シングルサインオン1)英語:Single SignOn、略称:SSOシングルサインオンとは、一度の利用者認証で複数のコンピュータやソフトウェア、サービスなどを利用できるようにすること。を実装しているアプリは歓迎されます。急いでいる時や、新しい認証情報を覚えるのが面倒な時、またはただ統合されているアプリが好きな場合であっても、ワンクリックで登録やログインができて非常に便利です。   Auth0では、素早さや技術的に難しくない開発が非常に重要だと考えています。だからこそ自社のSSOアプリはワンクリックで実装でき、どんなメジャーなアイデンティティ・プロバイダやソーシャルメディアのログインもボタンもほんの少しの手間で追加できます。   そして当然のことながらカスタマージャーニーは重要です。しかしログインページではこれまでの伝統的なデザインのルールに従う必要はありません。SSOを導入することで複雑さを排除でき、ユーザーを困惑させることはなくなります。よりサービス開始を簡単にしてくれます。   シングルサインオンはカスタマージャーニーから摩擦を取り除き、アプリへの定着を高める最も簡単な方法であり、その過程でリテンションやコンバージョンレートを引き上げてくれます。その理由は以下の通りです。  

理由1. 新規ユーザー獲得は最初の数秒にかかっているから   ユーザーの獲得と維持のためには、スピードが何よりも大事です。  

以前までFacebookのユーザーグロースチームのヴァイスプレジデントを担当していたChamath Palihapitiyaは、ユーザーの最初の1日や数時間、数分の動きについて考えるだけでは不十分で、重要なのは「何秒で獲得するか」だと強調しています。「どうやってミリ秒でユーザーを獲得するのか、それが勝つ方法です。」   ちょっと言い過ぎに聞こえるかもしれませんが、多くのアプリにおいて最初に見るであろうログイン画面はその後のユーザー体験を大きく左右します。ミリ秒のうちにユーザーは次へ進むかどうか決めているのです。 ここにSSOを実装しているアプリとそうでないアプリがあります。あなたならどちらを使ってみようと思いますか?   single-sign-on-sso   もしあなたがモバイル端末で上記2つの画面を見ているとしたら、タイピングする必要のない方を選ぶのは明らかでしょう。長いメールアドレスや新たなパスワードをスマートフォン上のキーボードで打ち込むような手間をかけたい人はいないからです。そしてメールアドレスによる「サインアップ」ボタンを押したあとは承認メールを待たなければいけないですし、さらに受け取ったメールを開き、リンクを開いてアカウントを承認し、次へ進むためにまた承認ボタンを押し、、、といった全てのプロセスは骨の折れるような作業です。   左側のアプリはこれらのプロセスを経ること自体に面白さがあるのかもしれませんが、右側のアプリならもっと強烈にユーザーを引き寄せることができます。なぜならワンクリックでサインアップできるからです。選択肢はいくつか用意されていますが、結局はそのひとにとって最も容易な方法を選ぶことになるでしょう。まとめると、おそらく以下の二つの理由によってSSOが選択されます。  

サインアップを急かすメールは選択疲労を招く 私たちは普段選択肢の多さに圧倒されて合理的な決断を下すことができないのです。また新しいIDとパスワードをいちいち覚えなくてはいけないのか?このアプリは自分の個人情報を安全に管理してくれるのか?ユーザーにこういったことについて考えさせすぎると、あなたのアプリは利用されないでしょう。  

ソーシャルプルーフによって登録の心理的ハードルが下がる FacebookやGoogleといった会社であればあなたは信頼して情報を預けられるでしょうし、そう考えるのももっともです。なぜなら一般的なアプリ開発者よりもそういった安全の危機にさらされる機会がずっと多いからです。SSOやソーシャルログインを内蔵しているアプリはサインアップ時にユーザーにFacebookやGoogleのボタンを実装してワンクリックしてもらうだけで、ソーシャルプルーフを高めることができます。  

ソーシャルプルーフはただ単に選択による疲労を和らげたり、ソーシャルプルーフを高めるだけではありません。下記のSSOやソーシャルログインのコンバージョンに関するデータをご覧ください。  
* コンバージョンレートが 40-60% 増加ー LoginRadius
* コンバージョンレートが 10-60% 増加ーSocial Annex
* コンバージョンレートが 3-4% 増加ーMailchimp  

Mailchimpは少なく見えるかもしれませんが、MRRの何百万ドルのうちの3~4%と考えれば、それは相当な額になります。   覚えておくべきことは、ダウンロードはコンバージョンではないということです。しかしもしそれを可能な限りユーザーが簡単にできるようにすれば、かなり大幅にコンバージョンレートを高める可能性を上げることができます。  

