季節ごとに変わるファッションやメイク、コスメに美容、さらには恋愛や占いまで。女性の興味関心に合わせた幅広い情報を発信し、トレンドに敏感な読者を満足させるべく進化と発展を遂げてきた女性向けメディア市場。女性誌をはじめとする雑誌の発行部数が全体的に減少傾向にある一方で、スマホやタブレットで読む「webメディア」や「メディアアプリ」のユーザー数は年々増加し続けています。

大手出版社からベンチャー企業まで、熱戦が展開されている市場において、多くの女性から支持されるメディアの担当者はいかにしてメディアをグロースさせてきたのでしょうか? グロースハックのノウハウをシェアする「Growth Hack Talks 11」では、話題の女性メディアアプリの担当者が登壇しました。メディアのコンテンツ戦略からブランディングへの取り組みまで、貴重なノウハウをイベントレポートとしてご紹介します!

『LUCRA(ルクラ)』のグロースを支える数字ベースの事業開発

登壇者紹介

株式会社Gunosy 新規事業開発室マネージャー 渡辺謙太(わたなべ・けんた)氏

事業の紹介

LUCRA(ルクラ)』は毎日を楽しみたい全ての女性のための情報アプリ。ファッションやレシピ、メイク、恋愛など、様々な情報をまとめ読みできます。

数字ベースのグロースとは

私たちが実践している数字ベースのグロースとは、数字を活用して事業を組み立てることです。事業計画の作成から施策の実行まで、全てを数字ベースで考えて実行しています。

事業計画の作成

私たちは2つのステップに分けて事業計画を作成しています。

ステップ1:KGIをKPIへ分解する メディアの売り上げをARPUとDAUに分解し、さらにDAUを獲得数と継続率に分解する。 ステップ2:KPIを施策へ分解する 各KPIをCPIやコストへと細かく分解し、KPIを上げるための施策にまで落とし込みます。

効率よくアプリをグロースさせるためには、KPIから施策への分解精度を上げることが重要です。例えば「CPIを50円下げる」を目標とした場合、何を・どのようにして・目標を達成するのか、具体的なアクションにまで落とし込まなくてはなりません。分解精度が低いと、筋違いで再現性のない事業計画になってしまい、適切なアクションを起こすことができなくなります。

施策のプラニングと振り返り

数字を通じて施策の優先度決定と結果の解釈をするには、プラニング時の施策の見積もり段階でKPIと改善幅を出す必要があります。その際に意識していることは次の2つです。 1つは対象ユーザー数がどの程度か。どんなに施策の効果が大きかったとしても、そもそもの対象ユーザーが少なければ全体の改善効果が小さくなってしまうからです。 もう1つは期待できる改善幅はどの程度か。改善幅が小さい施策に大きな工数をかけてしまうと、作業効率が鈍化してしまいます。

振り返りに関してはA/Bテストで効果計測を行い、定量的にどれほどKPIが上下したかを確認しています。時期要因や獲得要因で継続率が大きく変化するため、A/Bテストでこれらの要因を排除します。A/Bテストを実施したら「どの数字がどのくらい変化したか」「どの数字が上がるとどの数字が下がるのか」、それぞれの数字に対して副作用の度合いを見るのがポイントです。

数字ベースでグロースを行うメリット

数字ベースでグロースを行うことにより、意思決定に必要な情報をチームでアセット化できます。例えば、「こういうアクションを起こすとこれぐらい数字が伸びる」といったように、施策に対する数字インパクトの見積もり精度を高めることができるのです。 そうすれば施策の無駄打ちを減らすことができるため、少人数で開発しているチームでも早いスピードで成果が出せるはずです。

数字ベースでグロースを行うデメリット

一方、数字に集中しすぎたことで浮き彫りになった課題もいくつかあります。

発生した課題

数字を重視するあまり、計測性や再現性のない施策の実行が難しくなってしまいました。

①A/Bテストで短期的に計測しにくい施策を実行しづらい

長期のKPIに効く施策は、短期間ではなかなか数字に表れないため計測が困難です。また、A/Bテストはユーザー数が少ないと結果にブレが生じるので、改善幅が小さい施策の計測がしづらく、なかなか実行に移せません。

