本記事は、2017年9月20日に開催した 「ぷっ」しゅまでの発表内容を元にしたイベントレポートです。モバイルアプリ市場が拡大する中、アプリをDLしたユーザーの継続率や課金率を高めていくためアプリ内マーケティングの重要性が高まってきています。そのアプリ内マーケティングの中でも代表的なのが「プッシュ通知」による施策です。「yukiyama」のご担当者様に自社アプリにおけるプッシュ通知のノウハウをお話していただきました。

登壇者紹介

株式会社神戸デジタル・ラボ 佐々木直人 (ささき・なおと) 氏

高度情報処理技術者 (システムアーキテクト)

自己紹介と事業の紹介

今回ご紹介するアプリ『yukiyama』の企画から開発までを担当している、佐々木と申します。株式会社神戸デジタル・ラボは1995年に神戸で創業したITベンダーで、セキュリティーからIoT、webやアプリの開発など手広く事業を行っています。

2016年11月にリリースした『yukiyama』は、プロスノーボーダー・岡本圭司さん監修のもと開発されたスキー場での情報発信やコミュニケーションを可能にするアプリで、BtoBtoCのプラットフォーム型サービスです。

課題や特徴から逆算して機能を設計

はじめに、ウィンタースポーツを主としたサービスの開発において、BtoBtoCそれぞれの観点から浮き出た課題と特徴について説明させていただきましょう。

B-サービス利用側 (スキー場)

  • 集客に使えるツールがない
  • スキー場は情報発信の場としてwebサイトや紙媒体を持っているが、天候の良し悪しに大きく左右されるため、シーズン中はメンテナンスする情報が多く、日々の運用が大変
  • アプリを作りたいと思っているスキー場は多いが、アプリ1つに対して最低でも200〜300万もの開発費がかかるため、なかなか手をつけることができない

C-カスタマー (利用者)

  • 楽しくウィンタースポーツをしたいが、交通情報を調べたり道具を揃えたりと事前の準備が大変
  • アプリを使うこと自体は面倒くさいが、楽しいアプリなら使いたい
  • スキー初心者から上級者、ファミリー、学生同士、スキーだけする方、スノーボーダーなどユーザー属性が幅広い

B-サービス提供側 (弊社)

  • ライバルは少ないが未知なる分野への挑戦という不安がある
  • ウィンタースポーツは日本だけでなく海外でも人気があるので、同様の機能をベースに海外展開も狙っている
  • スキー場からカスタマーへ関わる人全員の価値を上げることを目指している

これら3視点からの特徴を踏まえた上で『yukiyama』の設計をしました。 カスタマー側には、全国400カ所あるスキー場の検索とそのスキー場のリアルタイムな情報を取得できる機能、現地でのグループコミュニケーション機能に滑走履歴・滑走速度などを記録できる機能が搭載されています。さらにこれからSNS的な要素も追加する予定です。 サービス利用側(スキー場)には、スマートフォンの管理画面上で現地スタッフがパーク情報やリフト情報を更新できるようにしています。更新した情報は他のサイトでも更新されるよう連携し、運用の手間を大幅に軽減しました。加えて、ユーザーの動向を分析する機能もあります。

『yukiyama』を加速させる、5つのプッシュ通知機能

アプリのプッシュ通知は、webサイトと違って自由に送信できることが強みです。 ただ、サービス利用側(スキー場)がなんでもかんでも一方的にプッシュ通知を送ってしまうと、ユーザー側は嫌がるかもしれない。そこで“意味のある”プッシュ通知を送ってもらうためにも、弊社はBtoBtoCの最初のサービス提供側として、試行錯誤を重ねながら以下のような機能を組み込みました。

