本記事は、2018年2月27日に開催した 「アプリの虎 Vol.2」での発表内容を元にしたイベントレポートです。Webを中心にサービスを提供していた企業のアプリへのシフトはここ数年でますます進んでおり、非IT企業においてもアプリを自社事業に活用することで成果を得ている企業が増えてきています。「丸亀製麺公式アプリ」のご担当者様に自社アプリにおけるプッシュ通知のノウハウをお話していただきました。

登壇者紹介

株式会社トリドールホールディングス 西村友博(にしむら・ともひろ)氏

インフォメーションテクノロジー部 グロースアナリシス マネージャー

自己紹介と事業の紹介

丸亀製麺は国内でNo.1の売り上げを誇る、うどんチェーン店。全店、麺から作っており、「手づくり・できたて」のおいしさにこだわり続けているセルフ形式のお店です。
現在は全国で約800店舗を展開し、年間来客数は延べ1億6,000万人です。

『丸亀製麺公式アプリ』は、丸亀製麺の店舗で利用可能なクーポンを定期的に配信するアプリで、総DL数は500万を突破しました。

本日は丸亀製麺におけるアプリの役割と運用のポイントをテーマに、お話しをさせていただきます。

外食事業「丸亀製麺」にとってのアプリの位置付け

企業や業務形態によってアプリの役割は異なるかと思いますが、『丸亀製麺公式アプリ』も事業のフェーズによって様々な進化を遂げてきました。

フェーズ1.ファンコンテンツ時代

この時の狙いは、丸亀製麺のお客様に「丸亀製麺をもっと好きになってもらう」ことでした。アプリを通じて面白い・楽しい体験をしてもらうために、うどん占いをはじめ、天ぷらをデコって作る自分だけのオリジナル写真やVRを活用して店舗の仮想体験ができるコンテンツまで作りました。

リリース当時、世間ではまだアプリをビジネスに活用するという風潮は今ほど高くなくどちらかというとアプリならでの表現力を活かして「楽しんでいただけるものを提供していこう」ということでこうしたコンテンツを作りました。このアプリは一定の支持を得ましたが、あくまでファンコンテンツの提供が主な目的でしたので販促的な観点での効果は微妙でした。そこで次のフェーズへと入ります。

フェーズ2.販促ツール時代

次のフェーズでは、アプリをお客様のリピート回数を増やす販促ツールの一つとして大幅にリニューアルしました。

考え方としてはマーケティングの基本に立ち戻りました。何度も来店するお客様は、全体の売上構成比でみると高い割合を示します。例えば、来店が月1回未満のお客様が、月1回以上のお客様になると、全体の売上構成比が底上げされ売上も増加します。これは新規顧客を獲得するより効率が良いため、アプリをお客様の来店頻度を上げるツールとして位置づけることにしました。

リピートの誘客と購買情報の活用

フェーズ2へアプリをリニューアルする前に、以下の3つの課題が上がっていました。

①アプリをフックにお客様に来店してもらいたい
②アプリの誘客効果をちゃんと計測したい
③リピートに繋げたい

まず①を実現するためにメインコンテンツを写真館やバーチャルの体験からクーポンへと変更。②についてはアプリのクーポンから「このクーポンを使う」を押せばクーポンコードが表示され、そのクーポンコードを店員がレジに入力することでクーポンの利用数を計測できる設計にしました。

最後に、③については会計後のレシートをアプリで読み込むと、再びクーポンがもらえる仕組みを導入してリピートにつながるようにしました。またこの仕組みを導入したことによってユーザー情報と購買情報が紐付き、お客様がどのクーポンを使って、何を購入したのかが計測できるようになりました。その結果、アプリの利用者はアプリダウンロード前と比較すると来店頻度も購入額も増加することがわかりました。

アプリはうまく利用すれば、このようにリピートを作って売り上げを上げることができるのです。

フェーズ3.ユーザーデータを活用し、顧客エンゲージメントツールへ

当初目的としていたリピート利用の増加も出来、売り上げも上がりましたが、この時点では購買情報がわかるのはレシートを読み込んだユーザーのみであることに課題を抱えていました。これが全ユーザーになれば本格的にお客様の購買行動に基づいたマーケティングが可能になります。そこで2017年末にさらにアプリをリニューアルしました。
このリニューアルではクーポンを利用したすべてのお客様のユーザー情報と購買情報の紐付けが可能になりました。それまでは画一的なプロモーションしかできませんでしたが、今後はユーザーシナリオに沿って、ユーザーの特性に合わせたプロモーションを打てるようになったのです。

どうやって全ユーザー情報と購買情報の紐付けを可能にしたのか。その答えは、丸亀製麺全店にQRコードリーダーを導入したことです。
アプリで開封したクーポンが12時間後に消去されるしくみだったものを、会計時にQRコードを見せてクーポンを利用してもらうという仕組みに改変。このリニューアルで、レシートを読み込まなくても購買情報とユーザー情報を紐付けられるようになりました。また、クーポンコードをお客様が自ら読み込ませる仕組みに変えたので、お会計もスムーズになりました。両者ともメリット大ですね。

今後は外部システムとインターフェースの有無が、アプリの成長余地を決定すると考えているので、ユーザーデータをいかに使うかがより重要になってくるかもしれません。

アプリの効果を最大化する運用体制

アプリを成長させるためには、フラットかつリアルタイムに意思決定ができる体制と社内で情報を共有するためのツールが不可欠です。日々、多種多様な問い合わせやトラブルが発生していますが、私たちはどんな問題に対してもすばやく解決できる体制を組んでいます。お客様目線で考えるためにはあくまでも現場の声をもとに対応すべきことですので、こうした対応をシステム部門に一任させることはおすすめしません。

また、事業会社が事業の中にアプリを取り入れる場合は、お客様のニーズを深く理解するために営業がアプリを使い倒さなければ、成長は止まってしまいます。手垢がつくぐらい、使い込んでみてください。
それから、コミュニケーションや情報共有がリアルタイムで行えるツールを活用して運用体制を整え、効率的に成長させていきましょう。

まとめ

  1. 事業のフェーズに合わせてアプリの役割も変わっていきます。フェーズごとにしっかりと効果検証できるように設計しましょう。
  2. 外食事業にとって、アプリは売り上げを伸ばすための強力な接客チャネル。積極的に活用していきましょう。
  3. 営業が使い倒さない限りアプリは成長しませんので、そのための運用体制まで含めてアプリを開発しましょう。

モバイルアプリの成長支援パートナー「Repro」

「Growth Hack Journal」を運営している「Repro」は、アプリ解析・マーケティングツールの提供からユーザ獲得やユーザ定着のためのマーケティング支援等のソリューションまでワンストップで提供、アプリの成長を支援しています。

提供サービスについて詳細はこちら


【毎月5社 限定】ASO無料診断実施中!

ユーザーがアプリ見つけやすいよう、アプリストア内のコンテンツを最適化することは重要です。ASOの改善余地について、無料で診断します。

お問い合わせはこちら

プッシュ通知許諾率無料診断実施中!

自社アプリのプッシュ通知の許諾率の解析、および許諾率を改善した場合に増加するユーザーの再訪数やコンバージョン数を無料でシミュレーションします。

お問い合わせはこちら