本記事は、2018年10月17日に開催した『Growth Hack Talks 13 for Game Apps』の講演内容を基にしたイベントレポートです。 テーマは、『ゲームアプリのマーケティング』です!いつでもどこでも楽しめる身近な エンターテインメントとしてすっかり定着したスマホゲーム。モバイルアプリ市場を牽引してきたあとも依然として安定した成長を続けており、今後も世界的に堅調な成長を続けることが予測されています。

今回は、青春体験型野球ゲーム『八月のシンデレラナイン』のご担当者様に、アプリの魅力を伝えて継続率を伸ばしたマーケティングについてご紹介いただきました。

登壇者紹介

株式会社アカツキ ゼネラルマネージャー 窪田 真太郎(くぼた・しんたろう)氏

2010年に大手web広告代理店に入社後、一貫してスマートフォン広告の買い付け業務に従事。 また、アプリ特化のweb集客プロモーションの戦略コンサルタントを兼任。 2016年にアカツキにマーケティング職として入社。 3周年を迎えた千メモの過去最高収益達成に貢献。 2017年よりGeneral Managerに就任し、パブリッシングタイトルのマーケティング活動のクオリティ管理と組織戦略策定を行う。

事業の紹介

『八月のシンデレラナイン』(通称『ハチナイ』)は、青春×女子高生×高校野球をテーマにした青春体験型野球ゲームです。野球を怪我で挫折したユーザーが女子野球部の監督として、選手を育成していきながら、甲子園を目指すというものです。ユーザー好みのチームを編成できるだけでなく、チームの一人ひとりの悩みを解消することで、スキルや才能を開花させるシンデレラストーリーと青春を追体験できる点が魅力です。

ハチナイ流、激動の市場を生き残るコミュニティマネージメント

『ハチナイ』は2017年6月にリリースされ、リリース直後にはApp Storeのトップセールスで25位にランクインするなど比較的好調でした。しかし9月頃になると売上が下降してまいりました。

そこで我々は、今遊んでくださっているユーザーが如何に継続してアプリを使用してくれるかに着目し、アプリの中の体験だけではなく、アプリの外でも良質な体験を提供できるかというところにフォーカスする必要がある、と考えました。そこで、ユーザーに共感・愛着・信頼といった3つの軸をベースにアプリ外での施策を3つのフェーズに分け実行しました。

フェーズ1. 現状分析と基盤構築

まず、コミュニティを把握するために、Twitterで徹底的にエゴサーチを行いました。その結果、ハチナイファンの多くは、プレーしているのは自分だけなのかと孤独を感じ、ゲームにおける仲間を求めていることがわかりました。

我々は、ハチナイをプレーしていることに誇りを持ってもらえるよう、まずはプレイヤー個人の熱量アップに注力する必要があると考えました。

そして、基盤構築として、行ったことは、傾聴できる土台を整えることでした。 具体的には、定期的にユーザーの声をヒアリングするためのアンケートツールや、 SNSでの声を効率よく収集するための分析ツールを導入することで、定性的・定量的な情報を取れるように整えました。

フェーズ2. 個人の熱量を高める

施策1. 運営陣自らアプリ情報を発信!顔の見える運営陣営で信頼度をアップ!

リソースが潤沢ではない中で、運営陣の近さを感じてもらうためにハチナイTVという情報番組を作成、社内の運営スタッフを出演させるほか、アンケートで取得した質問に回答をしたり、アプリの攻略情報を配信しました。

また、情報番組を通じてスタッフのキャラクターを定着させることで、一歩踏み込んだ施策も実施できるようになりました。実際にコミュニティ会場で運営スタッフがファンサービスを行なったり、自社アプリプロデューサーの誕生日の際には、アプリ内で「逆バースデープレゼント」なるものも配布することで、ゲームを作る側とプレイする側の交流を深めました。

施策2. 作品愛を深めてもらうコンテンツで愛着をアップ!

