出合い系の世界には少々圧倒されます。デートするためには長々と相手を追いかけたり従来のしきたりに従ったりするもの、という常識にメスを入れているのはすごいことだと思いませんか?テクノロジー主導でなければありえたでしょうか?

 

5年前出会い系は見向きもされていませんでした。Tinderが登場してから出会い系に対する人々の見方が大幅に変わりました。中には軽薄だと思う人もいますが、最近では多くの人々にとってアプリを通じて出会うのは普通のことになりました。

 

Tinder、Bumble、Coffee Meets Bagelなどいくつかのアプリはヒットしましたが、他のアプリが同じようにユーザーから人気が出なかったのも無理はありません。

 

そのようなシナリオの場合、成功と失敗の要因を決めるのはインターフェースではないということは明確です。出合い系アプリの成長戦略はアプリのマーケターにとっては興味深いものです。私たちAppViralityはアプリマーケティングのエコシステムでトレンドを探すのが大好きです。ということは読者の皆さんも同じように好きなのではと推測しました。

 

しかし、この話をこれ以上進む前に、出合い系アプリがなぜ成長カテゴリーに入るのか理解しておきましょう。この記事の後半では出合い系アプリでうまくいったグロースハックと、そのようなグロースハックをどうやって他のアプリのカテゴリーにも同様に適用できるかを評価していきたいと思います。

 

出合い系アプリが成長カテゴリーに入るわけ

 

まさに今、出会い系アプリはわくわくするような成長を見せています。今日のユーザーは選択肢の多さに悩まされ、デートの各段階でカテゴリーが変わっていっているのが見られます。Flurry社のレポートによれば、ユーザーは出会い系サイトよりも出合い系アプリの方を好むようです。レポートでは以下のように述べられています。

 

“出会い系アプリのユーザー数の伸びは全アプリのユーザー数の伸びよりも大きいことがわかりました。つまり、出会い系は成長カテゴリーなのです。全体的に見れば、全アプリのユーザー数が年々125%増えているなかで、出合い系アプリのユーザー数は同じ期間で150%増えていました。出会い系サイトと出合い系アプリを直接比較すると、今や出合い系アプリのユーザーは出会い系サイトのユーザーの3分の1にもなり、前年から倍増しています。

 

ソーシャルメディア上の競合アプリと比べると、出合い系アプリのエンゲージメントに関する統計は驚くべき数値です。ソーシャルメディアは人気のカテゴリーであり、ユーザー全員がモバイル上の財産として楽しんでいます。Huffington Postによれば、ユーザーは平均してInstagramに21分費やしますが、Tinderには77分費やします。統計によってマーケターが出合い系アプリを見る目が変わったのです。

 

このカテゴリーを支持する統計データが増えてきたことと、日々出てくる新しい出合い系アプリが成長を誇るコミュニティを支えています。

 

全て同じなようでいて、全く違うアプリ

 

出会い系アプリの利用体験はドキドキするようなものから血みどろになるようなものにまで及びます。それゆえほとんどのアプリのマーケターはユーザー体験の向上を目標にしています。ユーザー体験の向上は差別化要因でありながらもアプリの出発点にもなってきました。

 

しかし、この分野での競争は非常に厳しく、それによって出会い系アプリは成功しインストール数を集めるための彼らなりのグロースハックを発展させました。出合い系アプリのグロースハックは出会い系というコンセプト同様ユニークですが、それも当然と言えます。

 

出会い系アプリによって編み出されたいくつものグロース戦略のなかで、いくつか飛び抜けて優れているものがあります。それらのグロースハックは他の分野のアプリでも実現可能だという確信を持っています。

 

ここでは人気の出会い系アプリが競合アプリとの差別化で行ったグロースハックを見てみましょう。

 

グロースハック#1ー意思決定のしやすさ

 

膨大な数の選択肢の中から誰かを選ぶなんて参ってしまいます。だからこそ意思決定の簡単さが重要な役割を担うのです。多くのユーザーはTinderよりも他のアプリのほうが良いとは言いつつも、彼らのほとんどは少なくとも右にスワイプ、左にスワイプというプラットフォームを楽しんでいます。

 

Tinderの共同創業者の一人であるSean RadはRE/Codeでこの特徴についてこう語りました。

 

「スワイプの素晴らしさは、コンテンツを完了に導く動きが最小限で行われるところです。」彼はさらに「通常、ブラウザやケータイではスクロールして止まり、コンテンツを見るために位置を上下する必要があります。しかしTinderのスワイプは、コンテンツをナビゲートする動作がそのコンテンツに対する動作の実行と合わさっているのです。」

 

スワイプ戦略はユーザーに素早い動作を促し、それによりアプリに持続的なインタラクションをもたらします。情報によると、Tinderは一日に800万回もスワイプを記録しています。Caliberという仕事向けのソーシャルネットワークの代表Chris Calmeynは、適切なスワイプは情報の素早い処理に最善な方法と考えています。彼は「TinderのスワイプはUIパターンの一つです。それ以外の何物でもありません。」と続けました。

 

この機能に関する偏った見方だとは思いますが、アプリ開発者はすっかり鵜呑みにしています。Eコマースアプリから仕事のネットワーキングアプリまで、左右のスワイプ機能により意思決定が容易なものとなり、左右スワイプはしばらく続くトレンドになっています。

