本記事は、2017年9月14日に開催した 「Growth Hack Talks #6」での発表内容を元にしたイベントレポートです。アプリ業界で今もっとも勢いのある市場の一つである漫画アプリ。大手出版社から新興ベンチャー企業までが漫画アプリを提供し、群雄割拠の様相を呈しています。「comico」のご担当者様に自社アプリにおけるプッシュ通知のノウハウをお話していただきました。

登壇者紹介

NHN comico株式会社 大藤充彦 (おうとう・みつひこ)氏

Creator’s Supportチーム 事業プロデューサー/中小企業診断士

自己紹介と事業の紹介

こんばんは、NHN comico株式会社の大藤です。今日はよろしくお願いします。私はディレクターの育成や海外アライアンスを軸に、幅広く業務に携わっています。

弊社では現在、『comico(コミコ)』と『comico PLUS(コミコプラス)』、2つのサービスを展開しております。

『comico』は2013年10月31日にサービスを開始した、オリジナルマンガとオリジナルノベルが楽しめるアプリです。国内では1,500万DLを達し、公式な作品数はマンガが182作品、ノベルが55作品(2017年9月)。
利用料金はそれまで完全無料だったものを2016年の12月から基本は無料、「先読み機能」を利用する場合有料、に切り替えました。
『comico』は全年齢を対象としていますが、『comico PLUS』は2015年12月7日、青年誌の位置づけでサービスを開始しました。こちらは国内で350万DL、マンガの作品数は339作品。若年層をターゲットとしてスタートしており、基本は無料、「先読み機能」の利用で有料となっています。

両者ともベースは無料ですが、作品の続きが気になって翌週まで待てない、今すぐ続きが読みたい、と言う方には有料で「先読み機能」を追加いただくというビジネスモデルになっています。

今回は率先して進めている海外展開についてお話をさせていただきたいと思います。

私たちは『comico』が国内でのサービスを開始して間もない2014年の7月に、台湾でもサービスを開始しています。その後2014年10月に韓国、2016年2月にはタイでもサービスを開始し、2016年6月には世界累計で2,000万DLを突破しました。日本、台湾、韓国、タイの4拠点でのDL数は2,500万 (2017年8月) に達し、アクティブユーザー数は300万人ほど。
中国にも進出してはいますが、他国とは別の形態で展開をしています。

comicoのグローバル展開

日本を皮切りに、台湾、韓国、タイに加え、2017年6月からはスペイン語圏でもサービスを開始しました。

2ヵ国語以上でグローバル展開しているオリジナルIPコンテンツは270作品あり、そのうち4ヵ国同時連載している作品は61作品。2ヵ国以上に展開していない作品は、1,000〜1,500ほどあるでしょうか。
アジアに関しては戦略的にも収益化に成功していますので、ここからさらに拡大を進めますが、スペイン語圏の拡大や英語圏への進出も検討しています。
中国は先ほど申し上げましたが、現地企業と連携して市場に進出するという、他国とは少し異なる形で展開をしております。
元々スペイン語圏以外は無料でサービスを開始していましたが、現在は収益拡大に向けて全地域での有料化を進めています。

続いて、各国の状況についてお話をしていきましょう。

台湾

台湾のみではなく、同じ繁体字 1)古来から中国で使われている由緒ある文字(はんたいじ)を使っている香港、マカオ、マレーシア地域までカバーしており、2016年には「Google Best APP」に選定されました。
『LINE WEBTOON』が競合サービスになりますが、こちらのサービスは主にPCの方で展開されています。アプリだと600万DLなんですけども、この600万DLは台湾の中ではFacebookやLINEとか、それぐらいしかいないです。

現在連載中の作品は169作品、完結作品は114作品。「復讐は知らないうちに」は日本でも人気が高い作品ですが、日本人ではなく実は台湾の作家さんが描いています。このように、様々な国で作られた作品が国を越えて相互に展開しています。
ですので、台湾に限らず各国に日本の作品を持っていくことで、ローンチからすぐに多様なラインナップを揃えることができる。そこが攻めポイントになっていますね。

