昨今、IT化により大きな変革が進む金融業界。銀行や証券取引を目的としたアプリに加え、仮想通貨やキャッシュレス決済などお金を軸にした様々なサービスがアプリを介して提供されるようになりました。
「Growth Hack Talks 12」では、Fintech事業を展開している注目企業のアプリ担当者をお招きし、グロースハックやアプリ改善のノウハウについてお話しいただきました!

『paymo』の事例からみるマーケティング × PRの可能性

登壇者紹介

AnyPay株式会社 マーケティング・PR担当 中根里紗(なかね・りさ)氏

事業の紹介

paymo(ペイモ)』は個人間の支払いをスマホで完結する“わりかん”アプリ。モバイル決済やキャッシュレスにあまり抵抗がない20〜30代の社会人をターゲットにしています。
職場での飲み会やカフェでの飲食代、タクシーの支払いなど、様々なシーンで複数人での現金のやりとりをスマートに行うことができるのが特徴です。

本日お伝えするのは、初期のブランディング、データ解析、マーケティング広報、これら3つの重要性についてです。

『paymo』のマーケティングについて

わりかんアプリを利用する機会って、誰かと一緒に支払いをする時ぐらいですよね。一人で使うようなゲームやコミックでもないので、暇潰しを理由にDLする人はいないでしょう。
そうした理由から広告を出稿しても簡単にDLをしてもらうことができないので、わりかん(個人間決済・送金)アプリのマーケティングは非常に難しいと思っていました。さらに言えばお金に関するアプリなので、ユーザーに受け入れてもらうハードルも高い…。

とはいえ、これはあくまで私たちが立てた仮説です。
実際に効果を検証しなくては本当の答えはわかりません。そこで40〜50メディアへ広告を出稿、クリエイティブも動画・静止画などを合わせて100パターン以上試しましたが、結果は仮説通りでCPIでもCPAでも単価が見合わないとわかりました。

やはり、お金に関するアプリだからこそ、友達からの紹介やPRなど広告色のないリアルな情報が人の心を動かし、DLに繋がっていくのではないか–そう考えた私たちは様々な施策を実施します。

初期ブランディングの重要性

DLのハードルを下げるために率先して行ったのは、各所での話題作りと登場感の演出です。はじめに、様々なメディアに取り上げてもらえるよう記者会見を開き、ブランディングムービーを作ってYouTubeで大量に配信しました。これらの施策によってリリース直後から「paymoって聞いたことがある!」という状況を作りだしました。
ブランディングムービーはYouTube公式アカウントで250万回以上も再生され、各テレビ局にも取り上げていただくほど話題になりました。

その他、タクシー内の動画広告からSNSでの投稿を促したり、友達を誘いやすいきっかけを作り出すキャンペーンを実施したり、新規ユーザーの確保を増やす仕組みを作っています。

データ分析の重要性

こうした施策と同時に、データ分析による人が人を呼ぶ仕組みの構築も行っています。

①グロースモデルを整理

『paymo』のグロースモデルを整理すると上記の図のようになるのですが、広告経由のユーザーは、取引をした後に友人や同僚に紹介して新たにユーザーが増えて行くという仕組みになっています。このようにユーザーの動きを可視化することで、いかにオーガニックを増やせるかが重要だと気付きました。

②離反モデルの分析と構築

まずは、新規ユーザーがどのような状態になると他のユーザーを呼ぶ状態になるのかをデータサイエンティストと協力して分析をしました。

③プッシュ通知で係数底上げ

時間・曜日・配信セグメントは離反モデルの分析結果でわかっていたので、「Repro」を使って約450通りのプッシュ通知でA/Bテストを行いました。

④PDCAサイクルの高速化

マーケティングチーム全員がSQLについて学びました。そうすることで実際にSQLを書いて分析したり、GitHubを使ってエンジニアに依頼できるようにし、PDCAサイクルのさらなる高速化を実現しました。

マーケティング広報の重要性

ユーザーを増やせば成長するという状態は作れたものの、広告はボリュームが小さく、継続利用をしてくれる質の高いユーザーがなかなか獲得できないという課題が持ち上がりました。

「友達に紹介したい」「便利そうだから使ってみたい」ポジティブかつ自発的にそう思ってもらうには、広告ではなくPRに力を注ぐべきではないか。
そこで私たちはPRを最大限に活用したマーケティングに取り組みました。まず洗い出したことは、メディアに『paymo』を取り上げてもらうきっかけについてです。

