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本記事は、2016年8月2日に開催した「Growth Hack Talks #1」での発表内容を元にしたイベントレポートです。登壇者には「アプリの立ち上げ〜リリース初期のグロースハックあれこれ」をテーマに、立ち上げ前からリリース直後のフェーズでどういった施策を行い初期ユーザー獲得に繋げ、その後ユーザー数を伸ばしていったかについてお話していただきました。前編と後編に分けてお届けします。前編はこちら

登壇者紹介

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株式会社アトラエ 岡利幸(おか・としゆき)氏

2007年にアトラエの新卒一期生として入社後、転職サイトGreenの立ち上げの新規営業として3年間従事した後、エンジニアに転向して復数の新規事業を開発、事業責任者を務め、現在はCTO兼新規事業統括としてTalentBaseyentaの責任者を務める。

 

ビジネスマン向けのサービスではインフルエンサーを抑えるのが鍵

そんな感じで試行錯誤しながら開発を進めていってリリース準備に入ったのですが、BtoCのサービス開発経験がなかったのでアプリをどうやって広めればいいか分かりませんでした。
なので色々なアプリのプロモーションを参考にしました。ペアーズのような男女の出会い系アプリ、ビジネスマンと学生のマッチングを促すソーシャルランチみたいなサービス、Linkedin、NewsPicks、果てはSlackの広がり方まで研究しました。なぜこういったアプリは使い始められて、どういうふうに広まったんだろうというのを想像しながら分析をしていきました。

 

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広まるサービスの一つの共通点として、影響力のあるビジネスマンが利用することというのがありました。例えばNewsPicksはホリエモンさんが初期に使いはじめて、ソーシャル上でのシェアを通じて人が集まりました。あとは成功しているサービスは、新規でユーザーが入ってきた時に逃げない仕組みをうまく設計していました。ターゲットユーザーがサービスにハマるポイントを作っていました。

 

yentaもビジネスマンに使ってもらいたいサービスなので、NewsPicksと同様にインフルエンサーに使ってもらう戦略をとりました。アプリがまだクローズドβ版だったときに影響力のあるビジネスマンに連絡して、300人のユーザーさん限定で使ってもらっていました。その最初の300人のβ版ユーザーで1ヶ月運用して、チューニングが終わった段階で正式にリリースしました。リリース後はおかげさまで色々なメディアに取り上げて頂いています。

 

アクティブ率約80%を維持するyentaの様々な施策

あとはグロースのフェーズです。

 

初期ユーザーを集める工夫、継続的に利用してもらう工夫、人が人を呼ぶ仕組みを作ってサービスを拡大させる工夫、コミュニティを作ってユーザーと一緒にサービスを改善する工夫という4つのステップについてお話ししたいと思います。1つ目の初期ユーザーの獲得に関しては先ほどお話しした通りで、最初の300人に関してはかなりアクティブに利用してもらっていました。

 

yentaの「ハマるしかけ」

継続的に利用してもらう仕組みとしては、この『ハマるしかけ』に書いてあることをyentaに機能として落とし込みました。UXでこだわっている部分は沢山あるんですが、継続利用してもらうための工夫を3つほどご紹介します。

 

1. スワイプ数の制限

1つ目の工夫としては、スワイプできる人数に制限をかけたことです。yentaでは1日に10人しかスワイプできません。そうすると10人スワイプしてしまったらユーザーはやることなくなってしまうんですが、それをあえてやることで翌日も使ってもらう動機付けにしています。

 

2. マッチングの通知はスワイプ中にしない

あとはスワイプをするタイミングとマッチング成立を通知するタイミングを異なる時間にしました。Tinderなどではスワイプしてマッチングが成立した瞬間に「マッチングしました」という表示が出ると思いますが、そうするとメッセージのやりとりに進むのか、それともまだスワイプを続けるのかという分岐点ができてしまい離脱の原因になります。そのためyentaではスワイプするときとメッセージをするときを完全に分離して、スワイプの際はそれだけに集中できる設計にしました。

 

3. ユーザーの承認欲求を満たす

ユーザーの承認欲求を満たして使い続けてもらう仕掛けも入れています。例えばプロフィールを登録しておいただけで「5人があなたのプロフィールを見て”会いたい”と言っています」と表示されたら悪い気はしないですよね。そういったハマる仕掛けが重要です。

 

Twitterなどもそうだと思いますが、最初からバンバン投稿する人なんていません。yentaも最初から会う人は全然いないんですが、会うまでのモチベーションを高める手助けを階段のようにこまめに用意することで、継続的に利用してもらえる仕組みを作っています。

 

プッシュ通知は口コミが生まれやすい時間を狙って配信

人が人を呼ぶ仕掛けについても紹介します。口コミでユーザーが増える仕組みを作ることができれば営業にコストをかけなくても良くなるので、意図的に作り出せるようにしています。

 

例えばPUSH通知を配信する時間帯です。yentaでは12時と20時にプッシュ通知を配信しているのですが、なぜこの時間かというと社内の人と雑談をしている可能性が高いからです。その時にyentaを使ってくれれば、「こんな人が出てきたよ」とか「こんな有名な人とマッチできたよ」と話題に上りやすい。12時はランチで、20時は飲みに行く時間帯を狙っています。このように、マッチング結果やメッセージが来るタイミングを他の人といるタイミングに合わせることを意識しています。

 

マッチング後はその人とランチをする流れになる世界観を作っていますが、それも社内での口コミを狙っています。いつも社内でランチしている人が急に「別の会社の人とランチ行ってきます」ってなると周りの人は気になるじゃないですか。そうするとその人が帰ってきてから「誰とランチしたの?」「yentaっていうサービスがあってね…」という話の流れが生まれると思っていて、そういう人から人に伝わるためにはどういうサービス、世界観にすべきかというのを考えています。

 

定期的なイベント開催でファンづくり&フィードバック

コミュニティづくりの話もします。yentaではユーザー限定の色んなイベントを開催しています。これまでユーザーミートアップ、女子会、ワイン会などをやってきましたが、こういった場でユーザーと交流を深めてフィードバックを貰う機会にしています。

 

そうすると自然とファン同士でyentaを盛り上げてくれて、例えば「心のなかではエヴァンジェリスト」みたいなユーザーグループが勝手に形成されます。もともとβ版ユーザーのなかからエヴァンジェリストに任命していたんですが、「俺も心のなかではエヴァンジェリストだぜ」みたいな方が出てきて自発的にyentaを広めてくれるんです。逆にyentaユーザー主催の飲み会に運営の僕らが呼ばれるというような機会もあって、こうやってどんどん距離を縮めながらユーザーの意見を聞いています。

 

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ユーザー発のイベントが開催されることもしばしばある

まとめ

まとめです。企画フェーズでは諦めないこととターゲットユーザーに試してもらうことが大事という話、開発フェーズではプロトタイプにこだわることとチームビルディングに注力しましたという話、リリースは他社サービスを研究してインフルエンサーを抑えましたという話、グロースは継続利用の工夫やコミュニティづくりについて話をさせていただきました。ご静聴ありがとうございました。