理由2. チャーンレートを下げることができるから  

再訪率の高さはアプリのグロースにおいて特に重要です。Localyticsの調査によると、平均的なアプリは3日以内に約80%ものユーザーを失います。 retention_graph_average 興味深いのは、チャーンレート、つまりユーザーの離脱率はどんなにアプリが「良い」ものでもほとんど同じなのです。下記の図はGoogle Playストアにあるアプリのランキングごとのユーザー離脱率です。   android_retention 大事なことはユーザーを留めるための猶予はだいたい3日間だということです。もし1日目で80%のユーザーを留めることができたら、トップ10のアプリに位置しているということです。しかしもし1日目で40%しかいなければ、トップ100にも食い込めないでしょう。   初期の好調なアクティベーションによってリテンションカーブをスタート地点から曲げることができますが、それでも2日目、3日目、それ以降もユーザーがアプリに戻ってくるように注力しなければなりません。   広告やコンテンツ、または「いいね」などによってユーザーを再訪させる方法は割に合いません。これらの施策は高くつきます。一方で、SSOは素早く簡単で、ユーザーにログインという「最後の砦」を超えさせるという効果があります。  
* Union Square VenturesのFred Wilsonによれば、毎月ユーザーの30%がアプリに戻ってきます。
* ユーザーの10%は毎日使うと言われています。
* ユーザーの92%が特定のユーザーネームやパスワード情報を忘れてしまったがためにアプリを消したことがあり、そのうち3人に1人はよくそれをしてしまうと報告しました。   毎日アプリを使うユーザーはログイン情報を忘れないとは思いますが、全体の3分の1は毎日ログインしないユーザーでしょう。ユーザーがログイン情報を忘れてしまったら、彼らは二度とアプリには戻ってこないでしょう。   SSOによってアプリを積極的に利用しないユーザーも戻ってこさせることができ、その後ログインする必要もありません。ユーザーのために街灯を用意しているようなものです。とても単純ですが効果てき面で、ユーザーを止めておくことができます。  

理由3.ソーシャル情報を活用してオンボーディングをパーソナライズ化できるから

ユーザーがアプリにソーシャルログインすれば、彼らが渡したデータを活用してオンボーディングをパーソナライズ化することができます。例えばFacebookを使ってログインした場合以下のようなデータを活用することができます。  
* E-mail
* 誕生日
* ウェブサイト
* 職歴
* 場所
* 友人  

もし正しく行えばこれらは非常に強力です。サインアップしたあとすぐに確認できるInstagramの「友人」リストは彼らのコアバリューとして見ることができます。 instagram   もしソーシャルログインなしでユーザーの情報を取得しようとしているのなら、おそらく考えたくもないようなもう一つの大きな問題にぶつかっているでしょう:偽のデータです。   新しいプロダクトやサービスにアクセスするために新たにプロフィールを作らなければならない時、実に80%の人が完全には情報を埋めなかったり、架空の情報を提供していると報告しました。   あなたもおそらくやったことがあるでしょう。誰も面倒な作業は好きではないですし、居住地にasdasdas”とタイプするほうが反応のないドロップダウンメニューから国を選ぶよりもずっと簡単です。そしてそうすると「asdasdas」はasdasdas@gmail.comというメールとして登録されます。   偽のデータによってアプリ体験をパーソナライズ化する機会を失うだけでなく、分析を歪め、チームの動きを鈍くします。   常にデータベースを精査するのではなく、SSOを実装してユーザーから直接あなたが欲しい情報を受け取りましょう。つまりポイントは、あなたが素直であればユーザーも答えてくれるということです。しかし、データ収集のためにだらだらした手続きをさせれば、ユーザーを失うことになるでしょう。  

まとめ:より良い認証体験をデザインする SSOはセキュリティーやシームレスな統合についてだけではありません。デザイナーやマーケター、グロースハッカーや開発者が、ユーザー体験の向上やより定着してくれるプロダクトの開発のために使える強力なツールでもあるのです。カスタマージャーニーの最初のミリ秒を最適化したり、プラットフォームで新規ユーザーと友達を繋けるかどうかにかかわらず、ワンクリックSSOを実装することが不可欠といえるでしょう。    

この記事は、APPCUES社のブログ “ Single Sign-On: The One-Click Growth Hack You’re Not Using” を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。 Repro published the Japanese translation of this original article on APPCUES in English under the permission from the author.

注釈   [ + ]

1. 英語:Single SignOn、略称:SSOシングルサインオンとは、一度の利用者認証で複数のコンピュータやソフトウェア、サービスなどを利用できるようにすること。