EコマースのエクゼクティブがAirbnbやDropboxやUberの華々しい成長を見るとき、下記の2つの重要な事実を見落としがちです。

 

  1. Eコマースの会社と同じようにこれらの企業もユーザー獲得に苦労しています。難題があったからこそテクノロジーを使ってソーシャルでの拡散の仕組みに革新をもたらさなければならなかったのです。
  2. これらの企業が用いている手法は彼らのビジネスモデルに特有のものではありません。実際オンラインの小売でも使えるテクニックです。

 

Eコマースのブランドも同様にリファラルマーケティングを利用するチャンスはあります。マーケティングのエクゼクティブたちは友人招待の仕組みが収益拡大になることに気づいています。

以下のような理由で、ブランドによってはそれほど素晴らしい見返りがないことも事実です。

 

 

しかしながら、多くのブランドでは優れた結果を残しています。社内での改善だけでも効果があります。

Eコマース事業者にとって友人招待は魅力的です。なぜなら、CACを低下させ投資に見合った価値が得られるからです。

 

ユーザー獲得に課題を持っているマーケティングの責任者やCMOにとって、これは新たな秘密兵器になりえます。
もちろん紹介プログラムが効果的だということをマーケティングエクゼクティブは認識していると思いますが、Airbnb, Dropbox、そしてUberの事例を通じて成功している友人招待の仕組みは会社にどれほど金額的に効果があったかに焦点を当てるのがこの記事の目的です。

 

例えば、Sociable LabsのケーススタディBeyond The Rackが社内で独自に行った紹介プログラムはとてもROIが高い結果となりましたが、残念なことに小規模だったため実際の売上にインパクトを与えるまでには至りませんでした。

 

結局のところ、もし他のマーケティング施策と組みあわせて規模を大きくできないのであれば、紹介プログラムにどんな意味があるというのでしょうか?

 

最近まで紹介プログラムは自分たちのコアコンピタンスである売上の維持について懸念しているEコマース事業者にとって手が出しにくいものになっていたという問題があります。

 

しっかりとした紹介プログラムを作る際には技術的な難題もあり、明確なROIが出せないため従来のSaaSベンダーでは解決されません。独自の友人招待の仕組みを構築するブランドはAirbnb、 DropboxやUberが驚くべき成長をした際に辿ったのと同じ課題に直面します。

 

わざわざ一から考えて大変な道のりを行かずに済むように、あなたが口コミマーケティング構築の旅に乗り出すときに頭に入れておくべきいくつかの事例と教訓をご紹介します。

 

始める前に…

友人招待とは:「やってあげてもいいな」以上の価値を作る

 

企業は様々な理由から紹介プログラムの効果を見落とします。見落としてしまう理由の一つは、それがもっとも強力で基本的な施策だからです。

 

根本的にはAirbnbやDropboxやUberの友人招待の仕組みは、「やってあげてもいいな」という価値を超えているところにあります。実際、リファラルマーケティングは新規ユーザー獲得を推し進め、従来のペイドメディア経由で獲得した顧客よりもユーザーとしての寿命が長く、平均注文数も多い顧客を獲得できます。

 

要点

これらの企業は紹介プログラムを一回限りのキャンペーンとして使っていません。代わりに、彼らは他のマーケティング施策を増幅させるためにソーシャルでの共有を活用しています。全体的に獲得コストが良い結果が出ています。

 

これらコンシューマー向け企業がどうやって友人招待の仕組みを使いソーシャル・セリングを推し進めているか見てみましょう。以下の事例はCACを下げ、より多くの顧客を獲得し、Eコマースでの売上目標を達成するために今日から活用できる7つのベストプラクティスです。

 

Dropbox

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Dropboxの紹介プログラムにおけるストーリーは、マーケティングのチャネルとして友人招待のテストに興味があったというよりも必要性を伴うものだったために生まれました。

 

PPC広告がどんどん高騰していたので、新規ユーザーの獲得コストがビジネスモデル上の深刻な問題になり、当時まだ小さなスタートアップであるDropboxの成功を脅かしていたのです。

 

これがきっかけになり、Dropboxは紹介した人と紹介を受けた人の両方がすぐにアクションを起こすモチベーションになる両面性の報酬プログラムをはじめました。友人を一人追加招待するのと引き換えに、紹介した人と紹介を受けた人の両方が追加容量のストレージを得られる仕組みです。

 

結果を聞きたいですか?Dropboxのユーザー登録数は恒常的に60%上昇しました。

 