②数字で表れない効果について判断・解釈が行えない

実施したほうが良いとわかっている施策はいくつかありますが、数字で効果を表せないものも多いため、判断を下すのが難しい。

③ユーザーの課題ではなく、数字に意識が集中してしまう

数字を意識するあまり、供給者視点で施策を考えてしまい、ユーザー視点を忘れがちに。

課題への対応

①短期で計測しにくい施策

長期で効果が見えそうな施策は、100日後・200日後で継続率の違いを見るなど、対象割合を下げて長期期間A/Bテストを行いました。

②数字で表れない効果

改善幅は小さくても定性的に効果がある施策に関しては、費やすリソースを決めてその範囲内であれば数字を気にせずに実行する方向へ。

③ユーザーより数字に集中してしまう

ユーザー視点へと意識を切り替えるために、ユーザーインタビューや議論を行うことで意識的に集中させるようにしました。

『ルトロン』のリソースラックグロースハック

登壇者紹介

株式会社オープンエイト グロースハッカー 石原涼裕 (いしはら・りょうすけ)氏

事業の紹介

ルトロン』は大人の女性の行きたい・やってみたいが見つかる、お出かけ動画マガジンです。

最適な箇所に最適なリソースを割く

どの会社でも人手が足りないタイミングってあると思うんですが、そんな状況下であっても結果は求められたりしますよね。最小限のリソースで最速の結果を出すためには、まず、「どこ」に「どう」パワーを割くべきかを考えなくてはなりません。

私たちは立ち上げ時期のメディアこそ、まずはアクティベーションにパワーを割くべきだと考えています。初回起動のタイミングでアプリを好きになってもらえなければ、翌日再訪の可能性が低くなり、メディアの成長が遅くなってしまうからです。

足すのではなく、引く

では、具体的にどんなことをすべきか。『ルトロン』の場合、「何をしないか決める」という引き算視点で考えています。

メリット①:基本的に実施コストがゼロ

重たい開発とも並行できます。要件定義の必要がないのでファクトがあれば大体すぐに実施され、マーケターもタスク全体の機動性を上げることができます。

メリット②:アプリが洗練される

サービス立ち上げ時にありがちな、過剰に盛り込まれた機能を削除できます。

デメリット:大きな改修はできない

開発工数をゼロに抑えることが前提なので大きな改修はできませんが、引き算という考え方はコスパの良い結果を得られることが多いです。

引き算視点のポイント

引き算視点のポイントの1つはアクティベーション、もしくはリテンションがトリガーとなっているゴール(CV)を必ず設定すること。 もう1つはアプリ起動からトリガーまでのフローで「ファネル分析して相違が激しいところ」もしくは「早期に行われるフロー」の優先順位を付けて着手すること。

CVポイントの設定

ユーザーの多くはタップして縦スクロールを繰り返して記事を読んでいるため、ほとんど横スクロールされません。つまり、最初のスクリーンで好きな記事を見つけて、その記事をスクロールした先に掲載されている関連記事をタップして読む…が繰り返されているということです。 ユーザーの興味にフィットした記事をどんどん紐づけてあげることで、自然とコミュニケーション回数が増えてリテンションが高くなることがわかったため、『ルトロン』ではこの点をCVポイントに設定しました。

不要な機能は消す

①ウォークスルー

新規ユーザーのチュートリアルでの離脱を防ぐため、ウォークスルーの改善に取り組みました。 動画を導入するなど、短時間でも深いコミュニケーションができるような改善案はいくつかあるかもしれませんが、メディアなので特に複雑な機能はないし、わざわざウォークスルーで説明する必要もありません。また、データ上からウォークスルーの突破深度が継続率に寄与しないこともわかったため、「ウォークスルーは不要である」という結論に至りました。

②カルーセル

次に着目したのがカルーセルです。ユーザーの行動フローを追跡したところ、カルーセルから記事詳細に辿り着いていた割合はほんの少し。『ルトロン』は動画と記事とのセットでのコンテンツ提供に力を注いでいるのですが、この状況ではコンテンツの魅力を伝えることができません。結果、カルーセルも省くことに。

ウォークスルーとカルーセルを省いてCVポイントまでのフローをシンプルにしたことで、記事閲覧率や関連記事タップ率を大幅に上げることができました。

その他の実例

その他の実例として、レイアウトの変更をしました。元々はカード型のレイアウトでしたが、視線導線が複雑でユーザーストレスが高く、コンテンツを認識し難いという課題がありました。

料理メディアなど、情報量がクリエイティブに依存するようなコンテンツはカード型と相性が良いですが、『ルトロン』はお出かけ情報メディアなので逆効果。多少の工数は掛かかりましたが、ニールセンのF型視線誘導に変更することで記事閲覧率と関連記事タップ率を上げることに成功しました。

つづき : Growth Hack Talks 11 女性向けメディアアプリ特集〜パネルディスカッション〜


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「Growth Hack Journal」を運営している「Repro」は、アプリ解析・マーケティングツールの提供からユーザ獲得やユーザ定着のためのマーケティング支援等のソリューションまでワンストップで提供、アプリの成長を支援しています。

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