の名前を決めようとしている」、または「どのバリュープロポジションに注力するか迷っている」、そんな時には研究調査を実施するのがいいかもしれません。   多くの調査ツールでターゲットとなる顧客を選ぶことができるので、潜在的なユーザーから簡単にフィードバックを得ることができます。   以下のリンクで調査を実施できます。  

  • UserTesting
  • SurveyMonkey
  • Google Consumer Surveys
  •  

    以前、Dropboxでは我々のサービスを使う最大の利点は何であるのかを見つけるためにある調査を実施しました。ほとんどの人がどのデバイスからもファイルに「アクセス」できるということを口に出していました。そのため、アクセスということに注目してランディングページの文言の多くを変更することにしました。   image00  

    5. ユーザーインタビュー

    ユーザーインタビューはあなたの文言に関する貴重なフィードバックを得る素晴らしい方法です。よくあるユーザーインタビューでは何人かを招待して、文言を読んでもらうか、プロダクトを試してもらいます。そして、それについての質問するのです。これはあなたの文言の意味が取りやすいかどうかを確かめるのにとても役立ちます。   我々の調査員の一人も新しいフローを導入した箇所に関して調査を行いました。その中に以下の文言がありました。   Select “Remove local copy” to save space   参加者にこの機能を使いたくなったかどうか尋ねたところ、多くの人はこの機能を理解するのに苦労し、これが便利なものだとは思っていませんでした。そこで、ユーザーにとっての利点を最初に持ってきて、文章の順番を変更しました。   Save space by selecting “Remove local copy.”   この文言を使ったところ、以前より多くの参加者がこの機能を使うだろうと言ってくれました。ここでやったことは言葉の順番を入れ替えただけなのです。   この結果が示しているのは、ライターの思いついた文言をテストし、他のUXデザインにおける意思決定と同じように文言をテストすることが重要であるということです。  

    心から文章を紡ぎだし、頭を使って修正する

    データは特定の文言の中から選択するときには有効です。しかし、それはあなたが機械のように文章を書くべきだと言っているのではありません。   私が思うに、あなたの最初の下書きはいつも心から生まれるものであるはずです。あなたの感性を信じてください。文言を洗練させるために調査とデータを使うのは、あなたのアイデアを書き出した後です。   ライティングというのは芸術でもあり、科学でもあります。心から文章を紡ぎだし、頭を使って修正することで、本当に有益な何かを作り出すことができます。   データはライターとしてのあなたに自信を与えてくれます。データこそがあなたが書いたものを「正しく」するのです。   Dropboxのデザインチームのものをもっと読みたい?我々が公開したものTwitterDribbbleを見てみてください。一緒にマジックを生み出したい?あなたがジョインするをお待ちしています!   Brandon LandJustin TranNeby TekluChris BatyAndrea DrugayRoxy AliagaKurt VarnerGalina Mishnyakova、そしてすべてのDropboxのデザインチームのみんな、ありがとうございました。  

    この記事は、Medium上の記事 “Design words with data“を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on Medium in English under the permission from the author.
     

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