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本記事は、2016年10月20日に開催した「Growth Hack Talks #2」での発表内容を元にしたイベントレポートです。登壇者には「プッシュ通知を活用したリテンション・エンゲージメント施策」をテーマに、自社アプリのプッシュ通知運用のノウハウをお話していただきました。

登壇者紹介

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株式会社ファンコミュニケーションズ 廣瀬空(ひろせ・そら)氏

1989年生まれ。高校時代からアフィリエイトを始め、大学ではストリートダンスに明け暮れる日々を送る。学生時代は法律を学ぶも新卒でWeb制作会社のAndroidのエンジニアになり、ディレクター、SNSマーケターを経て、株式会社ファンコミュニケーションズに入社、新規事業のプロデューサーとして企画から設計、ディレクション、プロモーション全般、広告運用、グロースハックなどを幅広く行う。

 

自己紹介と事業の紹介

廣瀬空と申します。社内の新規事業の一つとしてモンストやパズドラといった人気のソーシャルゲームの攻略方法を集めた「ゲーマグ」というアプリを作っていて、今回はこのゲーマグのプッシュ通知施策についてお話しようと思います。

 

テーマは「プッシュ通知を打つ前に回すべきPDCA」です。プッシュ通知は文言や時間の最適化を行う前にやるべきことがあって、何よりもまず許諾率を高めるところから着手すべきです。

 

プッシュを打つ前に回すべきPDCAとは?

プッシュ通知ってこんな感じで出ますよね。このダイアログで「OK」を押してくれるユーザーは平均40%と言われていますが、その「OK」を押してくれるユーザーをどう高めるかについて(=許諾率の最適化)お話ししたいと思います。

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プッシュ通知の許諾率を高めることで配信対象者数も多くなり、プッシュ通知の効果を最大化できます。

 

ちなみにAndroidはデフォルトでプッシュ通知の許諾はオンになっているので許諾率を高める工夫は必要ありませんが、iOSユーザーが多い日本のアプリ市場で戦っていくためにはiOSアプリでプッシュ通知の許諾最適化は避けて通れない道なのかなと思います。

 

許諾率を高めるためには2つのポイントがあると考えています。1つは「許諾を出すタイミングの最適化」、もう1つは「許諾文言の案内のPDCAを回す」という話です。それぞれについてお話していきます。

 

許諾をお願いする最適なタイミングは「ユーザーが最初にサービスの良さを体験したとき」

まず許諾を出すタイミングの最適化について説明します。

 

プッシュ通知の許諾ダイアログを出すタイミングは自由に実装できるのですが、ほとんどのアプリは初回起動の流れで「プッシュ通知をonにしてください」という許諾ダイアログを出していて、すごく勿体無いと思います。

 

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許諾をお願いするのは「ユーザーが最初にサービスの良さを体験したとき」に出すべきです。当たり前だと思われる方も多いかもしれませんが、意外にこれができていないアプリが多いように思います。

 

僕が作っているゲーマグはニュースアプリなので、「記事を読む」ということがメインの体験になっています。なのでユーザーが最初にサービスの良さを体験した直後の、記事一覧から記事を読んで、読了後に記事一覧に戻るタイミングで出すようにしています。

 

 

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初回に記事を表示した時や記事を読了した時など許諾をお願いするタイミングは色々と試しましたが、一番許諾率が高かったのがこの「記事を読んだ直後」でした。おそらく記事の読了後が一番新規ユーザーのユーザー体験を邪魔しない自然なお願いのタイミングになっているからだと思います。

 

そもそもiOSのプッシュ通知はユーザーが許可しないと届かないので、新規ユーザーにサービスの良さを知ってもらい、「お知らせを受け取ってもいいかな」と思ってもらうことが必要です。

 

つまり言い換えると、プッシュ通知の許諾をお願いするタイミングはオンボーディング施策1)チュートリアル画面の最適化など、新規ユーザーにアプリの魅力をアピールして継続的に使ってもらうようにする施策のなかで考えるべきですチュートリアルの途中で離脱してしまったり、アプリのメイン機能を体験せずにアプリを使わなくなってしまったユーザーをプッシュ通知で呼び戻したりプッシュ通知の許諾をもらうのは難しいので、この新規ユーザーのオンボーディングを高める戦略の一環として許諾率の最適化施策を検討するのがいいと思います。

 

起動時など特にタイミングを考えずにプッシュ通知の許諾ダイアログを出している方はこの機会にぜひ見直してみてください。

 

許諾案内の文言をABテストで最適化する

2つ目は許諾の案内のPDCAについてお話したいと思います。
ゲーマグでは許諾の通知を出す前に、単にiOSの標準ダイアログを出すのではなくカスタムダイアログを独自に作って出しています。

 

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このカスタムダイアログのタイトル、メッセージ、ボタンの文言はサーバーのデータベースから取得しているのですが、データベースにそれぞれの文言がたくさん登録されているので、どんな文言だと許諾率がいいのかを自動的にABテストを行うような仕組みを作って検証しています。

 

内製で作った仕組みですが、データベースに登録した文言を引っ張ってきてダイアログとして表示するだけなので技術的難易度はそんなに高くないと思います。 ABテストの結果は毎日Slackに流してPDCAを回しています。

 

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プッシュの許可をもらいやすいキーワードは “あなただけに”

その結果、プッシュの許諾率は施策前の37%~40%から59~66%になりましたニュースアプリの平均的な許諾率が40%程度だと思うので、結構うまくいった事例だと思います。

 

許諾率が高かったのは「”あなた”にお届けします」、「”あなたが” プレーしているゲームの~」といった文言で、自分だけにパーソナライズされたプッシュ通知がくるという期待を持ってもらえるようなものが人気でした。あとは「※不要な通知は送信しません」といったものウケがよくて、ユーザーがプッシュを許可する心理的ハードルを下げられたのかなと思います。

 

ちなみに「大好評!人気記事の通知機能」や「大好評!人気記事を通知します!」のようなちょっとテンションの高いお願いの仕方は許諾してもらう率が低く、押し付けがましい感じがユーザーに許諾を躊躇させてしまったのかなと思います。この辺はアプリごとに異なると思うのでぜひ皆さんも自社のアプリに最適な許諾文言を見つけてください。

 

まとめ

まとめです。本日はプッシュのPDCAの効果を最大化するために、その前のプッシュの許諾率のPDCAを回すべきというお話をさせていただきました。

 

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許諾をお願いするタイミングはオンボーディング施策の一環として考えるということ、許諾をお願いする文言はABテストなどで検証し最適化を行うということを組み合わせてやってもらうと、プッシュ通知を届けることができるユーザーの数を増やすことができると思います。ありがとうございました。

 

 

注釈   [ + ]

1. チュートリアル画面の最適化など、新規ユーザーにアプリの魅力をアピールして継続的に使ってもらうようにする施策