本記事は、2017年11月15日に開催した 「Growth Hack Talks #7」での発表内容を元にしたイベントレポートです。30兆円を超える巨大市場を抱える不動産業界ですが、現在では古くからの慣習や法規制により長らくIT化が遅れていた同業界にイノベーションが起ころうとしています。「カウル」のご担当者様に自社アプリにおけるプッシュ通知のノウハウをお話していただきました。

登壇者紹介

株式会社Housmart 松江宏樹(まつえ・ひろき)氏

CIO(Chief Information Officer)

自己紹介と事業の紹介

株式会社Housmart(ハウスマート)の松江です、本日はよろしくお願いいたします。

『カウル』はお部屋探しから購入まで一括サポートするのが特徴の中古マンションを売買できるサービス。
東京23区と横浜、川崎のお部屋のほぼ全てを取り扱っており、最新の価格推定アルゴリズムによりAIが中古マンションの適正価格を高精度に算出しているため、お客様はお得かつ条件にあった物件を簡単に見つけることができます。さらに、オペレーションの一部をアプリで引き受けるなどコミュニケーションの効率化を行うことによって、手数料は半額〜最大0円に。

5,000万円の物件を買うと通常3%の手数料が掛かるため、物件の金額に加えて手数料分の150万円を支払わなければなりません。『カウル』であれば手数料がその半分の75万円、もしくは最大無料で購入できます。ここ1年で売上は4倍に会員数も1年半で1万人を突破しました。

本日は「リテンション率を2倍にするための2つの方法」というテーマで、2つの視点から「わからない」をなくすことで改善した事例についてお話しいたします。

ユーザーが体験する“わからない”をなくす

マンションを購入するには購入者自身にも不動産の知識が必要です。不動産会社から「この物件は5,000万です」と言われても予備知識がなければその価値の真偽はわからないですし、知らない単語で説明されても状況が把握できず、購入の判断すらできませんよね。

このマンションは施設が充実しているし立地も良く、とても素晴らしいマンションに思えますが、これらの情報で金額がいくらか想像がつくでしょうか?
正解は5,680万円。予想通りの金額だと思った方もいれば、予想外だった方もいるかもしれません。この情報を見て物件の相場感や壁芯やWICなどの単語の意味がわからなかったりすると、物件のベースとなる情報の見方すら理解できず、良いお部屋かどうかの判断もくだせません。

そこで『カウル』はユーザーが体験する“わからない”をなくすことにしました。
ユーザーにヒアリングをすると多くの方が「どこでどの物件を購入すればいいのかわからない」、「騙されたくない」と言います。
いざ、データを目の前にしてみるとユーザーが体験する“わからない”は山ほどあり、これをなくしていくよう努めています。

『カウル』にはユーザーが体験する”わからない”が2つありました。
1つがマンションの選び方。もう1つがお気に入りの機能とは何か、そもそもアプリのインストール方法がわからないなど、アプリの使い方についてです。

相場感はわかるが『カウル』の使い方がわからない、相場はわからないが『カウル』の使い方はわかるなど、マンション購入への理解度とアプリへの理解度でユーザーの状態を上の画像のように分類しました。

このような“わからない”状態が続いてしまうと、アプリの離脱へ繋がったり、相場はわかるから他社で購入するといったユーザーが出てきてしまいます。
買いたいけれど買えないユーザーを減らすべく、マジックナンバー分析を行い、あるアクションがどのくらいリテンション率やユーザー数に関わっているか分析し、『カウル』のコアバリューに辿り着くまでの重要なアクションを洗い出しています。

分析する際には、購入した人のメッセージ使用率が高いのは契約までのやりとりに必要だからであり、メッセージをしたから購入したわけではない、といった因果関係をしっかりと意識しながら行っています。
そうして重要なアクションを見つけ、どのアクションがどの理解度に当たるのか、ステップ毎に細かく分類しています。そこで理解を促進するアクションにつながる施策を打っています。

相場はわかっているがアプリに慣れていないユーザーには、「気になるお部屋があったらお気に入りに登録しよう」など、アプリ内メッセージやプッシュ通知でアクションを促します。アプリを使いこなしてはいるが不動産の知識が乏しいユーザーには、ローンの事前審査をしていくといいよと伝えるなど、ユーザーを分類して繰り返しコミュニケーションを重ねます。

アプリへの理解を深めてもらうため、「部屋を見てみよう」「見学してみよう」と機能へ導くプッシュ通知を送りますが、毎回同じ内容ではなく複数の切り口でメリットを伝えるテキストを組み立て特定のユーザーに複数回アプローチを行います。後押しするように、アプリ内メッセージでも同じ内容を訴求して、何度も良さを伝えます。

また、ユーザーがつまずく障害を減らすこともしています。ユーザーに会ってヒアリングをしたところ、実は入り口の部分、会員登録のステップでつまずいている人がいるとわかりました。「確認メールを送信致しました」と表示された画面を見て、「どうすればいいですか?」と聞かれることがありました。その時は会員登録の際に確認メールを送っていたのですが、今は確認メールを経由せずにアプリを使えるようにしています。

こういったことを繰り返して改善し、アプリのコアバリューに辿り着いてもらうようにする。そうしてアプリを使ってくれている人の“買いたい”を叶えています。

結果、リテンション率は2倍に増え、さらに今年は一年を通して見学ユーザー数が10倍以上に増加しました。

マンション購入に限らず、人生での体験回数が少ないサービスや、店頭でのセールスの説明が重要な高額商品をアプリで扱う際には、アプリへの理解と商品への理解の2つを深めてもらうことが必要だと考えています。

まとめ

アプリへの理解とマンション購入への理解の2つの視点から、“わからない”をなくした結果、大きく改善することが出来ました。ユーザーが体験する“わからない”をなくし、サービスのコアバリューに辿り着いてもらうことがユーザー満足への最短ルートとなるのではないでしょうか。
本日はご清聴ありがとうございました。


モバイルアプリの成長支援パートナー「Repro」

「Growth Hack Journal」を運営している「Repro」は、アプリ解析・マーケティングツールの提供からユーザ獲得やユーザ定着のためのマーケティング支援等のソリューションまでワンストップで提供、アプリの成長を支援しています。

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