iOS vs Android、プラットフォームによってこんなに違う!?プッシュ通知の許可率/開封率の違いからわかること

はじめに

AndroidとiOSのプッシュ通知には仕様上の差異があることをご存知でしょうか?

 

両方のプラットフォームにアプリを提供している方は、「DAUやMAUはAndroid版とiOS版でそれほど差はないのに、Android版の方がプッシュ通知の配信対象者数や開封率といった数値が高く出る」といったことを不思議に思ったことがあるのではないでしょうか。

 

この記事では両プラットフォームを比較しながら数値の差が生まれる原因を考察していきます。

なぜAndroidのほうがプッシュ通知の配信対象者数が多くなるのか

プッシュ通知が届くユーザーの数は許諾率で決まります。プッシュ通知の許諾率とは、配信対象者数のうちアプリからのプッシュ通知を受け取る設定にしているユーザーの割合です。

 

アクティブユーザーが同じくらいの数にも関わらずAndroidの方が配信対象者数が多くなる傾向があるのは、この許諾率の差によるものです。iOSアプリはプッシュ通知の配信許可をユーザーに確認する仕様になっているのに対し、Androidアプリではユーザーに許可を取る必要がなく、デフォルトでプッシュ通知を許諾している状態になっているのです。

 

iOSのプッシュ通知の許諾の仕組み

iOSのプッシュ通知ではオプトイン方式1)受信することを許可した人にだけ通知や広告が配信される方式を採用しており、ユーザーに許諾されなければ通知を送ることが出来ません。許諾メッセージはアプリの好きなタイミングで出すことができますが、多くのアプリでは初回起動時にオンボーディングの一環として表示されています。

 

Accengageの調査によるとiOSのプッシュ通知の許諾率は平均で41%しかなく、許諾しなかったユーザーがプッシュ通知を受け取るためには「設定>通知」から個々のアプリの通知を許可しなければいけません。

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通知を許可するためには「設定画面」から変更しなければいけない。

 

このようにプッシュ通知を再度許可するのは手間がかかるため、一度オフにされてしまったプッシュ通知をもう一度許諾してもらうのは難しいでしょう。

 

ユーザーがアプリをアンインストールし、再度インストールするなどしない限り許諾メッセージを再度出すことはできないので、いかに通知を許諾してもらうかが鍵にになります。ユーザーがサービスの良さを実感した後のタイミングで出すのが良いでしょう。

 

例えばゲームの攻略情報アプリ「ゲーマグ」では、「記事を読む」というこのアプリでコアとなる体験をユーザーが行った直後に許諾ダイアログを出すことで、許諾率を2倍近く上昇させました。

 

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例えばゲームの攻略情報アプリ「ゲーマグ」では、「記事を読む」というアプリでコアとなる

体験をユーザーが行った直後に許諾ダイアログを出している

参照: 人気ニュースアプリが語る!プッシュ通知の効果を高める許諾率の最適化とは?

 

Androidのプッシュ通知の許諾の仕組み

一方、Androidの場合プッシュ通知の許諾率の心配をする必要はありません。なぜなら、アプリのダウンロードをする際に自動的にオプトインする仕組みになっているからです。つまり、許諾率は100%になります。

 

Androidユーザーがプッシュ通知をオフにするにはiOSでプッシュ通知をオンにするのと同じように設定の「アプリ」から「通知の表示」のチェックを外す必要があります。

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つまり、iOSと比べてAndroidはプッシュ通知が許諾されやすく、後からオフされにくい仕組みになっています。

 

Androidの方がプッシュ通知の開封率が高くなる理由

開封率とは、プッシュ通知の配信対象者数のうち受け取った通知を開いてアプリを起動したユーザーの割合です。開封率もiOSとAndroidで大きな差があることをご存じでしょうか。

 

Accengageの調査によると、iOSとAndroidの開封率には次のように大きな違いがあります。

 

  • iOSの平均開封率は4.3%であるのに対して、Androidの平均開封率は13.1%と3倍以上
  • 旅行用アプリに限るとiOSの平均開封率は6.3%で、Androidの平均開封率は25%
  • スペインではAndroidの平均開封率がiOSの平均開封率の4倍以上

 

どうしてこのような差が生まれるのでしょうか。

 