先程の施策と同時に走らせたことは、『ハチナイ』への作品愛を深めてもらうことできるコンテンツを如何に提供していくか?です。ハチナイチームとしては、体験の“頻度の高さ”と“深度の深さ”の2軸で提供するコンテンツを考えていきました。 深度は深く無いが、頻度高く提供できるコンテンツとして、新たに4コマを継続的に提供しております。 また、深度も頻度のそこそこに高いグッズを制作したり、頻度は高くないが、深度は高いオリジナルソングの提供や、それに紐づくライブイベントの開催等を継続的に続けております。

フェーズ3. ユーザー個人の熱量を輪にする

フェーズ2までの施策を通じて、ユーザーに変化が訪れました。それは、「元々流行っているのか不安」、「自分しかやっていないのでは?」といったネガティブな意見から、イノベーターたちがハチナイについてつぶやいてくれるようになったことで、「ハチナイ、いいかもしれない」、「ちょこちょことTwitterでも見かけるようになったな」と好意的な意見が増え始ました。それに伴い、ユーザー同士がゆるくですがTwitter上でお互いを認識し始めました。 我々は、ユーザー同士を繋げる施策として、オンラインとオフライン双方でアプローチを行いました。オンライン施策として実施したことは、Twitter上で指定ハッシュタグをつけてお題に対しての回答をツイートすると、抽選で特典が当たるキャンペーンを実施しました。その際、指定ハッシュタグを自動で見えるようにし、ユーザーの生の声を可視化しました。そのことで、よりユーザー同士がお互いを認識しあってくれるようになりました。

オフラインでは、「ファン感謝デー」と題したイベントを実施。ここでも広く豪華な会場を作るのではなく、狭めでハチナイ色の濃い、特別な体験を演出しました。また、体験として重要視したことは、“一人ではなく、チームで”楽しんでもらうことです。野球を題材にしたタイトルということもあり、9人1グループにして参加頂きました。知らない人と一緒のテーブルになるのは気まずいんじゃないか、という意見もありますが、それを緩和するために、ネームプレートに監督名やTwitter名、推しキャラ等を記載頂く欄を設けて会話が生まれるきっかけ作りを行いました。コンテンツもチーム対抗クイズを実施したり、会話が生まれる仕組みを導入しました。これを通じて緩くバーチャルグラフが形成されていたのが、強固なリアルグラフに変化していきました。

工夫点

これまで話してきたようなコミュニティマネジメントをおこなう場合、よく、施策に対する成果が見えにくいという問題点があります。そこで我々はこの問題に対して以下の工夫をおこなっています。

プロデュース&運営&マーケティングが三位一体に“本当に意味”でなる

上述した、コミュニティマネージメントもそうですが、全体戦略を決める上でも、アカツキとして重視していることは、プロデュース&運営&マーケティングがセクション感の垣根なく、お互いを尊重して意見を言い合うことです。 具体的には、運営側からマーケティングが考えたプランより、良いプランが出てくれば意地はらずに採用したり、マーケティング側から運営側に企画内容へオーダーを出すこともあります。 今回のコミュニティマネージメントについても3セクションで考え抜き、運営をしております。 市場が踊り場を迎え、成熟期に入ったからこそ、勝率を上げるために三位一体になることは重要ですし 効果があると感じております。

ファンミーティング参加権利を付与してアンケート回収率アップ?!

少々強引かもしれませんが、参加景品、例えば、先述したファンミーティングの参加権利などを付与したアンケートをアプリ内でおこなっています。ユーザーのコンディションやアプリ外コンテンツでの満足度に関する設問によって多角的な情報を収集することが可能になるだけでなく、参加景品によって回答率も高くなっています。

まとめ

ここまで、定性的な話をしてきましたが、現在はこれらの施策によりKPIは復調してきています。 Twitterをひたすら見てゲームの現状を分析したり、アンケート機能を活用したKPI分析をするためのクラスタのトラッキングをするなど、細かく、骨の折れる作業が多いことは事実です。しかし、やることによって見えてくるものは必ずあると思います。ぜひやってみることをお勧めします。 本日はありがとうございました。