1.利用者の属性を絞り込んで、プッシュ通知を送信できる機能

シーズン中、スキー場ではファミリー向け、おひとり様向けなど、様々なイベントが開催されています。 そんな中、あるスキー場が「ゲレンデで合コンイベントを開催します」と全員に同じ内容のプッシュ通知を送ったとしても、興味を持たない人も出てくる。そこで『yukiyama』では個人の属性を設定できるようにし、属性を絞り込んでプッシュ通知を送る機能を管理画面側に持たせました。

2.利用者の来訪時期、回数によってプッシュ通知を送信できる機能

スキー場の最も大きな課題、それが集客です。一度スキー場に来ていただいた人に、また再訪してもらいたい。では、どんなプッシュ通知を送れば有効なのでしょうか。

この場合、1週間前に来た人と1年前に来た人では、同じプッシュ通知を送っても効果が変わります。そのため、ユーザーが最後にいつスキー場を訪れたかを管理画面側から把握できるようにして、それぞれに対して興味や関心を起こすような内容でプッシュ通知を送信する機能を作りました。

3.リアルタイムな現地情報を、プッシュ送信できる機能

アプリにはGPSを利用したスキー場のチェックイン機能が備わっているので、ユーザーがいつ・どこのスキー場にいるかを把握することができ、来場中のユーザーに限定したプッシュ通知の配信ができます。 例えば、スキー場が16時に営業終了予定で、場内のレストランが終了前までに少しでも在庫を売ってしまいたい場合。14時ごろに「15時から割引サービスを行います!」と送ることで、ユーザーに興味を持たせ、客足を増やすことに貢献します。

4.ユーザーの負担を軽減するプッシュ通知を送信する機能

ユーザーの中には、スキー場到着後のチェックインを忘れてしまう方も多くいらっしゃる。 そういったユーザーには、位置情報に紐づいたプッシュ通知が配信できる富士通クラウドテクノロジーズ社の「ニフティクラウド mobile backend」を利用して、スキー場近くに来た時に自動でチェックインを促すプッシュを送信。そうすることで気づきを与え、チェックインがしてもらいやすくなります。

5.プッシュ通知のPDCAを行える機能

プッシュ通知とメールとの違いは、開封率を確認出来る点。 プッシュ通知はただ送るだけで終わり、ではなく、狙った効果があったかを検証して結果をもとにしたPDCAを回す必要があります。

そのためには、プッシュ通知の開封後、ユーザーがどの画面に遷移したか、どのユーザーが離脱したかといった行動履歴を計測ツールで測定し、そのデータが管理画面でわかるようにすること。 どの属性のユーザーにどんなプッシュ通知が効果的だったのかが管理画面上で可視化されるため、今後の改善にも繋がっています。

6.機能ではないが、初期サービスは実装にはコストをかけない

プッシュ通知はクロスプラットフォームの対応や端末IDとユーザーとの紐付け、さらにiOSの場合は1年ごとにプッシュ通知用証明書の更新が必要だったりと管理するものが多く、実装するのも大変です。 これらを管理する機能も追加すると多額のコストが発生してしまうので、サービス設計側にコストをかけた方がいいかもしれません。

まとめ

以上、BtoBtoCのサービス開発で必要だと感じたことは、以下の5つです。

**
* なんでもプッシュ通知を送ればいいというわけではなく、意味のあるプッシュ通知を送れる設計が重要!
* サービス利用側の課題から逆算して機能設計を行うこと
* ユーザーの特徴を理解して機能設計を行うこと
* サービス利用側がPDCAできる仕組みを提供すること
* 新規サービスではプッシュ通知の実装、保守にコストをかけるより、サービス設計の方にコストを投入するべき**

みなさんも一緒に、プッシュ通知の可能性をどんどん引き出していきませんか。 最後に、ご自身や周りにスキーやスノーボードなどのウィンタースポーツが好きな方がおられましたら、是非とも『yukiyama』を使ってみていただければと思います。オフシーズンのイベント情報も掲載していますので、一年を通して山や自然を楽しんでください。 ご清聴ありがとうございました。


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