本記事は、2018年2月13日に開催した「Growth Hack Talks #9」での発表内容を元にしたイベントレポートです。アプリ業界で今もっとも勢いのある市場の一つである漫画アプリ。 コミック誌の発行部数が落ち込む中、デジタルコンテンツとしてのマンガは、スマートフォンで楽しめる手軽さもあいまって、年々売り上げを伸ばしています。「マンガトリガー」のご担当者様に自社アプリのノウハウをお話していただきました。

登壇者紹介

株式会社ナンバーナイン 荒井健太郎(あらい・けんたろう)氏

取締役

自己紹介と事業の紹介

株式会社ナンバーナインの荒井と申します。本日はよろしくお願いいたします。

『マンガトリガー』はマンガのセレクトショップです。読みたい作品が24時間ごとに1話無料で読めますし、ホリエモンをはじめ有名人がおすすめするマンガを読むこともできます。
1話読んだら次回予告として次の1話をチョイ見せするなど、継続して読んでもらえるような工夫も凝らしています。

ユーザーテストは人を集めて意見を聞いたりまとめたりしなくてはならないため、手間がかかると感じている方のほうが多いかもしれません。
弊社は他社と比べて社員数が少ないのですが、その中でもリソースを最大限効率的に活用しながら1年間を通して『マンガトリガー』のグロースを行ったところ、ユーザーテストが最もコスパが良いとわかりました。
本日は、なぜユーザーテストはコスパが良いのか、具体的にどういうことを行ってきたのか、お話しましょう。

『マンガトリガー』のグロース

弊社ではテストを1ヵ月単位で管理しつつ、iOSとAndroidの両OSを2週間単位で一つひとつKPIを追っています。

こちらは普段使用しているKPIの管理シートのサンプルです。KPIの分析には、主にユーザーをグループごとに分類するコホート分析を利用しています。無料話やお気に入りなどの項目の他にも、データを取得できるイベントは全て分析。どれがヒットするかわからないので、とにかく分析して一番インパクトが大きそうなイベントを決めています。
ユーザーは、24時間ごとに「待てばタダチケット」がもらえる。チケットを利用した人は翌日も再訪しますが、こういうパターン化されているものについても数字でしっかりと一つずつ追いながら、どんなアクションを仕掛けていくかを考えています。

ユーザーテストを始めた理由

「待てばタダチケット」の数字を伸ばそうと、KPI分析の結果をもとに“とりあえず”ブレストを行って、いろいろな施策を考えたことがありました。A/Bテストを実施したり、ポップの文言を変えたりしてみましたが、数字を見てもどの施策が再訪に起因しているかわからない。

KPI分析だと問題箇所はわかっても原因は特定できません。つまり、数字を見れば「待てばタダチケット」が使われていないという問題はわかりますが、使ってもらえない原因についてはわからないのです。実際に使いやすさや使い勝手を試してもらうユーザーテストなら、原因を特定することができるのではないか。そこで私たちはユーザーテストの実施を決めました。

シチュエーション×タスクでテスト設計

ユーザーテストは「夜寝る前に○○してください」というように、シチュエーション×タスクで検証をしています。

タスクは、『マンガトリガー』をどのような経緯でダウンロードしたのか、オーガニック、広告、PR系の記事など流入経路に応じて変えるようにしています。

動画で課題を見える化する

テストを実施する際は、あわせて動画を撮影することをおすすめします。弊社は①インカメで表情②後ろから手元を撮るという2パターンを撮影しています。
インタビューに参加することができなかったエンジニアやデザイナーにテストで見つかった課題を言葉だけで伝えても、彼らの主観が入ったりして納得してもらえなかったりする。百聞は一見に如かずではありませんが、動画があれば言葉より明確に伝わる。ですので、彼らのモチベーションを上げるためにも、必ず動画を撮影して渡すようにしています。

