アプリユーザーのLTVを最大化する5つの戦術

顧客生涯価値(LTV)とは、その名の通り、アプリのライフサイクルにおけるユーザーの平均的な価値のことです。もっと簡単に言うと、LTVは時間をかけてユーザーの価値を測る指標で、把握すべき最も重要な指標の1つです。   LTVが影響をもたらすものは様々で、ソーシャルメディアにおけるアプリのシェア、アプリについての口コミの拡散や広告の収益、それからアプリ内課金などが挙げられます。例えば、あるユーザーがもしアプリでお金を使わなかったとしても、彼が他のユーザーにアプリの情報をシェアして、その人たちがアプリにお金を使ったとすれば、彼には顧客価値があることになります。   マーケターが注力する点として、新規ユーザーの獲得による収益の増加だけだと十分ではありません。ユーザーのリテンション、つまり既存のユーザーに継続購入してもらうための戦略づくりにも注力する必要があります。ここでLTVが非常に重要になってきます。なぜならLTVを計測することで、ロイヤルユーザーを引き寄せるためのキャンペーンを最適化できるからです。このために、私たちはユーザーがアプリ使用時にとる行動を注視し、それぞれの領域におけるユーザー体験を増やさなければなりません。このような取り組みが、結果として収益の拡大へとつながっていきます。    

LTVの算出方法

LTVは全てのユーザーをベースとして算出するのではなく、ユーザーの行動パターンや性質を分析しやすいように様々なセグメント・コホートごとに算出します。多くのアプリ事業者はLTVを把握することの重要性は理解していますが、それを実際に指標として計測しているのはごく僅かです。なぜなら、カテゴリー分けをせずにユーザー全数を一括りにして算出する、ユーザーあたりの平均収入(ARPU)のみを算出するほうがより簡単だからです。しかし、マーケターにとってもアプリ事業者にとっても、LTVの算出はARPUよりも大変有益であるといえます。   これから、LTVに影響を与える主な要素をいくつか紹介します。これらの要素はどれも増加するとLTVが好転するものですが、Apptaminによると下記の中でも最初の3つ(リテンション、マネタイゼーション、バイラリティ)が最も重要な要素です。  

リテンション(継続)

これは、初めのインストールを起点として、ユーザーがアプリに再訪する頻度を指します。多くのマーケターは、LTVの算出においてこれが最も重要な測定基準だと考えています。なぜなら、ユーザーがアプリを使用する頻度が高いほど、多くの価値をアプリにもたらしてくれるからです。    

マネタイゼーション

その名の通り、ユーザーがどれだけのお金をアプリ内で使うかということです。つまり、アプリ内購入が増加すると、LTVにプラスに作用します。  

バイラリティ

ユーザーによって、ソーシャルメディアや口コミで呼び込まれたユーザーの数を表します。これはマネタイゼーションと同じくらい重要な要素です。  

ユーザーあたりの平均収益(ARPU)

これは、収益のみに着目した指標です。総収益を総ダウンロード数で割ることで算出することができます。    

アクティブユーザー1人あたりの平均収益(ARPDAU)

これは、一日の収益を一日のアクティブユーザー数で割ることで求められます。    Smart App Marketerによると、アプリのカテゴリーやまたそのアプリで適用できる指標によって、LTVを算出するにはいくつかの方法があります。  

LTVの平均値

この方法は、アプリにおいて多額の金額を消費するユーザーが沢山いるときに使用します。   計算式は、   平均日別収益 = 直近30日の収益/30 平均DAU = 直近30日の日別アクティブユーザー数の合計/30 ARPDAU =平均日別収益/平均DAU LTV = ARPDAU × ユーザーの平均リテンション率   Tapdaqのアプローチは、これに加えチャーンという指標を用います。  

チャーン(Churn)

ある一定期間においてアプリの使用を中断したユーザーの割合です。   リテンション率 = 一定期間内にアプリを使用したユーザー数 / その前の期間においてアプリを使用したユーザー数 チャーン = 1-リテンション率 LTV = APRU × (1/チャーン)   “週別コホート” **は、その年における週別の、検証済のアプリ内購入の収益とユーザーセグメントのみを含みます。   **LTV = 検証済アプリ内購入による収益の合計 / このセグメントにおけるユーザー数   バイラル係数を使用する方法 もしそのアプリにバイラル係数があるならば、「K = 1」というのは1ユーザーあたりのユーザー誘導数が1人であることを表します。   LTV = (1+K) × ARPU   これらの指標についての説明は、Appboyの記事を基にしています。  

