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米国のスターバックスアプリ『Starbucks』ではユーザーがオーダーしやすい機能、電子決済、ポイントプログラムを提供しています。すでに米国ではアプリは広く使われており今では約25%のオーダーや決済がアプリから行われています。

スターバックスはどのようにアプリのエンゲージメントを高めているのでしょうか?他のアプリでも参考にできることがないか、最新のUX分析をご紹介します。

オンボーディング

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良いポイント

第一印象、つまりアプリを開いて最初に出てくる画面は非常に重要です。

『Starbucks』の最初の画面はブランドロゴと簡単な説明をシンプルに配置し良い第一印象を与えています。次の画面に進むとユーザーアカウントの作成を促しますが、最初の画面ではユーザーに何も行動を促さず、ただ「Welcome」という文字を表示しているだけです。

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以降のオンボーディングのフローも見習うべき点が多数あります。

ユーザーを最初にアカウント登録へ誘導します。ユーザーにアカウント登録してもらうことは以下の点で役に立ちます。

  • ユーザーアカウントを登録してもらうことでデバイス毎のより詳細なユーザー分析を行うことができるようになります。
  • ユーザーアカウントに決済や住所を登録させることで以後スムーズに買い物をしてもらえます。
  • ユーザーアカウントで買い物毎のポイント特典が貯められることでより高いコンバージョンに繋がります。

ポイント特典は『Starbucks』における重要な機能であることからユーザーアカウント登録の重要性が理解できます。ボタンに表示されるテキストも「Sign up」 (アカウント登録) ではなく「Join Rewards」 (特典を受け取る) という表現になっておりアカウントを作ることで特典を獲得できるというメリットが伝わるようになっています。次の画面ではプッシュ通知と位置情報提供の許諾設定をします。

プッシュ通知は非常に強力なツールでリテンションが7倍に上がった例もあります。同様に位置情報を提供してもらえればスターバックスのように店舗を複数もつビジネスの場合、ユーザーの近くの店舗のタイムリーかつピンポイントなプロモーションを打つことができます。

改善ポイント

『Starbucks』の最初の画面はとても効果的な作りとなっています。それぞれの画面でのアクションと、その理由を明確に説明しています。

1つ改善するとしたら、プッシュ通知の設定はユーザーがアプリをある程度使い始めた後のタイミングでもいいかもしれません。まだアプリを使い始めていない段階ではプッシュ通知を許可したくない人が多い可能性があります。

プッシュ通知の許諾設定を少し後にすることでより多くの人が許可する可能性が高くなります。例えばアカウント作成後や初回購入後、SNSシェア後のタイミングです。実際にプッシュ通知の設定を促すタイミングを変えた事で、プッシュ通知の許可率が182%になった事例もあります。

Order (注文)

良いポイント

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商品メニュー画面のメニュータブ内には全てのドリンクのメニューがカテゴリーごとにリストされており、優れたUXを提供しています。

さらに、アプリではコンバージョンに繋がる工夫をしています。ユーザーが”order”を押すとFeatured Drinksがデフォルトで表示されるようになっています。

このFeatured画面で季節限定メニューや、フードメニュー、コーヒー豆などの購入も促すことができます。このテクニックでUXを損ねずにコンバージョンを上げることができます。

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ユーザーが初回にOrderページを開くとSNSシェアを促すポップアップが表示されます。これによりユーザーはシェアボタンの存在を認知できます。

普通のホットコーヒーをツイートする人は少ないかと思いますが、カスタムしたドリンクはシェアしたいユーザーも多いでしょう。スターバックスの商品はブランド力もあるのでシェアしたくなるのではないでしょうか。

改善ポイント

このOrderページにおいて特に問題はありません。直感的に理解でき、カスタマイズオプションについては知らなかったオプションを発見することも可能です。1つ改善するとすれば以下のような本来ならオーダー不可な組み合わせはできないようにすることでしょう。

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また、ドリンクオプションも過去の購入履歴に基づいたものを提案してくれるとよりいいでしょう。