課題は軸を分けて整理する

ユーザーテストの動画を見ながら「できないorやりにくい」と「発生頻度」に分けて課題を整理します。アプリを起動したユーザーが、自分が読みたいマンガを見つけられないのは「できない」に分類する。読みたいマンガを見つけることができたけれど読むまでの操作がわかりにくい場合は「やりにくい」に分類する、というように。
社内では効果と効率の問題と呼んでいますが、効果の高い問題かつ発生頻度の高い問題から解決することでKPIを上げるようにしています。

人気アプリを参考にして施策出しをする

施策出しについては、国内外で売上げの高そうなアプリを参考にしています。その時に重要なのは、一時的に参考にするのではなく時系列を変えて日々スクショを取り、どういう機能が追加されたかという点も一緒にストックすることです。

とにかく大きいところから手をつける

課題が出てきたらストックしたアプリの成功事例を見てどういう施策が打てるかを考え、出てきた施策を「工数」と「インパクト」で分類します。
この時に大切なことは、必ずエンジニアとデザイナーのメンバーをこの施策出しに参加させること。エンジニアがいればその場で施策の工数が分かるし、デザイナーがいればその場で実際にデザインを考えてもらえます。そうすることで、その場でデザインやイメージが共有されますし、施策を実施するかどうかの意思決定もその場で判断することができるため、スピード感を持って取り組むことができるのです。

試した施策の中で一番後悔しているのは、小さいボタンの位置を変えたり、少しデザインを変えたり、細かいところに注力しすぎたことです。1、2週間程度で実施できる施策ですが、成果にはあまり結び付きませんでした。そこで1ヵ月や2ヵ月、いや、3ヵ月かけてでもUXを根本的に解決できるような課題にアプローチしなければ成果はあがらないと学びましたね。

効果的だった施策事例

実際に一番効果が見られた事例は中央のもの。『AbemaTV』が右下にUIを集中させているという話を聞いて『マンガトリガー』も「マイ本棚」を下に設定したところ、数%の効果が出ました。
右側は、App StoreのTodayタブを意識したものです。初めてアプリを利用するユーザーは読みたいマンガを探すのにとても慎重。そこで、がっつりとレビューを書いて作品を吟味できるようにしました。また、Googleによると日本人は情報密度が高いものを好む傾向があるとのことなのでこれは効果的な施策かもしれません。この施策で「待てばタダチケット」の使用率が数%アップしました。

中でも一番成果が出たのはBINGOの機能です。作成に約2ヵ月かかりましたが、ユーザーにタスクを振って実施してもらうという施策が最終的に一番の成功をおさめました。

まとめ

データ分析だけでは問題の原因を特定するのが難しいですが、ユーザーテストを実施することで明確な原因がわかるため無駄がなくなります。つまり、総体的に考えるとコスパが良くなるというわけです。
ユーザーテストをする時はシチュエーション×タスクでユーザーテストを分類すると問題が明確になり、効果的な施策を行いやすくなりますよ。また、動画撮影をすると様々な場面で有効活用できます。そうして見つけた課題は、まず大きいところから手をつけてみると結果がでやすいかもしれませんので、ぜひ試して見てください。ご清聴ありがとうございました。


モバイルアプリの成長支援パートナー「Repro」

「Growth Hack Journal」を運営している「Repro」は、アプリ解析・マーケティングツールの提供からユーザ獲得やユーザ定着のためのマーケティング支援等のソリューションまでワンストップで提供、アプリの成長を支援しています。

提供サービスについて詳細はこちら


【毎月5社 限定】ASO無料診断実施中!

ユーザーがアプリ見つけやすいよう、アプリストア内のコンテンツを最適化することは重要です。ASOの改善余地について、無料で診断します。

お問い合わせはこちら

プッシュ通知許諾率無料診断実施中!

自社アプリのプッシュ通知の許諾率の解析、および許諾率を改善した場合に増加するユーザーの再訪数やコンバージョン数を無料でシミュレーションします。

お問い合わせはこちら