はじめに

リリースから3周年を迎え、依然として高い人気を誇る共闘対戦爽快パズル消しゲー『エレメンタルストーリー』。公式Twitterのフォロワー数は約280,000、LINE公式アカウントのゲームカテゴリ第11位と多くの注目を集めています。

運営側の個人アカウントによる一般ユーザーとのマルチプレイをはじめとしたゲームの活性化など、今までにない様々な試みにも数多く挑戦し、多くの人を熱狂させている『エレスト』ですが、どのような想いでアプリを運営しているのか。そして、そのような想いはどういった経緯で生まれたのか。Studio Z株式会社の井上さんと菊池さんにインタビューしました(菊池さん、生放送直前にご対応いただき、ありがとうございます!)。

プロフィール

Studio Z株式会社 プロダクトディレクター 井上佑泰(いのうえ・ゆうた)氏 (写真右) 2008年に新卒でStudio Zの親会社であるクルーズ株式会社に入社。広告営業部にて、代理店への営業やクライアントへの営業の経験を経て、ゲーム開発事業部に配属。フィーチャーフォン向け公式コンテンツの企画、運用を経験後、CROOZ初のソーシャルゲームタイトル、「熱血硬派くにおバトル」を企画しリリース。 その後、15タイトルの企画ディレクションに携わる中、MobageランキングTOP20に1年以上ランクインし続けた『神魔×継承!ラグナブレイク』のディレクターに就任し、「ファンタジーRPGに強いCROOZ」の土台を築き上げる。 数本のネイティブアプリの開発に携わった後、『エレスト』1周年目のタイミングで同タイトルのチームにジョイン。現在は、『エレスト』のディレクター、StudioZのプロダクトディレクターとしてプランナー、プロモーションを管轄している。

Studio Z株式会社 代表プロモーター兼特命PR担当 菊池顕樹(きくち・けんじゅ)氏 (写真左) 2014年当時、開発中であった『エレスト』の開発チームに、プログラマーとしてジョイン。リリース後はプランナー業務を兼務し、イベントの開発やキャンペーン企画、TwitterなどSNSの運用なども担当。 2016年4月に「菊丸」というニックネームで、配信技術やMCを自身で兼任して「公式 エレスト生放送」をスタート。今では45回目を超える長寿番組へと成長させた。 また、業界でも類を見ない1万人を超えるTwitter個人アカウント(@kikumaru_elest)にて、ユーザーとのコミュニケーションを取るなど、マーケターの垣根を越えた動きにより、『エレスト』を日々支えている。

まず本タイトルのリリースの背景から教えてください

菊池:アプリをリリースした2015年当時はソーシャルゲームの発展期。様々なソーシャルゲームがリリースされている中、私たちは 「ソーシャルゲームの当たり前をぶっ壊す」というコンセプトを掲げました。

それまでのソーシャルゲームというのは、イベント毎にガチャが存在し、そこで課金してキャラクターをゲットしなければ、ゲームを攻略しづらいケースが多く、いうならば使い捨て、あまり一人のキャラクターを長く使用するという発想はありませんでした。

そうした中で生まれたのが、「進化石版」や「覚醒」といったキャラクターの育成システムです。 他のソーシャルゲームはキャラクターを進化させるために、色々な素材を集めたり、レベルを最大にしなければならなかったり、といったように進化までのハードルが高いケースが多い。しかし、『エレスト』の場合、「進化石版」が1個あればすぐに進化できます。こうやって、シンプルな仕組みにすることで、ユーザーも気軽に楽しむことができると思いました。

また、隠された能力が解放される「覚醒」システムを導入することで、キャラクターに愛着を持ってもらえると考えました。キャラクターを使えば使うほど期待に応えてくれるので、使い捨てにならず、より長く一人ひとりのキャラクターを使ってもらえる。リリース当初から常にキャラクターを大切にする姿勢を貫いています。

