季節ごとに変わるファッションやメイク、コスメに美容、さらには恋愛や占いまで。女性の興味関心に合わせた幅広い情報を発信し、トレンドに敏感な読者を満足させるべく進化と発展を遂げてきた女性向けメディア市場。女性誌をはじめとする雑誌の発行部数が全体的に減少傾向にある一方で、スマホやタブレットで読む「webメディア」や「メディアアプリ」のユーザー数は年々増加し続けています。 グロースハックのノウハウをシェアする「Growth Hack Talks 11」では、話題の女性メディアアプリの担当者が登壇しました。人気メディア担当者の本音や意見が飛び交ったパネルディスカッションの様子をお届けします。

パネルディスカッション登壇者紹介

モデレーター:Repro株式会社 佐々木翼(ささき・つばさ) (写真左から1番目)

C Channel株式会社 齊藤健太(さいとう・けんた)氏 (写真右から1番目)

グリー株式会社 加藤里実 (かとう・さとみ)氏 (写真右から3番目)

エキサイト株式会社 宇佐美冴岐子(うさみ・さえこ)氏 (写真左から3番目)

株式会社Gunosy 渡辺謙太(わたなべ・けんた)氏 (写真左から2番目)

株式会社オープンエイト 石原涼裕(いしはら・りょうすけ)氏 (写真右から2番目)

メディアの運用体制とそれぞれの役割

佐々木:まずはメディアの運用体制からお聞きしたいと思います。どんな運用体制で、皆さんがどういう役割を担っているのか伺えますか。

齊藤:弊社はメディア運用の部署や動画制作の部署、営業など、部署が細かく分かれたバーティカルな組織体制で運営しています。私はテクノロジーデザインセンターに所属しながら、アプリグロースチームのリーダーをしています。

渡辺:私たちはプロダクト別にチームを組んでいますね。

佐々木:なるほど。チームの男女比はどのくらいですか?

渡辺:『グノシー』と比べると『LUCRA(ルクラ)』は女性比率が高く、6〜7割が女性です。

齊藤:弊社の場合は、動画制作などコンテンツ制作や運営に携わっているメンバーは女性が多いですが、他の部署や管理職には男性が多いです。

石原:うちもマネージャー層は男性比率が高いですが、会社全体で見ると女性が6割と若干多い。今までは戦略が男性、戦術は女性に全て任せるケースが多かったのですが、現在は体制を少しずつ変えている最中で女性のマネージャー層を積極的に採用しています。

宇佐美:『LAURIER PRESS』は編集部やマーケデータ分析、技術系、デザインなど、職種別に分かれた上で、プロダクトごとに横断してチームを組んでいます。

加藤:『ARINE』はトップに事業責任者がいて、その下にプロダクトチーム、メディアチーム、広告チームなどがあります。メディアチームでは多くの女子大生アルバイトが活躍しています。一方、プロダクトチームはほぼ男性で女性は私一人のみです。

ブランディングとコンテンツのチェック体制

佐々木:同じ女性向けメディアであっても、各々理想としているものやコンセプトが異なるかと思います。それぞれどういうコンセプトを掲げ、どのようなブランディングを行っているのでしょうか。

宇佐美:『LAURIER PRESS』のコンセプトとしては、自分磨きに悩みを持つユーザーが自分の求めるかわいい像に近づいて自信を持てるよう、メディアを通じてヒントを提案することです。ですので、誰にでも“かわいい”が再現しやすい情報を配信しています。例えば、実際に商品を使用したレビューやハウツーを事細かに掲載することで、事実に基づいた情報とその子が記事の通りに真似しても同じようにかわいくなれるよう再現性を担保しています。

加藤:『ARINE』でも再現性を大事にしています。コスメの場合、商品の見た目だけではなく実際に肌にのせた時の印象がリアルに伝わるよう、写真とともに具体的な説明を記載しています。

佐々木:ありがとうございます。どの女性メディアも基本は再現性を重要視しているということでしょうか?

渡辺:『LUCRA(ルクラ)』の場合、色々なメディアから提供いただいたコンテンツを配信しているため、再現性については確認ができていません。なので、先ほどお話に出ていたような再現性の有無を判断する基準や体制はどのようなものかが気になります。

宇佐美:『LAURIER PRESS』の場合、基準としては、メイク術であればちゃんとその方法がプロセスが分かる形で書かれているか。また、コスメ商品レビューなどであれば、商品の外観に関する画像の羅列ではなく、実際に商品を使った使用感画像が掲載されているかどうかをチェックしています。いわゆる「イメージ画像」のような他所から関連性のない画像を引用しながら商品を紹介してしまうと、イメージ画像のイメージが先行してしまい、ユーザーが実際に商品を使って再現した時との差分が生まれやすく、一貫性を担保することができません。

佐々木:チェック体制はどうしていますか?