プレスリリースや記者会見、SNSやブログなど自社発信による認知獲得手段は数多くあります。何よりも重要なことは、いつ・何を・誰に届けるのか、届けるための手段は何がベストであるかを考えることです。

ありがたいことに、年間メディア掲載数は、500メディア以上、テレビ掲載は20本以上に掲載いただきました。その影響力は非常に大きく、DL数は急成長しました。

そうした大反響の中、私たちはオウンドメディア「ペイモブログ」を立ち上げます。
近いユーザー同士でDLするとバイラル係数が高い。じゃあ、近いユーザーってどこにいるんだっけ…その答えがオフィスでした。ただ単にオフィスの紹介をするのではなく、より注目を集められるよう、かわいい女の子に「ペイモガール」としてオフィス訪問をしてもらい、企画が映えるようにしました。「ペイモガール」は知名度も高く、SNSなどでも話題に上がるほど注目を集めています。

さらにオフィスのお菓子販売など、オフィスを起点にわりかん以外の利用も拡充しています。

最近の施策

最近では他のサービスと協力してキャッシュレス社会に向けたPRの取り組み、業界全体を盛り上げる活動も進めています。1社のみで活動するのではなく、業界全体で力を合わせて市場を成長させていきたいと思っています。

アプリの初期フェーズに置いて、ユーザー数・認知度向上につなげる『pring』のグロースハック

登壇者紹介

株式会社pring マーケティング・広報 曽根田優菜(そねだ・ゆうな)氏

事業の紹介

pring(プリン)』はスマホでメッセージを送るような感覚で、簡単にお金のやりとりができるお金コミュニケーションアプリ。個人間の送受金やスマホをかざすだけで店頭での支払いができます。

本日は、リリースから3ヵ月間でユーザー数と送受金総額を4倍に増やすなど、短期間で順調にグロースさせることができた理由についてお話します。

『pring』のグロースハック

『pring』が実施してきたグロースハックは主に3つあります。

1.キャンペーン

一つ目はキャンペーンで人を呼び込み、『pring』を利用してもらうこと。
『pring』ではまだ広告を打ったことがないのですが、その代わりに様々なキャンペーンを実施しています。

実際に行ったキャンペーンと効果をいくつか紹介しましょう。
まずは「友達紹介キャンペーン」。これは紹介した人とされた人の両方にお金をプレゼントするというキャンペーンです。
SNSを通した拡散が興じて、ユーザー数は約2倍に増えました。今後はプレゼントする金額を少しずつ変更して、CPAの効果検証を行う予定です。

二つ目は「日本代表応援キャンペーン」です。エントリーすることで、日本が勝てば200円、引き分けなら50円、負けなら50円をプレゼントするという参加型キャンペーン。ワールドカップの話題性に便乗した結果、こちらも上記同様SNSで話題を呼び、新規登録者が大幅に増加。
また、プッシュ通知でこのキャンペーンのお知らせを送ったところ、休眠ユーザーの10%を復帰させることができました。プッシュ通知に関しても、もっと様々な効果が期待できそうですので今後文言などのA/Bテストを実施していくつもりです。

2.UI/UX

初期のデザインはパッと見た時にこのアプリで何ができるかわかりにくく、あまり良いデザインとは言えませんでした。アプリを開いたときに少しでも「使い方がわからない」「使いづらいなあ」と思われてしまうと、手に取ってもらえなくなります。

そこでより使いやすいアプリにすべく、ユーザーの「よくわからない」を徹底的に排除し、デザインに反映させました。上記の画像は初期のデザインです。

改良後は『pring』の基本操作である「送る・もらう・払う」を目立たせ、直感的に操作ができるデザインにしました。また、キャラクターを際立たせることで、金融系のサービスという固いイメージを払拭し、親近感を持たせることができたと思っています。

便利な機能がたくさんあるのは良いことかもしれませんが、機能が多すぎると逆に使いづらくなってしまうことも…。私たちは常に使いやすさを追求し、引き算視点でアプリを改良するよう心がけています。

3.スマホの外に

キャッシュレスを浸透させるためには、スマホがお財布代わりになるような存在でなければなりません。つまり、お財布代わりになる=生活に密になるということです。そのためには、スマホ外の実生活に影響がなければ意味がない。
そう考えて『pring』では“経済圏を作る”ために実証実験を行っています。