Dropboxはとてもシェアされやすいプロダクトなので、リファラルマーケティングによってそれまでの採算が合わなかったユーザー獲得モデルを回避し、紹介プログラムによる自然のサインアップを利用するアプローチを選ぶことができました。

 

その結果、Dropboxの初期のCPAはとてもひどいもので、従来のペイドメディア経由で一人当たりの顧客獲得に233ドルから388ドルかかっていましたが、いまでは新規サインアップの35%が紹介プログラムによるものなのでコストは劇的に下がりました。

 

CPAを劇的に削減できたのもそうですが、紹介プログラムはDropboxのビジネスをスケールさせる最大の要因にもなりました。Dropboxがそれを最大限活用した結果です。

 

Dropboxの手法をもっと学ぶことに興味がありましたら、 Drew HoustonのSlideshareをみれば彼がDropboxの成長を初期にどうマネージしていたかわかります。

 

Airbnb

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今日ではAirbnbの評価額は250億ドルにものぼり、年間で9億ドルを超える利益を生んでいます。さらに驚くべき点は、この評価額は前年から倍になっていることです。Airbnbの初期の(現在もそうですが)ユーザー獲得における成功の大部分は友人招待の仕組みがもたらしたものです。

 

改めて言いますが、このAirbnbのケースにおけるポイントはROIがよかったことではありません。スケールしたことです。

 

Airbnbの紹介のアプローチは、現在の参加者が友人に招待メールを送ることに依存していました。魅力的なオファーです。友人がAirbnbを使って初めて旅行すると、紹介した人は25ドル分の旅行クーポンを受け取ります。さらに、友人がホストとしてゲストを迎え入れると追加で75ドルのクーポンを受け取ります。

 

Airbnb側からすると、友人紹介のプログラムのメリットは明らかでした。結局のところ新規ユーザーが購入した後に紹介した人にお礼を支払えばいいのです。これによって採算の合わない紹介制度でお金を無駄にすることはなくなります。この施策はうまくいき、現在も続いています。

 

Airbnbのグロースは今もなお続いている紹介キャンペーンの利益によるものではなく、この紹介プログラムを他のマーケティング活動にも応用したことが要因です。PPC広告もますます多くのユーザー獲得につながり、Airbnbの前代未聞のグロースを牽引しました。

 

この驚くべきグロースは、紹介プログラムがAirbnbのプロダクト内の様々な箇所に仕込まれているからこそ可能になりました。利益の出るソーシャル共有の仕組みを動機づけるために自社プロダクトのUXを活用しているのです。

 

Airbnbがこのアプローチをどう使っているかは下記のビデオでより詳しく学ぶことができます。Jimmy TangとGustaf Alstromerが自社のグロース戦略について議論しています。

 

それぞれの紹介プログラム施策は特定のユースケースのみ適用できるものなので、他の会社の紹介プログラムをコピーするのはおすすめしません。

 

他社の紹介プログラムを分析することで、自社の顧客でうまくいくような素晴らしい施策を作ることができるでしょう。

他人に紹介する可能性が高い顧客セグメントはどれか特定し(NPSが役に立つ指標になるでしょう)、紹介する側も紹介された側も利益になるような適切なオファーをしましょう。

 

さらに、可能な限りUX全体で紹介プログラムを利用するような最適化を進めましょう。

 

紹介プログラムは全体の一部です。継続的な最適化を行うためにUXの重要な部分を変更しましょう。

 

しかし企業は忙しいです。結果は欲しいものの、友人紹介プログラムを開発し、ローンチし、運用し最適化する時間もリソースも正当性もありません。だから動きが遅いのです。

 

彼らは「今は適切な時期ではありません。」「次の四半期で導入を検討します。」などと言います。

 

こういった状況もありますが、多くの先進的なEコマース事業者は自社で紹介プログラムを作り始め、本記事で述べたような成長に伴う苦しみを経験しています。

 

Beyond the Rackの事例のようにROIは素晴らしくよかったけれどもスケールしない場合もあります。彼らはスケールとROIの両方を保証してくれる管理システムが提供され、それを選ぶという選択ができる前からインハウスでの紹介プログラムに取り組みました。

 

Beyond the Rackがソーシャル・セリングをどう活用して広告費を最適化し、最終的に12倍のROI改善と8%のユーザー登録を成し遂げたかはこちらのケーススタディをお読みください。

この記事は、Sociable Labs社のブログThe Uber Way: An Online Retailer’s Solution To Decreasing Costly CAC を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。 Repro published the Japanese translation of this original article on Sociable Labs in English under the permission from the author.