理由①Androidの方が通知内容が多様

AndroidではAndroid4.1からリッチ通知機能が導入され、iOS9以前にはiOSとAndroidで送信できる通知に次のような差がありました。
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しかし、iOS10の新機能として「リッチ通知機能」が追加され、iOSアプリでも多様なプッシュ通知ができるようになりました。

 

例えば、ロック画面の通知は表示内容だけでなく、アクションボタンのレイアウトも変更できるようになりました。そして、文字だけでなく、gifアニメーション、動画、ディープリンクなどを送信できるようになりました。今後、リッチ通知機能を利用した通知が増えたら、iOSのプッシュ通知開封率も上昇するかもしれません。

 

iOS10のプッシュ通知に関する詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。

 

iOS10の新機能「リッチ通知」についてメリットや実装方法などを徹底解説!

 

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iOS10からはiOSのプッシュ通知でも画像の挿入やボタンのレイアウト変更ができるようになった

(画像元:http://www.business2community.com/mobile-apps/4-updates-ios-10-brings-push-notifications-01658354#2c8BaZWQ0yYXjVol.97)

理由②AndroidではiOSよりも通知センターの重要度が高い。

開封率の違いを生む2つめの要因は、iOSではホーム画面でアプリからの通知に気がつきやすいために通知センターの重要度が低い一方で、Androidではホームとメニュー画面でアプリからの通知が来ていることに気がつくのが難しいために、通知センターの重要度が高いことです。

 

通知センターの重要度が高いAndroidの方が通知センターからアプリが起動されやすく、通知の開封率が高くなると考えられます。

 

この時、ホームやメニュー画面でのアプリからの通知の気づきやすさに大きくかかわるのが「バッジ」機能です。

 

iOSのバッジの仕様

iOSではOSがバッジの設定を用意しているため、アプリにバッジを実装するのは難しくなく、ほとんどのアプリで最新情報やお知らせがあることをバッジで伝えています。さらに、iOSの標準UIではダウンロードしたアプリがホーム画面に並ぶため、通知が来ているアプリを起動する場合、大多数のユーザーは通知センターではなくホーム画面から直接アプリを起動します。

 

Androidのバッジの仕様

AndroidはOSがバッジの設定を用意しておらず、実装するためにはアプリ事業者が独自に設定する必要があるため、バッジを実装しているアプリは多くありません。さらにAndroidのホーム画面にはユーザーが選択した限られたアプリだけが表示されます。これらの要因からホームとメニュー画面からアプリからの通知に気が付きにくいため、通知が来ているアプリを起動する場合には通知センターからアプリを起動するほうが簡単なのです。

 

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まとめ

プッシュ通知施策を打ったときに、同じアクティブユーザー数に対してAndroidの方が配信対象者数と開封率が良くなる理由をまとめると次のようになります。

 

1.プッシュ通知を許諾する仕様の違い

iOSはプッシュ通知がオプトインされにくく、拒否されやすい仕組みになっています。一方でAndroidはプッシュ通知が自動的に許諾され、拒否されにくい仕組みになっています。そのため、iOSよりAndroidユーザーの方がプッシュ通知を受け取っている割合は多くなり、配信対象者数もiOSより多く出ます。

 

2. プッシュ通知で可能な表現の幅とUIの違い

Androidでは以前からプッシュ通知で送信できるコンテンツの自由度が高いものでした。また、Androidではバッジが導入されているアプリが少ないことから、アプリからの通知にホームやメニュー画面で気づくことが少なく、より通知に気づきやすい通知センターからアプリを起動するユーザーが多いため、iOSより開封率が高くなると考えられます。

 

1つ目のポイントに関して、許諾数にプッシュ通知の内容は関係ありません。つまり、iOSアプリ事業者はプッシュ通知の最適化の前に許諾メッセージの最適化が必要となるでしょう。
最後に、iOS10からリッチ通知機能が導入され、通知の内容が開封率の差に及ぼす影響は小さくなることが考えられます。その場合、通知の開封率の差を生む原因はバッジ機能の有無とAndroidユーザーが通知センターを開きやすいというOSごとのユーザー行動の差に収束します。マーケターは開封率という数字に一喜一憂しても仕方がないかもしれません。たとえプッシュ通知は開封されていなくても、ユーザーに認識されているはずなのでこれからも文言の工夫やリッチ通知などでアプリの価値を届けることが大事になるでしょう。

 

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注釈   [ + ]

1.受信することを許可した人にだけ通知や広告が配信される方式