例えば、ある小さな新聞屋さんを起点にして考えた場合、配達員の報酬を毎週『pring』経由で支払い、新聞屋さん内の売店でも『pring』を使えるようにしました。このことにより、新聞屋さんという小さなコミュニティの中で『pring』の経済圏を作ることができます。

実証実験では、1ヵ月で500件も『pring』でお金のやり取りがあることがわかりました。結果から効果が大きいことがしっかりとわかりましたので、このように検証をしながら、もっと大きなスケールで経済圏を創出していこうと思っています。

まとめ

まだまだ走り始めたばかりの『pring』。今後さらに検証や失敗を重ねつつ、グロースさせていきたいと思います。

『バンドルカード』のマーケティング施策

登壇者紹介

株式会社カンム CEO 八巻渉(やまき・わたる)氏

事業の紹介

バンドルカード』は、誰でも・簡単に・すぐ持てるVisaカードアプリです。アプリを入れて会員登録をするだけでカードを発行できます。利用前にチャージをするプリペイド式なので、お金を使いすぎる心配もありません。
カードの発行には、通常手続きなどで早くても1週間程度は掛かります。しかし、『バンドルカード』の最大の強みはたった60秒でVisaカードが持てることです。
利用者層はクレジットカードを持つことができない10〜20代が多くを占めています。

実施したマーケティング施策

オンボーディングを改善し、会員登録を増やす

リリース直後はオンボーディングの画面に表示されるのがアプリのロゴのみだったため、DLをしても「使い方がわからない」と、会員登録まで至らないユーザーがいました。そこを解決するために、サービスの説明をするアニメーション動画に変更した結果、会員登録が5%増えました。

アプリストアで詳細に説明することはもちろん大事ですが、アプリ内で改めて説明することで、よりユーザーに理解を深めてもらうことができるのです。

YouTuberを活用して大きな反響を呼ぶ

サービス開始より、定期的にYouTuberを大々的に活用したPRを実施しました。
金融系サービスは説明事項がたくさん記載されているため、全てをユーザーに理解してもらうには困難を極めます。また、若年層の中にはクレジットカードを持っていない人も多く、アプリの使い方を0から説明するのは大変…。そこを10代から20代、つまりユーザーと同世代のYouTuberを起用したことで一気に認知と理解を深め、多くのDLを獲得することができました。

動画だと時間を掛けてサービスの説明ができるので『バンドルカード』の魅力や利用方法をしっかり伝えることができる。さらに自分の好きなYouTuberが面白い話をしながら説明してくれるので、ファンは熱心に耳を傾けますし、説明が浸透しやすいのだと思います。

後払いチャージの開始

リリース後、ユーザーの声として多く上がっていたのが、「チャージするためにわざわざコンビニに行くのが面倒くさい」「手元にお金がないけど、いますぐ欲しいものを買いたい」といった声。そうした要望に答えるべく、2018年4月にその場でポチッとすればチャージができる後払いチャージ機能を追加しました。支払いは翌月末まで。これなら急な出費があっても対応ができると好評です。

ユーザーヒアリングでニーズを洗い出す

果たして、後払いの需要は実際にどのくらいあるのだろうか。ニーズと機能がフィットしているのかを確かめるために、20〜34歳を対象に『「ポチッと」チャージ』のユーザーニーズ調査を行いました。

調査の結果、ひと月に自由に使えるお金は「3万円以下」という回答が全体の62%を占めていました。
また、ひと月に足りないお金の額については、「足りている(借りてまで使うことはない)」というユーザーが全体の6割。逆に、「借りてでもお金が必要」というユーザーが4割程度いることがわかりました。全体の25%が「2万円以下(のお金が足りない)」と答えていることからも、少額ですが間違いなくニーズはある。

『「ポチッと」チャージ』の利用については全体の75%が好意的な意見でした。調査全体を通して、私たちは後払いチャージのニーズは確実にあるということを認識しました。
このように調査によってニーズを発掘できるので、定期的に調査を実施して新たなニーズを探っていきたいです。


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「Growth Hack Journal」を運営している「Repro」は、アプリ解析・マーケティングツールの提供からユーザ獲得やユーザ定着のためのマーケティング支援等のソリューションまでワンストップで提供、アプリの成長を支援しています。

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