ファネルとは
ファネルは日本語で漏斗(じょうご)を意味します。漏斗とは理科の実験で使った方もいると思いますが、液体を容器に移す時に使われる逆三角垂の道具です。 一方、ビジネスにおけるファネルとは「ターゲットがゴールに至るまでの一連の意識・行動の遷移を体系化した図式」を意味します。 この図式は各フェーズでの離脱数を最低限に減らして、より多くのターゲットにゴールへ到達してもらうためのマーケティング、課題発見と解決のためのフレームワークになります。
ファネルのフレームワークを一般化した図
上のファネルを例として、ターゲットの購買行動がゴールであるファネルの例を提示します。ゴールまでの顧客の行動を以下の5つのフェーズに分けることができます。
- ブランド/商品の認識
- ブランド/商品への親しみ
- 商品の購買を考える
- 商品の購買
このように5つのフェーズに分けそれぞれのフェーズでマーケティングを最適化、離脱原因の発見・解決を考えることでユーザーの購買行動を増やしていくことができます。
ファネルの代表的な例
ファネルにはマーケティングファネル、パーチェスファネル、セールスファネル、コンバージョンファネルなど様々な種類がありますが、「ゴールまでの意識・行動の遷移を体系化・図式化したモデル」という点においては共通しています。 ここではよく用いられるファネルの例をいくつかご紹介します。
マーケティングファネル
マーケティング施策を考えるためのファネル。ファネルの総称。
パーチェスファネルとセールスファネル
ターゲットの購買行動やロイヤル顧客化をゴールとしたファネルで、リードジェネレーション(潜在顧客の獲得)からクロージング(購買行動や顧客化ロイヤル顧客化)までの過程を表しているモデルです。
コンバージョンファネル
Eコマースやサブスクリプションサービスなどにおけるターゲットユーザーのコンバージョンをゴールと考えるファネルです。「商品購入」、「会員登録」、「マッチング成立」などサービスによって定義するゴールが異なります。
ファネルを使うメリット
ファネルを設定し、各プロセスの離脱率を見ることで、ユーザーがゴールに至るまでにどこで一番多く離脱しているかがわかり、優先的に改善するべきところが明確になります。
ファネルを使ったアプリの課題発見の例
ここからはファネルを使ったアプリの課題発見例をご紹介します。 下記の図ではあるECアプリの起動から注目完了までの行動フローをファネルとして設定し、各プロセスの離脱率を見ています。
このファネルを見ることで、買い物かごに商品を追加しているにも関わらず決済せずに離脱しているユーザーが9割近くいるということや、商品一覧から商品詳細でのユーザーの離脱数が一番大きいということがわかります。
ここから「注文確認画面のUIが悪いために注目完了の前に離脱するユーザーが多いのではないか」といった仮説や、「商品詳細を閲覧したユーザーだけに期間限定のクーポンを送って購入完了率を高めよう」といったマーケティング施策を考えることができます。
おわりに
いかがでしょうか?皆さんもユーザー目線に立ち、意識や行動の遷移をファネルにすることで適切な施策を打てるようにしましょう。