アプリユーザーのLTVを最大化する5つの手法

マーケティング施策の投資対効果を測定するために、モバイルアプリを持つ広告主はそのアプリのLTVを最大化しなければなりません。そのための方法は、以下の通りです。  

1.ディープリンクを活用する

ディープリンクとは、ユーザーの意識とユーザーが購入し顧客となるステージをつなぐショートカットのようなものです。様々なチャネルを通してのリマインドは、エンゲージメントを高めるために役立ちます。   これに関して、Hotel Tonightのアプリで興味深い結果が出ているのがMediumで紹介されています。ユーザーが「シアトルのホテル」と検索すると、アプリ内でディープリンク広告を通してシアトルにあるホテルのリストに直接飛ばされます。この結果、+99%の収益増加につながりました。    

2.オンボーディングのプロセスを最適化する

私たちは、オンボーディングのプロセスを最適化・パーソナライズする事に時間と労力を割かなければなりません。アプリ事業者はリテンションを得られるよう、ユーザーに印象付ける必要があります。様々なオンボーディングのプロセスを試し、アプリに最も適した方法を見つけてください。Apptaminのアドバイスとして、ユーザーがすぐに、手軽にタクシーを呼ぶことができるLyft(米西海岸初の配車アプリ)の例をあげながら、不要な情報は発信せずにユーザーが必要なものだけを提供することを勧めています。    

3.スマートなプッシュ通知を活用する

プッシュ通知は、ユーザーのエンゲージメントをあげる有効な手段です。賢く使えば、ユーザー体験の増加につなげることができます。押しつけがましい通知でユーザーに不快な思いをさせてはいけません。エンゲージメントを最大化するには、ユーザーをセグメントしパーソナライズされたプッシュ通知を発信することが大事です。ここで忘れてはいけないのは、タイミングが全てであることと、文字数(最大でも英語で128文字が理想)です。最後に、よりよいプッシュ通知を送信するために、A/Bテストを行ってください。    

4.モバイル広告を使い、新規ユーザー獲得戦略を最適化する

ユーザー獲得の戦略とLTVの関連性は非常に重要です。LTVを最大化するためには、その戦略を分析し最適化する必要があります。もし、新たなアプリを持っていてダウンロード数の拡大とユーザーのLTVの最大化、どちらも求めるならば、ブーストキャンペーンを行うとよいでしょう。この方法は、ユーザー獲得のコスト削減とLTV増加に有効です。ユーザー獲得の予算を使い切ってしまう前に、どのキャンペーンに予算を投入するべきか、少なくとも3週間のテストを行う事を検討すべきです。  

5.ユーザーにとってのアクセシビリティを高める

アプリユーザーのLTVの計測においては、状況が常に変わっていきます。ユーザーと常に接し、彼らのニーズや欲望を認識し、彼らがアプリを使う目的のために最適なアプリを作らなければなりません。   ソーシャルメディアを利用してユーザーとコミュニケーションし、自分のブランドに対してのユーザーの信用を育んでください。これらのチャネルは、アプリのシェアにおいても素晴らしい効果があります。ユーザーがアプリを気に入れば、投稿を拡散し、それを見た別のユーザーが価値をもたらしてくれるからです。忘れてはいけないのは、ソーシャルプラットフォームでは、レスポンスのスピードが重要であるということです。リアルタイム戦術で、ユーザーを不快にさせないようにしましょう。   アプリ内にサポートチャネルを設けてユーザーが必要な時にアクセスできるようにしておきましょう。レビューをチェックし、アプリの問題点を発見し、ユーザーの質問に応えていきましょう。これら全ては、アプリのアップデートが必要になったときにも役立ちます。

結論

モバイルマーケターとアプリ事業者双方において、ユーザー獲得のマーケティング施策に集中すること以上に、どのように既存ユーザーを維持し、アプリにのめりこんでもらうか、ということに注力していく必要があります。そのためには、ディープリンクやオンボーディングのプロセスの最適化やユーザー獲得の戦術について考え、ユーザーのために適切にプッシュ通知を送信していかなければなりません。このようなことが、アプリを次のレベルにするために必要なステップなのです。  

この記事は、AppSamurai上の記事 “5 Tactics For Maximizing LTV Of An App User“を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on AppSamurai in English under the permission from the author.


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