本記事は、2017年11月15日に開催した 「Growth Hack Talks #7」での発表内容を元にしたイベントレポートです。30兆円を超える巨大市場を抱える不動産業界ですが、現在では古くからの慣習や法規制により長らくIT化が遅れていた同業界にイノベーションが起ころうとしています。「SUUMO」のご担当者様に自社アプリにおけるプッシュ通知のノウハウをお話していただきました。

登壇者紹介

株式会社リクルート住まいカンパニー 徳永優作(とくなが・ゆうさく)氏

ネットビジネス統括本部 SUUMOアプリプロダクトオーナー

自己紹介と事業の紹介

今回、『SUUMO』におけるアプリの役割と改善アプローチについて紹介させていただく、株式会社リクルート住まいカンパニーの徳永です。よろしくお願いいたします。
私は新卒で株式会社リクルートに入社し、UI/UXの改善や企画開発を経て、現在は『SUUMO』アプリのプロダクトオーナーを担当しています。

『SUUMO』は賃貸情報だけでなく、マンション、1戸建て、土地の販売・売却情報からリフォームや注文住宅まで、あらゆる情報が満載の不動産総合ポータルサイトです。家を買いたい・売りたいと思っているカスタマーと物件を販売したいと考えているクライアントをマッチングさせるビジネスモデルになっています。

カスタマーの中には賃貸マンションを探しいている人もいれば、新築マンションを探している人もいる。目的は個々に幅広いもの。
様々な種別のカスタマーに対して複数の接点からサポートを行うために、『SUUMO』はPCやスマホサイト、アプリだけでなく、カスタマーとのリアルな接点の場としてフリーペーパーの配布や実店舗となる相談カウンターも設けています。

複数のメディアがある中でのアプリの役割

デバイス毎に『SUUMO』へのアクセス数や属性を分類して比較したところ、アクセスボリュームが一番多いのはSP Webで、一番少ないのはアプリでした。この数値の差には、デバイス個々の使い方の違いも大きく関連しています。同じスマートフォンからのアクセスであっても、SP Webは移動中や出先などでサクッと検索して欲しい情報を簡単に取得したい時に使われることが多く、アプリは同じ隙間時間でもパッと何回も開いて様々な情報を確認するために使わることが多いですね。

デバイス毎の目標および改善ポイントで言うと、SP Webはいかに最短距離で欲しい情報を提供できるか。アプリに関しては簡単に欲しい情報を見つけられるかということに加え、継続的にと使いたいと思ってもらえるかを重要視しています。
アクセスボリュームが一番少なくても、モチベーションの高いユーザーが最も多いのはアプリです。

では、複数あるメディアの中で、アプリが担っている役割とは何か、お話ししましょう。

Webとアプリの違い

Webは検索すればすぐにコンテンツを見ることができますが、アプリは利用に至るまでの壁がとても厚い。まずサイトやアプリストアなどでリンクをクリック→ダウンロードボタンを押す→パスワードを入力。ダウンロードが完了したら、起動して初回チュートリアルが開始する。これら一連の流れを経由してやっと利用開始となります。ここに辿り着くまで、少なくとも5分はかかりますよね。

ただ、この難関さえ超えることができれば、アプリアイコンは常にスマホのホーム画面上に表示されますので、2回目以降の利用は起動後すぐにコンテンツを見ることができます。アプリは一度訪ねてもらうには非常に高いハードルがあるものの、そのハードルを越えたカスタマーが利用するものなので、ダウンロードしたカスタマーはとてもロイヤリティーが高く、月に複数回訪ねてもらうにはアプリは最適な場所だと思っています。
最初の検索はWebの方が手軽で簡単だったりしますが、2回目以降の利用は1回目の検索で使用したクエリを思い出せず、また0から検索しなおさなくてはならなかったりする。
ですので、カスタマー個々の検索履歴や条件などのデータを蓄積して積極的に提案できるアプリは非常に優勢だと言えるでしょう。

プロダクト改善のアプローチ

私たちはアプリ改善にあたって、以下のようなAARRRモデルを利用してどこが伸びていないのかを確認し、注力すべき課題を見つけながら改善しています。

AARRRモデルで確認したところ、リテンションとレベニューに課題があることがわかりました。具体的にどのような策を施したかお伝えしていきます。

フォーム施策によるレベニュー改善

まず、カスタマーはこのページを見て何を考えているのか、遷移先前後を見て彼らのコンテキストを想像します。例えば、賃貸を探す時、どんな行動を起こすだろうか–?
「引っ越ししようかな」→「物件でも探してみるか」→「条件に合う物件はないかな」→「この物件いいな。物件の詳細情報は載っているけど、このあとってすればいいんだろう」…
そこで、物件の詳細情報のあるテキストを変更しました。このテキスト変更により、カスタマーの行動がガラリと変わりました。

“何を”問い合わせるのかをこちらからしっかり提示してあげることで、今までランディングした後の目的が明確ではなかったカスタマーたちに行動を促すことができたのです。

そして、資料請求フォームに到着したカスタマーの迷いと手間を無くすことにも注力しました。
カスタマーが入力前も入力中も迷うことを想定し、今・どの画面の・どの項目で・何を入力すべきかがスムーズにわかるようサポートをしました。入力へのヒントを示すためのプレースホルダーテキストを変更したのですがこれだけでもユーザーの迷いは大きく軽減されます。また、できるだけ不要な項目は減らした方が入力完了までのレートが高まり、CVRも向上することが多いですね。

文言改善による二つの施策などを行なったところ、CVRがグンと上がりました。できるだけカスタマーの迷いや負担を減らすことが何よりも大事であることが改めてわかった瞬間でした。

プッシュ通知によるリテンション改善

『SUUMO』では、3種類のプッシュ通知を送っています。

  1. 新着物件をお知らせするプッシュ通知
    ユーザーが登録した条件を元に、新着物件を毎日通知。一番配信数が多く人気の機能になっていて、SP Webと比較しても利用率は段違い、LTVの高いカスタマーが多い。
  2. おすすめ物件のプッシュ通知
    カスタマーの行動に紐づいてオススメの物件をレコメンド。カスタマー毎の物件のレコメンドと配信頻度もパーソナライズしています。エンゲージメントが高いカスタマーへのコンテンツ提供は効果が高く、おすすめ。
  3. 位置情報のプッシュ通知
    位置情報をキーにして、相談カウンターなどオフラインのコンテンツへの送客も行なっています。プッシュ通知を受け取ってからすぐに開くカスタマーもいるが、時間が経ってから開封するカスタマーも多いため、即座に開かれることはあまり期待しない方がいいかもしれません。

これらの結果、アプリはCVRが高いプロダクトになりました。

まとめ

アプリは最もロイヤルなカスタマーが来る貴重な場所。ですので、アプリがスマートフォンのホーム画面から消えてなくならないよう、ずっと使いたいと思わせることが数字に直結する秘訣となります。
そのためにはユーザーが欲しい情報を欲しいタイミングで適切に提供することが重要だと言えるかもしれません。


モバイルアプリの成長支援パートナー「Repro」

「Growth Hack Journal」を運営している「Repro」は、アプリ解析・マーケティングツールの提供からユーザ獲得やユーザ定着のためのマーケティング支援等のソリューションまでワンストップで提供、アプリの成長を支援しています。

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