本記事は、2017年7月18日に開催した「Growth Hack Talks #5」での発表内容を元にしたイベントレポートです。現在アプリ業界でもっとも盛り上がっている市場の一つである「マッチングアプリ」を開発・運営・マーケティングしている担当者をお招きし、ユーザー獲得や継続、マネタイズなどにどう取り組まれているかをお話していただきました。「直接会うこと」にフォーカスした第三世代のマッチングアプリ「Dine」のCEO 上條様に米国のマッチングアプリ事情についてお話していただきました。

登壇者紹介

株式会社Mrk&Co  上條景介(かみじょう・けいすけ)氏

株式会社Mrk&Co 代表取締役

2008年、株式会社ディー・エヌ・エーに入社。同社でオークションサイトの運営に携わった後、社内新規事業立案制度で優勝し社長室へ異動、ソーシャルゲーム事業を立ち上げDeNA初の内製ゲーム「海賊トレジャー」をリリース。カナダスタジオ立ち上げのため、バンクーバーに赴任し欧米向けのゲームを開発。その後新規事業に携わりつつも2015年7月に退職、株式会社Mrk&Coを設立する。

自己紹介と事業の紹介

みなさん、初めまして。株式会社Mrk&Coの上條景介です。本日は、米国のマッチングアプリ事情と題してお話しさせていただきます。『Dine』は、2016年3月に米国とカナダでリリースしたマッチングアプリです。詳しくは、発表の中でお伝えしていきますので宜しくお願いします。

今後はオンラインでの出会いがアタリマエになる?

15.7%。みなさんはこの数字が何か、お分かりになるでしょうか。これは2012年、米国においてオンラインデーティングで出会って結婚した人の割合です。

日本ではまだ、学校や職場、友人の紹介や合コンなどを介して出会い、結婚に至った方が多いですが、米国ではそれらを抜いてオンラインデーティングでの出会いが堂々の一位です。このグラフからは、1位のオンラインデーティングとその他のオンラインサービスを足しておよそ40%がオンラインで出会っていることがわかりますよね。このように、米国では今、オンライン経由の出会いが婚活の主流になっているのです。

日本のオンラインデーティング市場は200億円と言われていますが、米国では2,500億円ほど。日本の3倍の人口がいるとはいえ、この数字からはいかに市場規模が大きいかがわかります。そして、ここまで市場が大きいということは、ソーシャルゲームと同じように膨大な数のオンラインデ―ティングサービスがあるということでもあります。一説によると、米国には2,000を超えるオンラインデ―ティングサービスやアプリがあるとまで言われているのです。

世代別に見る、人気マッチングアプリ

オンラインデーティングアプリの分類方法の一つとして、第一世代と第二世代に分けることができます。

第一世代:検索型マッチング

米国では20年前、Match.comをきっかけにマッチングサービスというものが広まっていきました。その他にもOkCupid、POF、Zooskなどが知られています。人種や年収、仕事、趣味などの条件を入力し、自分の好みに合う人をソートしてマッチングする「検索型マッチング」サービスで、日本国内で現在盛況なPairsやOmiaiもこの領域に入ると考えております。

第二世代:カジュアルマッチング

北米、ヨーロッパを中心に2〜3年ほど前から勢いよく伸びているのが次の第二世代にあたるカジュアルマッチングアプリ。

Tinderを筆頭に、Bumble、happn、Coffee Meets Bagel などが台頭しています。

2013年にリリースしたTinderは2015年から一部課金制になりましたが、その瞬間からごぼう抜きならぬ2,000抜きぐらいの勢いでトップに躍り出て、現在の売上高はダントツの1位。ちなみにMAUは世界で数千万人ほどいると噂されております。

カジュアルマッチングアプリは婚活色が薄くなってしまいますが、その分「めんどくさい」「そこまで本気になれない」と言うような若い人でも受け入れやすく、より多くの人に使ってもらえるというメリットもありますので、日本国内で次に成長するのは間違いなくこのカジュアルマッチングアプリだと私は踏んでおります。

ミレニアル世代は次世代マッチングアプリに移行する…?

