はじめに

多くのアプリ事業者がアクティブユーザーを増加させるべく試行錯誤しているかと思います。

 

アプリのグロースハックにおいてとりわけ重要なのは新規ユーザーの初回起動時の体験(オンボーディング)です。以前グロースハックの専門家であるKen Zi氏にインタビューした際、彼はこう答えています。

 

“アクティベーション、つまりはじめてプロダクトを使ったユーザーに価値を感じてもらい、定着させる初回起動時の体験が大切です。なぜならば初回起動時にユーザーが価値を感じてくれなければ、ユーザー獲得の施策を行い新規ユーザを獲得してもすぐにプロダクトは使われなくなってしまい、ユーザが増えていかないからです。”

 

参考記事

真のグロースはプロダクトから生まれる」 グロースハックの火付け役が語る、プロダクトの成長にもっとも必要なこととは?

 

Reproのリテンション分析と動画分析を使えば新規ユーザーの定着率を改善させることができます。今回はこれらの機能を使ってアプリを成長させている事例を株式会社ファンコミュニケーションズの廣瀬さんに伺ってきました!

 

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サービス紹介

 

ファンコミュニケーションズで新規事業としてゲーマグというアプリを作っています。モンストやパズドラといった有名ゲームアプリの攻略情報が一つにまとまっているニュースアプリです。ゲームに特化したスマートニュースといったところです。

 

前アプリの失敗で気づいた継続率の重要性

 

ゲーマグの前に作ったアプリはユーザーを満足させるまでのハードルが高すぎたためユーザーが定着せず、あまりヒットしませんでした。

 

その時に感じたのは継続率の重要性で、ゲーマグではプロモーションよりも先にユーザーを定着させる取り組みに注力しようと考えていました。

 

マジックナンバー分析を知ったのもこの頃です。「Twitterが初回起動時に5人以上フォローさせることでサービスを成長させた 」といった事例が有名ですが、これは使えそうだなと思って実践できるツールを探していました。Reproはそれができるのと、動画でユーザーの細かい動きがわかるので定性分析にも使えそうだなと思い導入を決めました。

 

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Twitterは初回起動時に5人以上フォローしているユーザーの継続率が高いことを発見し、サービス成長につなげた

マジックナンバー分析で重要イベントを発見

 

ゲーマグはニュースアプリなので、良質な情報を届けることで価値を感じてもらい毎日ユーザーに使ってもらうことが1つのゴールだと思っています。

 

改善前は月間アクティブ率のうち毎日使っているユーザーは10人に1人もいませんでした。翌日継続率も20%前後で、ニュースアプリにしては悪くない数字かなと思う一方で、まだまだ改善できると考えていました。より多くの新規ユーザーにゲーマグの価値を正しく伝えるために何をすべきかを知るためにReproで分析を行い、その結果を元にして初回起動時のフローを改善しました。

 

具体的に何をやったかというと、まずリテンション分析で「検索機能」「SNSシェア機能」など、イベントごとの新規ユーザーの翌日継続率を比較しました。ゲーマグは翌日継続率をKPIにしていますが、アプリの種類によっては7日後の継続率や1ヶ月後の継続率をKPIとしてイベントを比較したほうが良い場合もあると思います。

 

リテンション分析画面の例

リテンション分析でアプリのイベントごとの翌日継続率を比較 (※画像はイメージ)

 

どのイベントを初回起動時にユーザーに経験させるべきか選ぶ際は2つの基準で判断しました。

 

一つ目はそのイベントの実行回数です。継続率が高くても新規ユーザーの50人に1人しか実行していないイベントは選ぶべきではないと思います。

 

二つ目は初回起動時のユーザーへの負荷です。開発側として工数も考慮すべきですが、それよりも「改修によって初回起動時のフローが複雑にならないか?」をユーザー目線に立って考えるべきです。(自社の)エンジニアに親切な改修であることよりも、ユーザーにとって親切な改修であることが大切だと考えます。

 

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ゲーマグの場合だと、人気ランキングのページを閲覧したユーザーと記事を3本以上読んだユーザーの継続率が特に高いことがわかりました。イベント実行回数はどちらも多かったのですが、「人気ランキングのページに遷移させる」のと「初回起動時に必ず3本以上記事を読んでもらうようにする」のでは前者のほうが初回起動時に行ってもらうアクションとして自然だと判断し、人気ランキングページの閲覧を初回起動時のフローに組み込むことにしました。

 

新規ユーザーの動画をひたすら見る「Reproタイム」で気づかなかった課題を発見

 

ゲーマグ掲載用2

 

次に、初回起動時のフローの課題を発見するために毎朝10分ほど新規ユーザーの動画を「Reproタイム」と呼んで見続けていました。その結果、ゲーマグでは自分の好きなゲームの記事一覧を切り替えることができるのですが、新規ユーザーのほとんどが先頭に設定したタブの記事しか読まないということがわかってきました。

 

ユーザーは自分がプレイしているゲームの攻略情報を知りたくてアプリをダウンロードするのでこの使われ方はもっともなのですが、動画だと自分たちが気づかなかったアプリの課題に気づかされることも多くて。動画機能のおかげで仮説の精度はグッと上がりましたね。

 

 

翌日継続率は23%から42%に向上、アクティブユーザーの数は3倍に

 

リテンション分析と動画でわかった発見を踏まえて初回起動時のフローをアップデートしました。複数選べたゲームを1つだけ選べるようにし、選んだあと強制的に人気ランキングの一覧ページに遷移させて、選んでもらったゲームの人気記事を見せるようにしました。

改善前の初回起動フロー

 

改善後の初回起動フロー

 

この結果、新規ユーザーの翌日起動率がアップデート前後で23%から42%まで上がりました。アプリの利用頻度もすごく上がって、以前は月間のアクティブユーザー全体のうち毎日使ってくれるユーザーは10人に1人程度だったのですが、アップデート後は3人に1人が毎日使うアプリになりました。初回起動時にアプリの提供価値をユーザーに伝えることができた結果だと思います。

 

 

ゲーマグの今後の改善について

ゲーマグ掲載用3

 

今はアプリを使わなくなってきたユーザーを再訪させるためにプッシュ通知の施策を強化しているところです。最近アプリにディープリンクを実装して、プッシュ通知から記事や機能の詳細ページに遷移できるようになりました。

 

Reproであれば「まだ検索機能を使っていないユーザー」などアクションベースでユーザーを絞りこんでプッシュ通知を送信できるので、例えばモンストで「獣神祭」が始まった時に検索機能を使ったことがないユーザーだけにプッシュ通知を送り、開くと「獣神祭」の検索結果一覧ページに遷移するような施策を打つことができます。

 

初回起動時のフロー改善で継続率に関する課題は解決したので、今後はユーザー獲得とマネタイズに注力していきます。アプリの利用期間と利用頻度が上がったことによってLTVも上がったので、プロモーションにかける予算も増やせるようになりました。新規事業とはいえ結果は求められているので、ユーザーあたりの売上とコストは常に意識しています。

 

Reproを利用する際のアドバイス

Reproはアプリをリリースした当初から入れていて、今までにないくらい好きなツールでβ版から1年半以上使い続けています。アプリで新しいサービスを作る際には必ず入れる、それくらい改善施策の成功率を上げてくれるキラーツールだと思っています。アプリのグロースハックに悩んでいる方はぜひReproを使って新規ユーザーの継続率を改善することから取り組んでみてください。