早速、直球的な質問になりますが、アプリを運営する上で大切にしていることはありますか

菊池:一番はやはりユーザーですね。

もともとリリース当初から、数字がわからない施策に対しては懐疑的で、チャレンジするのになかなか予算が下りないという状況がありました。ただ、それまでのプロモーションの甲斐が合ってユーザーも順調に増えていたので、次は何にチャレンジしようかと考え、リアルでユーザーと接点を持ち、ユーザーの声を直接聴こうということになりました。

そこで、1周年記念イベント『エレスト1周年超大感謝祭』を開催しました。ゲームをただプレイするだけでなく、ゲーム外で『エレスト』の世界観や運営に触れる機会を用意することで、より『エレスト』の価値を感じてもらえると思いました。当日は入場制限がかかるほどの大盛況。多くの方に喜んでもらえましたね。

井上:リアルイベントが好評で、さらに価値を感じてもらうため何をすべきか考え、今度はYouTubeでの生放送を始めてみました。 生放送ということで、ユーザーの声をリアルタイムで聴くことができます。しかし、当初の目的は、単純に『エレスト』の認知拡大でした。そのために話題の芸能人などをモデレーターとして起用したのですが、本気でプレイをしている運営側の方が魅力を伝えられるのでは?と思い始めていました。 そこで社員である菊池を社内キャストとして起用し、『エレスト』の魅力をどんどん伝えていき、ユーザーにさらなる価値を届けられるようになりました。

おかげさまで社内キャストによる生放送は2年間で45回目を迎え、視聴数も15,000をキープするほどの人気があります。

菊池:このように私たちは、アプリを運営する上で、ユーザーのことを第一に考えています。 なので、今はとにかくユーザーの声を聴くことを大切にしています。自分の考えが運営に届き、それに対してのフィードバックが運営から返ってくる。そうすることで、より親近感を抱いてもらえると思っています。

なぜユーザーの声を聴くことが重要だと思うようになったのでしょうか

井上:リリース当初は、そもそもの(「ソーシャルゲームの当たり前をぶっ壊す」というコンセプトという)背景を踏まえ、プロダクトアウトな発想で、まずは自分たちが考える実装すべき機能を取り入れ、育成システムの他、パズルゲームにオート機能を加えたりと新しい試みを行っていました。   そうした中、2年目からはユーザーとコミュニケーションを取り始めるようになります。 アプリをリリースしてから1年経った頃には、自分たちが構想していた要素はある程度入れ込み終わったのですよね。そこで、より一層、良いアプリにしていくために、ユーザーの想いをしっかり汲み取るように意識し始めます。 色々な課題を解決しつつ、マーケットインの発想で、ユーザーの要望も叶えるスタンスに変わっていきました。

菊池:そうして生まれたのが、『エレスト』運営チームの今後の予定や夢を掲載する「ドリームボード」です。実装した当初は上手く運用ができないケースもありましたが、現在はしっかりとユーザーの意見を汲み取り、反映させる体制ができています。

井上:ユーザーからいただいた意見は、社内の会議でも共有するようにしています。 例えば、「バグゼロ隊」というアプリのバグを無くすための仕組みがあります。カスタマーサポートからの問い合わせやSNSの巡回で得られたユーザーの意見をまとめ、グラフ化しています。バグとしては直さなければならないものを全て洗い出し、優先順位を付け、社内で対応しています。

他にも、「もっと難しいクエストを用意してほしい」「あのキャラクターを復刻してほしい」といった声が届くので、それぞれに真摯に応えています。

そして、その中でもコラボの要望の声が一番多いです。 なので、コラボを定期的に行えるように、コラボ案件のみを担当する専任の「コラボ部隊」を作り、しっかりとコラボのスケジュール立て、運用できる体制を整えました。

菊池:ユーザーに「コラボしてほしいアニメはありますか?」とヒアリングをし、たとえどんなに難しい案件だったとしても、企画を実現できるように一生懸命IP先に交渉したりしています。コラボ企画のほとんどがユーザーからのアンケート結果によるものですね。