宇佐美:チェック方法をマニュアル化して編集部がチェックしています。

石原:『ルトロン』の場合、広告以外のレギュレーションを徹底しています。ハウツー系の動画は制作単価を押さえることも大事ですが、毎月多くの動画を掲載するためにはしっかりとしたフォーマットがないとクオリティーを担保できません。

ブランディングの評価指標

佐々木:ブランディングというのは定量的な判断が難しく、リソースが予測できないことも多いですよね。そこでですが、みなさんどのような評価軸でブランディングの指標を判断されているのか教えて頂ければと。

齊藤:最近、高校の修学旅行でオフィスを見学したいという問い合わせがあったりして、そうした社外からのポジティブなリアクションはブランディング指標の一つとして捉えられるかもしれませんね。

宇佐美:リアルイベントを積極的に開催しているんですが、SNSにあがったイベントへの反応や投稿数を参考にしていますね。

石原:2018年4月上旬に「ルトロンくじ」というキャンペーンを実施したのですが、多くのユーザーがSNSでくじの様子を報告してくれていました。実施したプロモーションがユーザーに「刺さった・刺さらなかった」というのは指標の一つになるかと思います。ただ、この見方はプロモーション担当がずっと同じ場合に限られるので、属人化させないようにしなくてはなりません。

渡辺:『LUCRA(ルクラ)』はキュレーションアプリなので、根本からブランディングを行うことは難しいと考えています。なので、ブランディングよりもグロースを優先していますね。

ブランディングかグロースか

佐々木:ブランディングかグロースか、どちらを優先すべきかという議論は尽きないと思いますが、個々のメディアの意見を伺えますか。

石原:『ルトロン』はクライアントワークがメインにならないようにしようという意識を強く持っています。とはいえ、メディアを運営している以上は収益をあげなくてはならないので、バランス感を崩さないように運営していますね。

佐々木:ある程度ブランディングしつつも、グロースさせるということですね。

加藤:『ARINE』のブランドカラーはブルーですが、A/Bテストをしてみるとピンクの方が数字は良いんです。ブランドコンセプトに関係なく数字が良かった方に意見が流れてしまうという課題があります。現状だとどちらにすれば良いのか判断が難しく、改めて認識を擦り合わせている段階です。

齊藤:最近、アドネットワークを増やしたんですが、ユーザーレビューが荒れてしまって…。今までは施策を打っても荒れることが少なかったのでこれには驚きましたが、視点を変えると根強いファンの人たちが反応した結果、苦情が増えてしまったという解釈もできます。 もしかしたら、ブランディングが上手くいくほど、マネタイズが難しくなるのかもしれませんね。

マネタイズとメディアの横展開

佐々木:アプリを運営する上で、やっぱり気になるのがマネタイズの壁です。マネタイズへの課題感はどのように解決されていますか。

渡辺:メディアなので、売り上げのアッパーはあると思います。ただ、アッパーを無理に広げると広告が増えすぎて、UXが損なわれたりするので、決して良策だとは言えません。「事業を伸ばす=メディアを伸ばす」ことではないので、無理せずに他の手段で事業全体を伸ばした方が良いと言えそうです。

宇佐美:『LAURIER PRESS』は女の子がかわいくなることを応援するサービスなので、広告以外にも、「かわいくなれること」に紐づくあらゆるポイントがすべてマネタイズの対象になると考えています。例えば現在行っているかわいくなることを後押しするリアルイベントなどもそうですが、 “かわいくなることを支援する”という軸で横展開していくことも考えていますね。

佐々木:なるほど。他の方も横展開されていますか?

齋藤:弊社はECをやっていますね。

加藤:私たちは「美容業界を盛り上げたい!」という思いから、目標を達成するための手段としてメディアを立ち上げました。なので、現在のマネタイズの軸は純広告とアドネットワーク、美容室のSNS運用をお手伝いさせていただく「ARINEサロンパートナーズ」の3つです。メディアでのコンテンツ配信だけでなく、美容室のSNSをサポートするなどしてお互いが美容業界を盛り上げ、winwinの関係を築きながら収益化していますね。

石原:「おでかけメディア」を運営して気づきましたが、行き先を探すところから始まり帰宅後に友人にシェアするまで、お出かけはフローが長い。各タッチポイントでどうやってマネタイズできるのか考えていかなくてはなりませんが、メディアを脱却しない限り横展開は難しいのではないかと思っています。 純広告やアドネットワークだけだとメディアがマネタイズできる手段が限られてしまうし、ARPUも低くなってしまう。そこで壁にぶつかってしまったら、メディアを脱却しなくてはならないフェーズに差し掛かっているのかも。

メディアの先に目指すもの

佐々木:メディアの今後についてはどのようにお考えでしょうか。

齊藤:最終的にはTVのような影響力の大きなメディアになればと思っています。

渡辺:メディアの延長線上で何ができるか、事業全体としてどう回していけば良いのかは常に考えていることです。

佐々木:未来を見ながら運営されている点は、どのメディアも共通しているようですね。その意識は、今後メディアを運営していく中で核心部分になるんじゃないでしょうか。本日はありがとうございました!


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