韓国

韓国は、縦スクロールで読み進むマンガ『LINE WEBTOON』発祥の地。そのせいか、一番競争が激しく、古くからの競合が存在します。基本は無料のサービスが多く、アプリ内広告表示で課金されるマネタイズモデル。Naverが検索によせて広告を展開しており、そういったモデルが中心ですね。
韓国ではマンガと単行本、ノベル、アニメ、映画、配信サービスを持つストアの総合プラットフォームとして展開し、激烈する競争の中、決済プランの多様化や期間限定のサブスクリプションとか、など、様々な角度から課金する仕組みを作っています。

タイ

東南アジアは他の国での展開も検討していますが、タイは特に規模が大きく、魅力的なマーケット。タイでは有料マンガプラットフォームとして運営しています。
競合サービスはここでもLINE。『LINE WEBTOON』はタイで1番スケールが大きいのですが、『comico』も同じぐらいのボリュームを稼ぐことができれば追い越すことができるかもしれません。
タイでも各国の作品が人気ではありますが、他国と異なる最大の特徴はBL(ボーイズラブ)の人気が強く、1番人気のタイトルもBLだということ。
のんびりとした国柄に対しスピード感を持って参入していくことが、サービスを大きくしていく上での大きなポイントになるんじゃないかと感じております。

スペイン語圏

スペイン語圏では、現在南米にチャレンジしています。南米の人は日本のアニメやマンガに馴染みがありますし、スペイン語圏は4億5千万人と人口が非常に多いので、積極的に攻めていきたいですね。

中国

中国でトップ4に入るマンガアプリのMAUはそれぞれ、1位『Kuaikan』3,188万、2位『Tencent』1,173万、3位『漫画島』485万、4位『Manman』464万。もちろん、人口の違いはありますが、日本のメインプレーヤーでここまでMAUを獲得しているアプリはないのではないでしょうか。
強いプレーヤーがいる市場であるため、私たち日本のプレーヤーはどう戦っていくかを戦略的に考えなければなりません。

海外展開の課題と解決策

海外展開しながら直面した課題と解決策について配信面とコンテンツ面で考えた結果、フットワークを軽くして戦わなければならないという結論に至りました。

例えば日本に「台湾の作品を書籍化したい」と話がきた場合。日本と台湾間で何往復も確認や調整をした上で台湾が意思決定をするため、スピード感が削がれてしまうことが課題でした。
これに対して、2017年にコンテンツマネジメント体制を変更し、日本のチームがグローバルヘッドクオーターとして全コンテンツの意思決定をする体制を整えました。

各国のマーケットでアプリを運用する中、各ローカルでヒットした作品は他国へ展開してもヒットするということが分かってきました。
ですので、ヒットしたタイトルを他の国の『comico』でも展開するようにしていますが、このリリースにタイムラグがあると、コピー版(海賊版)が先に出回ってしまうことも…。

この課題を解決するため、一度ヒットした作品は世界一斉同時連載を開始する体制に変更しました。
人気作品の「ReLife」は日本の作品なので次の連載が多少早く日本でリリースされますが、他国には同タイミングでリリースしています。このような作品が64作品あります。

まとめ

私たちの強みは、一気通貫に方向性を決定できる体制を築いたこと、現地で検証されたIPを導入することによってグローバル展開での成功率をあげることができること。
その強みを活かし、全てのcomicoIPの決定権と展開ノウハウを日本に集約することでASPをあげ、グローバルマネージメントの成長を目指していきたいですね。


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「Growth Hack Journal」を運営している「Repro」は、アプリ解析・マーケティングツールの提供からユーザ獲得やユーザ定着のためのマーケティング支援等のソリューションまでワンストップで提供、アプリの成長を支援しています。

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注釈   [ + ]

1. 古来から中国で使われている由緒ある文字