井上:その他にもTwitterなどでユーザーアンケートを行っていましたが、これらだけだと、ユーザーの声を吸い上げるだけで、一方通行になりつつあったので、「ディレクターレター」を始め、ユーザーからの声を聴くだけでなく、自分たちの意見を伝えるようになります。

現在8回目を終えたのですが、回を追うごとに閲覧セッション時間が伸びています。   菊池:そして、「ディレクターレター」では、出来ないことには出来ないと、自分たちの意見を正直に伝えるようにしています。 ユーザーにとって、自分たちの意見が通らないことは、正直嫌だとは思います。ただ、「こういう問題があって、やらないという結論になった」といったように、正直に伝えることで、ユーザーも理解してくれるので、友好的な関係を築くことができます。

数字で見ても、NPS(*「Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)」の略で、顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する愛着・信頼の度合い)を数値化する指標)が以前より約20%アップしたり、カスタマーサポートの満足度も常に80%以上だったりと、効果が出ています。

ユーザーの声を汲み取った後、それを伝えていく上で意識していることはありますか

菊池:プロモーションのコンテンツ自体も面白くするようにしています。YouTuberを活用する時も、ただ起用するだけでなく、その中身のコンテンツを面白くしないとユーザーは興味を持ってくれないですよね。

井上:さらに、「ガチャを連続20回引ける」「★6確定」などのキャンペーンを行う時、ただそのキャンペーンをアプリ内で実施するだけでなく、SNSやYouTubeを活用して、一気に企画を立て、包括的に行うようにしています。

アプリ内の施策とそれを伝えるためのプロモーションを一体で行うことで、効果的にユーザーに伝えることができ、ユーザーにも喜んでもらえますね。

何か施策を打つ時は、ロードマップを引き、しっかりと時系列で各施策を追う。単発の施策は一時的な効果にしか過ぎません。施策に合った媒体の選定や施策のタイミングなど、全てを計画立てることが大切です。

菊池:また、これはマーケティング施策に限らないのですが、何をやるにしても、全てのユーザーに喜んでもらえるように工夫しています。

例えば、生放送で難易度の高いクエストを攻略しようとなった場合、この企画はミドル〜ヘビーユーザーに刺さるコンテンツです。一方で、ライトユーザーにも喜んでもらえるよう、閲覧した報酬としてはガチャのチケットや全てのモンスターが育成できるアイテムを配ります。

こうやって番組の構成の中でも、ライト・ミドル・ヘビーユーザーの全ての方が楽しめるように、それぞれのユーザーに合ったメリットを考えています。

リアルイベントでも同じように全ユーザーを意識したコンテンツ作りを心掛けています。 大阪で開催した「エレストパセラコラボ2018夏@大阪」では、オリジナルメニューを1品注文するごとにオリジナルコースターをプレゼントするキャンペーンを実施しました。 とはいえ、リアルグッズに愛着を持つ人もいれば、中には持たない人もいて、全員に刺さるものではありません。 なので、リアルグッズに興味がない方向けに、ゲーム内アイテムのプレゼントを用意したりと全員が満足できるように企画しました。

このように皆が喜ぶような構図というのは、ずっと続けています。

今後挑戦したいことを教えてください

井上:新たなマーケティング施策には挑戦したくて、色々と模索中です。例えば、「バーチャルYouTuber」を試してみたいという気持ちもありますが、既に活用している他社もいるので、より面白いものがないか考えています。

やはり私たちは、YouTubeでの生放送のように他社がまだやっていないことに挑戦したいです。他社と同じことをやってもあまり面白くないと思っているので、ユーザーの声を聴きながら、他社が真似したくなるような、新しいことに挑戦していきたいですね。

菊池:他にもリアルイベントでの態度変容についても分析していきたいです。 リアルイベントを開催すると、態度変容みたいなものをその場では感じはしますが、それが実際にゲームのKPIにどの程度影響しているのかわかっていません。なのでそれを分析し、効果があるのであれば、全国でのイベント開催も検討し、より多くのユーザーとコミュニケーションを取っていきたいです。


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