「アプリはカスタマーに最も良い体験を提供できる」リクルートがカーセンサーで、プロモーション予算の大部分をアプリにかける理由とは?

 

本記事は、2017年3月9日に開催した「Growth Hack Talks #3」での発表内容を元にしたイベントレポートです。

 

登壇者紹介

 

 

株式会社リクルートマーケティングパートナーズ 中村与希氏

2008年新卒でリクルートに入社。営業職などを経て、現在はコミュニケーションデザイングループ兼コンテンツグループマネージャーとして、ゼクシィ、カーセンサー、スタディサプリ進路のマーケティングを統括する。

 

自己紹介と事業の紹介

株式会社リクルートマーケティングパートナーズでWebのプロモーションとネットのコンテンツを作成する部署のマネージャーを務めております中村与希と申します。私が担当しているゼクシィ、カーセンサー、スタディサプリ進路というサービスの中で本日取り上げるのは、車を探しているカスタマーと車を売りたい販売店をつなげるカーセンサーというメディアです。

 

カーセンサーではテレビCMやラジオ広告などのマスプロモーションから、デジタルプロモーションまで統括しております。今回は他のチャネルと比べてアプリというチャネルにどのような特徴があるのかをお話ししたいと思います。

 

アプリはLTVが最も良いチャネル

実は、カーセンサーではデジタルプロモーションの予算の大部分をアプリプロモーションに費しております。というのも、アプリというチャネルはLTVが最も良いチャネルで、ユーザーにとって最も良い体験を提供できるチャネルではないか、と考えているからです。LTVが良いということは数字にも表れています。

 

【LTVが高いワケ①】半年後のアプリ継続利用率はブラウザの4倍以上

まず、広告接触後の継続利用率を比較すると、PC、スマートフォンのWebだと半年後の継続利用率はどちらも5%を下回っていますが、アプリだと20%を超えています。

 

【LTVが高いワケ②】アプリでは1ユーザー当たりのセッション数が3倍強、PV数は10倍以上

さらに、スマートフォンのWebとアプリをセッション数とPV数でそれぞれ比較しますと、セッション数においてはアプリはWebの3倍強、PV数になりますとWebの10倍以上の数値が出ています。

 

ユーザーをアプリへ誘導して他メディアとの競合を回避

アプリというチャネルの特徴はLTVが良いということだけではありません。Webでは「中古車 東京」といった検索クエリごとに他メディアとの競合が発生し、検索順位を最適化しなければなりませんが、アプリではWebと違って他メディアとの競合が発生しません。そのためカーセンサー利用者に対してはWebよりもアプリの利用を促進するプロモーションを行っております。具体的には3つの施策です。

 

1. リターゲティング広告

これを行っている会社はまだあまり多くないと聞いたことがありますが、カーセンサーでは、ユーザーをアプリへ誘導するためにブラウザのCookieを利用したリターゲティング広告を利用して、アプリのダウンロードを促進しています。

 

リターゲティング広告を利用してアプリのダウンロードを促進している。

 

2. App to App

また、すでにアプリをダウンロードしているユーザーに対しては、車の閲覧履歴を元に広告の内容が変わるダイナミックバナーを利用して、カーセンサーへの再帰を促しています。

 

ダイナミックバナーを利用して、アプリへのカーセンサーへの再帰を促している

 

3. ディープリンク

これは利用している会社も多いかと思いますが、カーセンサーアプリはディープリンクにも対応しています。これによってモバイル検索からの流入に対しても、アプリの利用を促進することができます。

 

ディープリンクに対応してモバイル検索からの流入に対してもアプリの利用を促進している。

 

アプリ特有の機能を利用してUXを向上

それから、ユーザーにアプリを優先して利用してもらう必然性を担保するために、カーセンサーではアプリのみに搭載されている機能を2つ実装しています。

 

1. プッシュ通知配信

アプリの方がブラウザよりもユーザーのセグメントに分けやすく、結果パーソナライズが容易です。カーセンサーでは、ユーザーが欲しい物件の条件を登録しておくと、そのような物件が投稿された際にプッシュ通知でお知らせする機能を搭載しています。

 

プッシュ通知でユーザーが登録した条件の物件をお知らせしている

 

2. 画像での車種検索機能

アプリならではの機能はもう一つあります。スマートフォン画像を撮ってアプリに送信すると車種判別をしてくれる機能です。これには機械学習を利用しています。人の顔なども車の種類で判別してくれます。そのため、狙ってはいなかったのですが「#カーセンサーチャレンジ」というハッシュタグでバズったこともありました。

 

スマートフォンで撮影した画像を送信すると車種を判別する。

 

アプリDL広告は、LTVを加味するとCPAがリスティング広告より安い

では、アプリプロモーションを実際に取り組む際に気を付けるべきは何かというと、広告運用の際には短期ではなく長期で効果検証を行うという事だと思います。

 

というのも、アプリではユーザーが広告に接触してからコンバージョンまでにかかる時間が長いため、短期ではコンバージョンが少ないけれど、時間の経過とともにコンバージョンが上がってくるといった傾向にあるからです。

 

弊社も、運用を始めた当初は、広告を掲載した当月に使った金額と、その当月にあったコンバージョンの数で効果検証を行っていたため、アプリDL広告の効果は他のチャネルより劣っていました。

 

しかし、ユーザーのコンバージョンにかかる時間を加味して分析すると、CPAはリスティング広告よりも安くなりました。また、指標もコンバージョン数やCPAではなく、投資月からの累積で考えるLTV CVやLTV CPAを利用しています。

 

ただ、コンバージョンにかかる時間にはばらつきがあり、3ヶ月でコンバージョンが出なくなる場合もあれば、1年くらいコンバージョンが出続ける場合もあるので、その見極めが大切だと思います。

 

まとめ

本日はアプリというチャネルの特徴についてお話しさせていただきました。

 

まとめますと、まず、ユーザーの広告接触後の継続利用率が高く、1人当たりのセッション数もPV数も高いため、アプリはブラウザに比べLTVが高くなっています。他メディアとの競合もなく、スマートフォンというプラットフォーム独自の機能を利用できるチャネルになっているかなと。
さらに、ユーザーが広告に接触した後コンバージョンが出るまでの時間が長くなっています。そのため、アプリDL広告の効果検証の際には、コンバージョンにかかる時間を加味した方がいいと思います。ありがとうございました。