こちらのグラフは、米国内における各マッチングアプリの年代別利用者数を出したものです。TinderやBumbleなどのカジュアルマッチングアプリの主な利用者層は18歳から20代、30代が占めていることがわかりますね。一方で、老舗のマッチングアプリ、マッチドットコムやZooskは、20代がほとんどおらず、40代50代の人が過半数を占めています。

もっとも出会いを求める20代、30代がマッチングアプリのメイン層。その人たちが、カジュアルアプリに移っているため、第一世代の検索型マッチングアプリは今後横ばい、もしくは衰退していく方向にあるのではと思っています。

しかし、順風満帆に思えるカジュアルマッチングアプリですが、実は一つだけ問題が発生しているのです。

第一世代のマッチングアプリ、マッチドットコムの利用目的で一番多いのがラブ。つまり、恋活や婚活目的に利用している人が多い。

しかし、Tinderは利用目的の1位がエンターテインメント、2位がカジュアルデート、3位がエゴブースト。1位のエンターテイメントというのは、例えば、マッチングして何かをするわけではないけれど、色んな人の写真を見てスワイプして楽しんでいるというような利用のしかたですね。エゴブーストについては恐らく、自分がどれだけマッチするか確認して承認欲求を満たしている、ということだと思います。

恋活や婚活を目的に利用する人が10%に満たない程度。それほどTinderのユーザーは利用目的が多様化しているのです。この多様化によって、ユーザー数が大きく伸びているわけですが、同時にニューヨークやロサンゼルスなどTinderが一般化した地域では、真剣な婚活を目的としているユーザーに不満が生じている、という事情がございます。

第三世代のマッチングアプリがこれからくる!

北米や欧米では、第二世代のマッチングアプリがメインストリームになりつつありますが、前述しましたように、その中で新たな不満が生まれているのも事実です。そこでこの不満を解決すべく登場するのが、第三世代マッチングアプリの『Dine』。第二世代のマッチングアプリの問題を解決するプロダクトになっています。

ソーシャルネットワークに例えて考えてみましょう。ソーシャルネットワークの世界では、以前、Facebookが一強の状態でした。老若男女、みんながFacebookを利用していく中で、若者たちはだんだん「イケてない」と思いはじめたわけです。そこで台頭してきたのが、Instagram。第二世代ソーシャルネットワークとして破竹の勢いで成長し、多くの若者に受け入れられました。

しかしInstagramを利用する人たちの中で、また不満が生まれます−—「カッコよすぎて疲れてしまう」。何枚撮影しても1日数枚しかカッコいい写真を上げることができない。このようなフラストレーションが生まれた後、10代の若者を中心として気軽に10秒未満の動画を友達に送ることができる『Snapchat』が盛り上がりを見せるようになりました。

こうした大きな市場の中では、必ず台頭するサービスが出てきたら次に新たな不満が生まれます。そしてその新たな不満を解決するプロダクトが伸びるというのがインターネット業界では常ですので、ここを私たちは狙っているのです。もちろん、これは私自身がカジュアルマッチングアプリを使っていて不満を感じ、それを解決するプロダクトが欲しかったというのが最初のきっかけです。

『Dine』は「直接会うこと」にフォーカスしたアプリです。TinderやBumble等のアプリでは、ユーザーの目的意識が違うため、Likeにあたる右スワイプの持つ意味が人によって違います。しかし、Dineの場合、Like =ファーストデートの提案というコンセンサスがユーザー間にあります。人の良さはまず会ってみないとわからないと思う人たちがアプリに集まり、マッチング後はそれぞれが指定したお店でお会いしてもらっています。カジュアルだけど、カジュアルではありません。

私たちは自社のプロダクトをサードウェーブコーヒーならぬ、サードウェーブデーティングと呼んでおり、カジュアルマッチングの良さを残しながらもエンターテイメント目的のユーザー等を排除し、あくまでデートにフォーカスしたアプリとして北米を中心に展開しています。過去1年にApp storeに複数回、Top Featuredしていただいたり、米国のBusiness InsiderやTechCrunchなどにも取り上げられ、現地では利用者数を続々と増やしています。

先ほども申しました通り、日本では今後第二世代のカジュアルデーティングが流行ります。そして、そのカジュアルデーティングが世界を席巻した後、次の世の中を取るのは私たちだと思っています。是非、一緒に世界を取りたい方は私の会社とマッチングしてください。ありがとうございました。

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