アプリマーケティングの担当者ならば、一度はアプリの成長が鈍化する経験をしたことがあるのではないでしょうか。モバイル業界はものすごい速さで日々変化しています。その反面、企業からアプリユーザーへのアプローチが足りないがゆえに、アプリのユーザー数が減ってしまっているアプリも多いのではないでしょうか。

そのため、アプリマーケティングの担当者は、新規ユーザーを獲得するだけではなく、リテンション率を上げるためのマーケティングを行わなくてはなりません。この記事ではリテンション率を上げるのためのマーケティングとロイヤルユーザーの増やし方について紹介します。

新規ユーザーの獲得よりもリテンションが重要

以前は、アプリを成長させる上でユーザーの獲得が一番重要とされていました。当時、ユーザーにアプリをDLしてもらうための最も有効な方法は、ユーザーをしつこく勧誘することだと考えられていました。しかし、現在では、ユーザーの24%はDLしたアプリを一度しか使わないことがわかっており、アプリ内のユーザー行動を分析し、エンゲージメントとリテンションを高めることが必要とされています。

リテンション率と聞くと、

  • 良いリテンション率とはどれくらいなのか?
  • 同業者はアプリをどれくらい重視しているのか?

という疑問が湧くと思います。 近年の平均的なリテンション率と各業界におけるリテンション率のベンチマークの立て方をご紹介します。

リテンション率のベンチマーク

分析に入る前にまずリテンションの定義を確認しましょう。今回の記事では、リテンションを下記のように定義します。

リテンションとは30日以内にアプリを1回以上再訪問すること

また、リテンションは90日間で見ることを推奨します。これは、アプリユーザーが入れ替わるサイクルは90日であるとアプリ業界で考えられているからです。

良いリテンション率とは

以下の図から、全てのカテゴリにおいて、90日間における平均のリテンション率は20%であるとわかります。

上の図から71%のアプリユーザーは90日間で離脱してしまうことが分かります

業界ごとのリテンション率を比較すると、それぞれの業界でリテンション率が異なることが下記グラフから見て取れます。メディアやエンターテイメントを扱うアプリは一番リテンション率が高く平均24%でした。

2017年度の12ヵ月分のデータ

この数値から、まだまだリテンション率を上げられることがわかります。

リテンション率を上げる8つの方法

上記のデータより、現状リテンションに力を入れているアプリはとても少ないことがわかります。

下記にはリテンション率を上げた実績のある事例を挙げました。是非、参考にしてみてください。

1. 初回起動チュートリアル

ユーザーにアプリの魅力、使い方が伝わらないとリテンション率は下がってしまいます。。初回起動時にチュートリアルを組み込むことでリテンション率が50%上がった実績があります。優れたチュートリアルの作り方はこちらをご覧ください。

2. アプリ内メッセージ

アプリ内メッセージとはアプリ内で表示されるメッセージのことです。ユーザーのアクションに合わせたメッセージを送ることで、ユーザーを上手く誘導し、アプリを更に利用してもらえるようになります。また、アプリ内メッセージを使用した結果、リテンションが大きく改善した事例もあります。アプリ内メッセージがどういったものか知りたい方はこちらをご覧ください。

3. プッシュ通知 (リッチプッシュ)

プッシュ通知はユーザーがアプリを起動していない場合にもユーザーにリーチできる重要な手段です。ユーザーのホーム画面に表示され、他人に見られる可能性があるので、通知する内容は慎重に考えましょう。ユーザーごとにパーソナライズされ、かつ重要なメッセージを最適な手段を利用して通知するようにしてください。

4. パーソナライズ

ユーザーはロケーション、アプリ内行動などを基にパーソナライズされたプッシュ通知やメッセージを好みます。最近の調査によって、パーソナライズされたメッセージの方が全ユーザーに同じメッセージを送るよりもリテンション率が各段に上がることがわかりました。こちらにパーソナライズメッセージのポイントをまとめていますのでご覧ください。

5. ユーザーがアプリを使わなくなることを事前に予測

チャーン (アプリから離脱) してしまう可能性のあるユーザーを事前に予測できれば、アプリからの離脱を防げるかもしれません。この記事を参考にユーザーのリエンゲージメントを行ってみてください。

6. リマーケティング

プッシュ通知をオフにしているユーザーは多く存在します。

一度離脱してしまったユーザーに再度アプリを使ってもらうのは簡単ではありません。その場合には、リマーケティングを行うと良いでしょう。例えばメールやSNS、検索広告などアプリ以外のツールで再度アプリの訴求を行うことは非常に効果的です。リマーケティングを行う際にはユーザーの行動や興味、関心を元に細かくターゲティングするようにしてください。

7. A/Bテスト

マーケティングの成果の良し悪しを判断する際はA/Bテストを活用しましょう。A/Bテストによって、通知されたメッセージの内、どのメッセージがエンゲージメントやコンバージョンに効いたかを効率的に判断できます。ユーザーのエンゲージメントやコンバージョンを高めることはリテンションの向上にもつながります。A/Bテストのやり方などはこちらをご覧ください。

8. シームレス

アプリマーケティングの担当者がやってしまうミスの一つとして考えられるのが、アプリを全体のマーケティングから切り離して考えてしまうことです。プロモーションを行う際にはアプリへの導線もしっかり含めてシームレスな体験をしてもらうことがリテンションに繋がります。アプリのマーケティング戦略についてはこちらをご覧ください。

9. データの活用

どのチャネルでも言えることですが、最終的にはデータの活用をしましょう。ツール等を使ってデータを測定できる状態にし、実施しているマーケティング戦略がどれほど効果があるのかを常にモニターする必要があります。データ分析をしっかり行うことがユーザーリテンションを上げることに繋がります。

リテンションの再定義

モバイルの時代に移りつつある今、アプリマーケティングの手法もどんどん進化していく必要があります。新規ユーザーの獲得よりもエンゲージメントとリテンション率を高めることがアプリ成功への指標となります。目指すべきリテンション率はこの記事でご理解いただけたかと思います。

2018年はこの記事を参考にリテンションの向上とアプリを離脱するユーザーの減少を目標に掲げてみてください。

この記事は、Localytics社のブログMobile Apps: What’s A Good Retention Rate?“を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on Localytics in English under the permission from the author.


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