スターバックスカード

良いポイント

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スターバックスカードもアプリで非常に使いやすくなっています。ユーザーはアプリでカードの残高を調べたり、お金をチャージしたり、新しいカードの登録ができるようになっています。

また、”pay in store”ボタンを押せばバーコードが表示され店頭での読み込みができるので、実際のスターバックスカードを持たなくてもアプリで支払いを完結することができます。

カードのデザインもとても優れています。スターバックスカードは季節ごとの限定デザインなど多数の種類がありカードを集めているコレクターも多いです。アプリ内でのカードの見せ方を良くしていることでもカードの価値を高めています。

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ギフトメニューはStarbucks reward systemの拡張機能です。このメニューでは購入できる全てのカードを見ることができます。ここでも見せ方が重要で10以上のカテゴリ (バレンタイン用、誕生日用など) から選ぶことができます。

改善ポイント

ギフトカードの種類を10カテゴリ以上に分けるのは良くもあり悪くもあります。 オプションがあることは良いことですが、10個以上もタブがあると探しにくいですし、カードの重複表示も発生します。例えば「Thank you」と書かれているカードは「Work Place」と「Thank you」のカテゴリに表示されています。

逆に今は全てのカードをリスティングしているページがないので、全てのカードをブラウズできる様にしてそこからカテゴリを絞ることができるようになると良いとでしょう。

特典

良いポイント

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『Starbucks』のホーム画面では特典を目立たせています。特典の表示画面はゲーム性があります。グリーンのプログレスバーと0/300という数字が表示がされ、何かするとこのプログレスバーが進んでいくものだと直感的に理解できます。

プログレスバーの下には特典の詳細が説明されています。取得したばかりのアカウントでは特典を得る方法をステップごとに説明しています。

最初からクレジットカード登録するユーザーは少ないでしょうから、このフローは初期設定では入っていませんが、特典を受けたいとユーザーが思った時にクレジットカードを登録できるように登録画面は特典の表示画面で常に見えるようになっています。

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ユーザーは1ドルの決済ごとに2つスターをもらいます。スターが300個貯まるとゴールド会員となり、トッピングやパーソナライズゴールドカードがもらえます。

特典はアプリの中でも重視されている要素で、メインメニューに現在貯まっているスターの数が表示されます。そうすることでアプリを開くたびにユーザーはあとどれくらいでゴールド会員になれるのか知ることができるのです。アプリではスターの数を強調するよりゴールド会員になったら何がもらえることを強調していることも興味深いです。ゴールド会員になることは誇らしいことであることを訴求しているように感じます。そのため他社のポイントプログラムよりもゲーム性が高いのかもしれません。

改善ポイント

特典プログラム自体はわかりやすいのですがもう少しもらえる特典の詳細を表示した方がいいでしょう。特典内容も統一感がなくオフィシャルウェブサイトではスターを125個集めるごとに特典がもらえると書いていますが、なんの特典がもらえるかは書いていません。

音楽

良いポイント

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『Starbucks』では『Spotify』と提携し店頭で流れている音楽のプレイリストを見ることができます。これはユニークな特徴でお店への来店に繋がります。

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音楽メニューは特集アーティストも紹介していて、より詳しく見たい場合は『Spotify』のアプリのダウンロードへ誘導しています

改善ポイント

ここではSpotifyアカウントがないと何もできません。全てのリンクが『Spotify』で開かれるようになっています。サンプル音源を入れてみるのも良いですが、ライセンスの関係上難しいでしょう。後はアーティストの経歴などを入れるといいでしょう。もっと情報を足して『Spotify』との提携という印象よりスターバックスらしさを出すといいでしょう。

『Starbucks』のUX

全体的にみて『Starbucks』は高いUXを実現しているといえるでしょう。アプリでは特典を一番の売りとしていますが、店頭に行く前にドリンクを事前にオーダーできる機能などユーザーメリットも高いです。

この記事は、LEANPLUM社のブログ”Starbucks App UX Analysis: Coffee, Lattes, & Loyalty“を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on LEANPLUM in English under the permission from the author.

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