 

グロースハック#2 絶え間ないアプローチ方法の革新

 

このワンパターンな競争を考慮すると、アプリマーケターは常にユーザーが出合い系アプリを使ってくれる方法を改革し、革新し続ける必要があります。Bumbleというアプリによるグロースハックは出会いの心理に不可欠な要素を利用しており、”誰が誰にアプローチした症候群”と呼ばれました。ほとんどの出合い系アプリでは男女どちらも決断をくだせます。Tinderを使ったことのある女性の多くは、このアプリで奢ってもらったことがあるという意見を述べています。バーチャルでのデートが意味するものは人によって異なるものと考慮し、Bumbleではプロダクトを新しく作りなおすにあたってこの原則を用いています。しかし異なるアプローチですし、ニッチな戦略です。

 

Bumbleは女性から最初にアプローチをかけることで知られており、多くの女性にとって一番人気の出会い系アプリになりました。BumbleはTinderと似たインターフェースを提供しています(左右スワイプ)が、Bumbleの革新的なところは女性ユーザーにとっての深刻な問題を解決するアプローチにあります。Bumbleはアプリに期待されている柔軟性、使いやすさを損なわずに、女性主導のアプローチを通じてグロースハックをしました。

 

  • 常に女性が最初にアクションしなければいけないアプリです。24時間以内に新しいコネクションに関して何も言わなければ、そのコネクションは永遠に消え去ってしまいます。

 

  • 同性コネクションや友人関係に関しては、ユーザーは24時間以内にアクションをしなければそのコネクションは消えてしまいます!

 

  • 24時間だと短いって?問題ありません。毎日コネクションを一つだけ24時間延長させることができます。

 

2015年12月までBumbleは毎月65%以上の成長をし続け、8,000万人のユーザーがマッチングしました。

 

グロースハック#3 機能のアップデート

 

出会い系アプリ市場は混戦模様で複雑です。こういった場では機能が重要な役割を果たします。なぜならそれがアプリの定着率を改善してくれるからです。多くのアプリ開発者は機能を2つの方法で扱います。すなわち

 

  1. それをアプリのコア機能にすること
  2. 機能を絶えず改善すること

 

Coffee Meets Bagelの機能は今やアプリのアイデンティティになっています。 この出会い系アプリは毎日正午にユーザーに対してベーグル(マッチング)を送信します。そしてユーザーはいいねをするかパスすることができます。

ベーグルを正午に届けるというこのアプリの戦略はよく考えられています。同社のウェブサイトにはこう書いてあります。

 

「私達は毎日楽しみにしていただけるものを作りたかったのです。あなたのランチ休憩をエキサイティングなものにするものを付け足したかったのです。」

 

上記の機能はアプリでコアで提供しているもののうちに入りますが、それだけでは十分でない場合もあります。Tinderのように出会い系アプリの市場に長くいるプレイヤーは、ユーザーデータを使うことによってユーザー期待値をよく理解しています。Tinderのブログを見ると、定期的に機能開発のアップデートをしているのがすぐわかります。

 

2012年に登場してからTinderは様々な機能を追加してきました。スマートなプロフィールやメッセージのインターフェースの改善、GIF画像、絵文字への対応、スーパーライク、他にも様々な方法でユーザーをエンゲージメントさせています。

アプリマーケターにとってのここでの要点は、プロダクトの機能を向上させることによってユーザー体験を改善する継続的な試みが必要だということです。

グロースハック#4 口コミ

 

私たちAppViralityは口コミマーケティングの推進者です。このマーケティング施策には信頼が関連してくることを踏まえると、ユーザーにはポジティブな影響を与えなければいけません。出会い系ほどパーソナルなカテゴリーにおいては、口コミはリーチ数、好感度、信頼といった出会い系アプリ成功の裏にある鍵となる指標に重要な役割を果たします。

 

Tinderの共同創業者の一人であるJustin Mateenはインタビューでこのように言っています。

 

「グループ内で尊敬されるようなインフルエンサーにリーチすることを狙いにし、彼らが一度でも我々のプロダクトでポジティブな体験をしてからは自然と口コミが出てTinderは彼らの友達や友達の友達にまで広がりました」

 

違ったやり方にはなりますが、Coffee Meets Bagelのようなアプリでもプロダクトを提供する際に口コミのコンセプトを採用しています。Coffee Meets BagelではFacebook経由で ”共通の友人審査” 機能があり、口コミの延長線上のようなものとして機能しています。

 

まとめ

 

出合い系アプリは人々の出会い方に革命を起こしました。他のアプリと同じように、出合い系アプリはユーザーの忙しいスケジュールやハイペースの生活に癒しを与えているのです。上記のグロースハックは出合い系カテゴリのアプリの健全な成長を確立しましたが、全カテゴリのアプリに対して簡単にカスタマイズできるグロースハックは口コミだけです。

 

上記の出合い系アプリの成長を推進するグロースハックは他にどのようなものがあると思いますか?下のコメント欄でフィードバックをシェアしてください!

 

 

この記事は、AppViralityのブログ “Cracking The Strategy Of Dating Apps- The Growth Hacks That Worked” を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。 Repro published the Japanese translation of this original article on Appvirality in English under the permission from the author.